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詩*日常から*

レタス

作者: a i o




レタス一玉

半分に切って


ささくれた心を

脱いでいくように

はりはりと

葉を剥けば


うすく透けた黄緑

めくる

いちまい、にまい、と


ひかりを浴びる

無垢な眠りについていた

幼い色が淡く


ふっくらと包んでいた

真っ白な夢を

洗うように


銀色のボウルに張った

氷水にさらせば

ピン、と隅々まで

鮮やかに目覚めて


冷たさに

じんじんと

痺れる指先から

引き締まっていく

わたしの輪郭さえも


まるで

くっきりと浮き出た

葉脈のように


水気を切って

千切るそこから

軽やかに開く音は

濡れたシンクに跳ね返り


平たい皿に

こんもりと盛り付け

明るい食卓に置いたなら


血と骨と肉のなかで

夢から覚めたばかりの

(さや)かなたましいが

喉を鳴らして


忘れ去っていた

日々の滴る瑞々しさを

ゆっくりと

噛み締めている













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― 新着の感想 ―
[一言]  レタスのみずみずしさが伝わってきます。  キャベツや、白菜だとまたちがうのでしょう。  繊切りなら、キャベツ。漬物なら白菜ですが(笑)
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