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平井のエッセイ・日常系とか旅行記とか

日本一の滝の通行止めが解除されたよ。やったね。

作者: 平井敦史

 先週、思いがけず三連休が取れたもので(2022年5月10~12日)、北陸を回ってきました。

 いやぁ行きたいところはいっぱいあるんですけどね。全国的、特に西日本はあまり天気が良くなさそうだったもので、何度も行ったことのある場所ではあるのですが、北陸にしました。


 高速が深夜料金にかかるよう、4時前にインターをくぐり、関西から北陸自動車道をひた走って、富山へと向かいます。

 立山(たてやま)駅駐車場に車を停め、まずは立山黒部アルペンルートで雪の大谷を見に行こうとしたところで、衝撃的なものを目にしてしまいました。称名滝(しょうみょうだき)行きのバス停の張り紙。遊歩道が雪崩の影響で通行止めになっており、間近で見ることは叶わないと。

 マジか……。せっかく良い天気に恵まれたっていうのに……。

 何度も行ったことあるもんで油断してた……。やっぱり事前確認は大事ですね。



 さて、そもそもの話として、皆様、称名滝のことはご存知でしょうか。

 富山県を流れる常願寺川じょうがんじがわ――日本一の急流として、地図帳にも載っていたかと思います――の支流、称名川(しょうみょうがわ)にかかる滝で、四段からなるその総落差はなんと350m。日本一の名瀑(めいばく)……なのですが、正直、知名度はあまり高くないようなんですよね。恥ずかしながら、私も大人になるまでその存在を知りませんでした。


 日本で有名な滝と言えば、いわゆる三大名瀑。和歌山県の那智(なち)の滝、栃木県日光(にっこう)華厳(けごん)の滝、茨城県の袋田(ふくろだ)の滝の三つですね。

 ただし、三つ目については色々異説もあり――「三大なんちゃら」の三つ目に我田引水するのは、いわばお約束のようなもの――、称名滝を含める場合もあるようです。

 が、率直に言って、称名滝とそれ以外とでは格が違いすぎます。


 私個人的には、三大名瀑は相撲の三役みたいなものだと思っています。

 相撲の三役――大関,関脇,小結ですね。あれ、横綱は? そう、三役というのは大関が番付(ばんづけ)最高位だった時代の名残りでして。三役の上に横綱が君臨しているんですね~。


 スケール,迫力,美しさと三拍子揃った名横綱。それが称名滝なのです。


 まずはスケール。落差100m前後の滝なら、全国に山ほどあります。三大名瀑も大体その範囲内ですね。那智が133m、華厳が97m、袋田が120m(四段の総落差)。

 が、200m超えとなると、数えるほどしかありません。北海道大雪山の羽衣の滝(270m)、奈良県大台ヶ原の中の滝(250m)と西の滝(200m)、くらいでしょうか。

 ちなみに、那智の滝が「落差日本一」と言われることがありますが、これは一段の滝としての落差です。と言っても、称名滝の四段目だけでも126mくらいあるんですけどね。


 次に迫力。雪解けの時期には、立山に積もった雪が一気に流れ込んで、凄まじい水しぶきを上げます。滝壺付近の橋のあたりは、さながらミストサウナ。渡って滝見台に行くには、びしょ濡れになるのを覚悟する必要があります。

 この轟々(ごうごう)たる滝音を、法然上人(ほうねんしょうにん)が称名(南無阿弥陀仏)と聞きなしたのが、称名滝の名の由来だとか。……まあ、不信心な私には、どう聞いてもそうは聞こえないのですが。


 そして美しさ。これもやはり雪解けの時期ですが、向かって右側に、ハンノキ滝という滝がかかります。その落差、なんと500m! え、そっちが日本一じゃないのかって? 残念ながら、雪解けの時期や大雨の後にしか出現しないので、参考記録扱いなのです。

 二つの滝がVの字を描いて滝壺に流れ落ちる様は実に見事で、さらによく晴れた日の午後の遅い時間――5月頃だと、大体15時半~16時くらい――には、鮮やかな虹がかかり、それはもう筆舌に尽くしがたい美しさです。


 本当にねぇ。何でこの絶景が、日本の絶景を集めた本なんかでも取り上げられていなかったりすることが多いのか。全く理解できません。



 私が称名滝に初めて行ったのは、2014年のこと。その日はあいにくの空模様で――麓は晴れてたんですねどね――、今回と同様に、まずは雪の大谷を見に行ったのですが、ガスがかかって視界が悪い。おまけに寒くて耳がちぎれそう、と散々でした。実は今回はそのリベンジで、雪の大谷はばっちり見ることが出来ました。


 その時も、午後からは称名滝に向かったのですが、やはり滝の上の方にはガスがかかっており……。

挿絵(By みてみん)

 それでも諦め切れず、空が晴れるのをひたすら待ち続けて……。

挿絵(By みてみん)

 ついに、虹を拝むことが出来ました!

挿絵(By みてみん)

 いや、めっちゃささやかですけどね。感動したんですよ、この時は。


 そして、翌2015年にリベンジした時のがこれ(この時はアルペンルート方面には行ってません)。

挿絵(By みてみん)


 今回も、遊歩道が通行止めになっていなければ、こんな光景を見ることが出来たはずなのですが……。残念ながら、立山高原バスの車窓からの写真と、

挿絵(By みてみん)

 レストハウスの側の滝見台からの写真のみです。

挿絵(By みてみん)


 ちなみに、その夜は富山市内に宿を取り、環水公園を見に行ってから、寿司(回るやつですが)を食べました。白エビ軍艦ウマ~。

 環水公園はなんか雰囲気が好きです。世界一のスタバもありますしね。

 あと、富岩(ふがん)運河のクルーズもおすすめですよ。パナマ運河と同形式の閘門式(こうもんしき)が体験できます。



 さて、その称名滝遊歩道の通行止めの件ですが、5月18日のYahooニュースの記事によると、21日から通行が再開されるとのこと。

 復旧作業に携わられた方々、お疲れ様でした。

 流石に今年もう一度見に行くのはちょっと難しそうですが、来年以降また行きたいところです。

 あ、もし見に行かれる方がいらっしゃいましたら、くれぐれも最新情報をご確認くださいね。

ちなみに、翌日以降は石川、福井と回って帰りました。

福井のおろし蕎麦ウマ~。

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― 新着の感想 ―
[一言] 北陸は何度か行ったんだけど、山の方はあまり行ってないんですよね。 この滝、いいなぁ。ちょっと候補にいれておこうかな。 福井と言えば、谷口屋の油揚げがすごく気になってますw
[良い点] 虹のアーチがかかった称名滝、きれいですね。 いい写真を見せてもらいました。 私は富山県民なので、紹介してもらえて嬉しいです。 ぜひまた来てください。
[良い点] うおおおおおお! これはすごいっ パワースポットなマイナスイオン爆放出中という 写真でこの迫力 実物はきっとハンパないと強く感じました 北陸は遠すぎて、私には無理だと思うのですが 良いも…
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