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勇者の称号を剥奪された体力バカ~「超回復:体力」を魔力とステータスに変換して無双します~  作者: 信仙夜祭


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第42話 復興2

 少し時間が余ったので、ダンジョンに挑むことにした。

 まあ、僕達にしか出来ないことは、ほぼやり尽くしてしまったと言った方が良いだろう。

 あとは、重機代わりくらいだろうか?

 それは、もう少し先であり、また、散発的に来るだろうから、今は多少の時間的余裕があるはずだ。


 僕は、ダンジョンには一回しか入ったことがない。

 それも、ロベルト達に殺されかけた時だけだ。

 国宝級のアイテムを見つけて、人類領に貢献する……。皆が憧れる、探索者(シーカー)に一度なってみたかった。

 ネーナの許可も下りたし、今回は正式なダンジョン探索だ。期待が膨らみ、胸が踊る。


 ネーナと歩きながら、ダンジョンに着いた。

 歩きながらと言うが、結構なスピードが出ていたかもしれないな。

 まあ、それは良い。僕達だけなら歩調を気にする必要はないのだから。


「さて、期間は十日間ですが、何処まで潜るつもりですの?」


「このダンジョンのことは、何も知らないのだけど、何層まであるの?」


 ネーナがため息を付いた。


「はぁ~。ダンジョンに挑む心構えもなしなのね。そんなんじゃ、何時か大怪我を負いますわよ。

 まあ、良いですわ。このダンジョンは、『回廊のダンジョン』と呼ばれていますの。

 とりあえず、十層までは、地図化(マッピング)されているので、その少し先まで行きましょうか」


 ネーナがカバンからダンジョンの地図を取り出した。

 こうゆう時、ネーナは頼れるな。ただの〈怪力〉持ちではない。

 教養もあるので、僕の足らない点を補ってくれるのはありがたい。


「助かるよ。それじゃあ行こう」


 満面の笑みの、ネーナ。やっぱり可愛いな。

 装備が、重装備であれだけど。





 ダンジョン一層目。

 ここは、ゴブリンの巣だ。たしか、『小者の巣窟』とか呼ばれていたはずだ。

 だけど、全然いないな。

 もう、一層の半分くらいを踏破しているのだけど、一匹も見当たらなかった。


「……おかしくない?」


 ネーナは、地面に残る痕跡を調べながら進んでいる。


「……壊された武器防具の破片が散らばっていますわ。推測するに、こないだの魔物の氾濫(スタンピード)で駆逐された可能性がありますわね」


 なるほどな。そういえば、魔物の氾濫(スタンピード)には、ゴブリンはいなかった。

 インコウとチョウホウがどうやったか分からないけど、ダンジョン一層目に魔物を転送したのであれば、ゴブリンは駆逐されたのかもしれないな。

 いや、ゴブリンを生贄にして、魔物を生み出したのかもしれない。迷宮支配者(ダンジョンマスター)に会えたら、聞いてみたいけど、しばらくは来そうにないんだよな。


「それじゃ、二層目に向かおうか」


 何もないのだし、この層はスルーで良いだろう。


「う~ん。一応、ゴブリンロードがいないか確認しますのよ」


 ユニークモンスター? フロアボス? 初のダンジョンなので、ちょっと怖いかもしれない。

 二層に続く階段の前を通り過ぎて、一層の最奥を目指すことにした。

 そうすると、ゴブリンチャンピオンが出て来た。


「ふむ。生き残りがいそうですわね」


 ネーナが、モーニングスターを抜くと、ゴブリンチャンピオンが吹き飛んだ。

 受け身を取れず、壁に頭から埋まってしまった……。

 ネーナが近づき、止めを刺す。

 容赦ないな……。戦いにすらなっていない。

 ドロップアイテムは、大きな斧であった。木材の加工に良いかもしれないな。良いお土産が出来た。

 ネーナがカバンに斧を仕舞いこんで、一先ず戦闘は終了だ。


「さあ、行きますわよ」


 その後、散発的にゴブリン族が来たが、全てネーナが粉砕する。ゴブリン族は、全て上位種だったけど、姿を現した直後にネーナに吹き飛ばされている。隠れていれば良いのに……。

 僕? 僕は、何も出来ません。ネーナが前衛だと暇です。

 そんなこんなで、一層の最奥に到着した。

 一層の中では、一番大きな空間だ。

 奥を見ると、震え上がって固まっている、ゴブリン族の一団がいた。


「ゴブリンロードがいましたわね。討伐するのだわ」


 ネーナの無慈悲な宣戦布告で、戦闘が始まった。

 ゴブリンロードは、魔法を連発して距離を取って来た。魔法は僕が弾く。

 ネーナは、取り巻き達を次々に倒して行った。

 最後にサクッとゴブリンロードを討伐して終了だ。思ったほどではなかったな。

 ネーナが強すぎるのか、ダンジョンの難易度が低いのかよく分からない結果になってしまった。


 そんなことを考えていると、ネーナがゴソゴソと何かを探し始めた。


「あ、あったのだわ!」


 小さいが、宝箱を見つけたようだ。

 開けてみると宝石類が収まっていた。


「それって、魔石なの?」


 魔石は燃料になるのだが、これはとても綺麗だ。装飾品としても申し分ない。壊してしまうのはもったいないと思う。


「魔石だとは思いますけど、鑑定結果次第かしら?」


 それと、ゴブリンロードの杖とネックレスを剥ぎ取ってその場を後にした。


「ネーナは慣れているね。ダンジョンは初めてではないの?」


「暇な時、王城近くのダンジョンで遊んでいたのだわ。あのダンジョンを踏破したのは、私が始めてなのよ。ここにも結構通っていたのだわ」


 頭痛くなって来た。

 ネーナは、王城で何をしていたのだろうか……。


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