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勇者の称号を剥奪された体力バカ~「超回復:体力」を魔力とステータスに変換して無双します~  作者: 信仙夜祭


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第38話 後始末5

 話を聞き終わって、僕は唖然としてしまった。

 何と言うか、スケールが大きすぎて頭が付いて行かず、理解出来ていない感じだ。


「なるほど、それで私達のことを旧人類と呼んでいたのですわね。それと、竜人であるあなた達の説明が抜けているのですけど?」


「……我々は、凍った世界で召喚魔法を行ったのだ。気温に左右されない生物の召喚……、竜種だ。

 竜は、全ての生物の骨を持ち、どんな環境にでも対応出来る。それこそ、空を飛び越えて月でも生きられる存在だ。

 我々は、その血を取り込んだ種族なのだ」


 僕は何を言っているのか、ほとんど理解出来ていない。

 だけど、ネーナは、理解出来ていそうだ。

 王族の生まれだけあって、教養があるのだろうな。


「興味深いですわね。それと、旧人類を保護する意味はありますの?」


「なぜ出生率が低くなったのかを調べたいというのが、千年前の結論であった。そして、そなた達は、数を増やしている。

 ウィルス説や生物の寿命説、果ては神による終末説など色々と出たのだが、そなた達が今生存していることが、全てを否定しているのだ」


「もう一つ、エルフ族は今何をしているのかしら?」


「……。不干渉の協定を結んでいるので、我々は知らない」


 もう一度、世界魔法を使われたら終わりだと思うのだが。

 管理出来ないのは理解したけど、不干渉は問題があるのではないだろうか?

 エルフ族は、『ダンジョンを作り出す』等の世界を作り変えたと言った。他にも何かしていると考えた方が良いだろう。

 エルフ族だけが住める世界にされてからでは遅いと思うのだが。

 いや、千年間も何もなかったのだから、大丈夫なのかな?


「ビット。どうしました? 何かありまして?」


 おっと考え込んでしまった。


「僕からも聞きたいことがあります。あなた達は、【闘気】をどうやって覚えたのですか?」


「……他種族を取り込んだ者の中に、ごくまれに使い手が現れる。私こそ聞きたいよ。君の【闘気】は純粋すぎる。そして、その技術は何処で身に着けたというのだ?」


 話からすると、【闘気】の技術は確立されていないのか……。

 使える人は、生まれつき使えるのかな?


「カンエイにも聞いたのですが、魔王を自称する人はいませんか? それと、ヒルデガルドと言う人は聞いたことがありませんか? 【闘気】に関しては、ヒルデガルドと言う人から教わりました」


「カンエイに質問した内容だな。我々が持つ古文書を調べたと連絡が来ている。まず、魔人族だが、この大陸にはいない。いや、いなかったが正しいか。

 海を越えた大陸に魔人族を召還した国があったそうだ。今も生き残りがいるのであれば、そこに魔王がいるのではないかと言うのが結論だ」


「海の向こうの大陸ですか……」


 開拓村の終了後……、第七の関所完成後に行ってみるのも良いかもしれない。

 ここで、インコウがチョウホウを起こした。意識を取り戻したみたいだが、目の焦点が合っていない。

 操っているのかな?

 そのチョウホウが魔法を使った。魔方陣が展開されてその中に手を入れている。

 そして、何かを取り出した。


 リセイ関長が剣先を向ける。


「魔法による空間収納だ。そこの姫のカバンと同じものだよ。それとこれが世界地図だ。見てみると良い」


 リセイ関長が受け取って、紙を開いた。


「これが、世界の形ですか……」


 僕が望んでいた物である。

 その後、僕達の人類領の位置を教えて貰い、魔人族がいるかもしれない場所も教えて貰った。魔人族は、旧北アメリカ大陸と言うところで召喚されたのだとか。


「それと、ヒルデガルドという人物だが、同名の人物は多い。だが歴史に名を刻んだ魔導師としては一人だけ該当者がいた」


「どんな人ですか?」


「人類の最盛期に、空間魔導師として数々の功績を残した者だ。一例だが空間収納の開発は、世界を変えたらしい」


「千年前の人? 空間魔導師は合っていそうだけど……」


「もしかするとだが、今だに生きている可能性もあるとの事だ。亜空間作成を行い、時間の流れを遅くした空間で生活していたとの記録があった。何でも、二百年間は生存が確認されている。ただし、ある時を境に音信不通となったらしい」


 ここで思案してしまう。

 ヒルデさんは、『君と私には、千年前くらい歴史に差がありそうね』と言っていた。千年前の人だってことか?

 それと、僕はあの空間で成長出来た。時間が遅いとは思えない。

 いや、待てよ。ヒルデさんから貰ったあの指輪だ。あれは、僕のスキルを止めた。ならば、ヒルデさんの時間操作も無効化するのではないだろうか?


「イルゼ。指輪を返して貰えるかな」


 イルゼが指輪を隠す。

 あげたわけではない。貸しただけなんだけどな。


 ──ゴン


 背後から、ネーナのモーニングスターによる突っ込みが来た。

 痛いです。頭が割れて血が滴り落ちています。


「ビット。せめてイルゼの怪我が治るまでは、指輪を貸してあげるのだわ」


 別に意地悪で言ったつもりはないのだけど。ただ、検証したかっただけなんだけどな。

 目の前に、空間魔法の使い手がいるのだし。


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