表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者の称号を剥奪された体力バカ~「超回復:体力」を魔力とステータスに変換して無双します~  作者: 信仙夜祭


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/62

第29話 防衛戦2

 僕は上空から第六都市を見渡した。

 リセイ関長から教えて貰った、残り二ヵ所の結界の場所を見る。


「……とりあえず、結界の場所に行くか」


 空を飛べるコートは、速度は出ないので、走った方が速いのだが、今は上空から都市を確認したい。

 そのまま、都市を確認しつつ、残り二ヵ所の結界の場所に向かった。


 上空より確認して分かったのだが、魔物はほぼいなくなっていた。

 そして、おびただしい数の衛兵の亡骸……。

 『ギリ』っと奥歯を噛み締めた。

 僕が竜人に会いに行かなければ、こんなことは起きなかったかもしれない。

 だけど、人類が領土を拡大し続けて行けば、いずれは起きたことだ。

 いや、魔物の反乱(スタンピード)は、数十年単位で起き続けている。もしかすると、竜人達が起こして来たのかもしれない。

 そんなことを考えていると、一つ目の結界に辿り着いた。


 一つ目の結界は、衛兵が防衛を行っていた。


「良かった。まだ、結界は壊されていなかったか……」


 独り言が出た。

 周囲を見渡すが、生きた魔物はいなくなっていた。

 ここで、疑問が出る。魔物の配置に明らかな偏りがあったのだ。

 ネーナがいた場所には、第六都市を襲った魔物の大半が押し寄せていたことになる。

 そして、眼下の結界を襲う魔物は少なかった?

 思案していても仕方がなかったので、最後の結界の場所に向かった。


 ふと、遠くが目に入った。

 魔物の反乱(スタンピード)の先頭だ。

 魔者達は、山を迂回することもなく、そのまま直進していた。


「第五の関所と第四の関所は、山を迂回するように建てられている。次に危ないのは、第三の関所だな……」


 ここで考える。

 魔物が何も考えずに山を登り、ただ直進するのであれば、都市部への被害はまだ出ていないはずだ。

 第六都市の魔物の反乱(スタンピード)を早急に制圧出来れば、第三の関所が襲われる前に魔物の反乱(スタンピード)に追いつける可能性が出て来た。

 いや、その前にやらなければならないことがある。

 後ろを振り返った。


 第六都市へと向かって来る魔物達が列を作っていた。

 その先を見る。


「あそこはたしか、ダンジョンがあった場所だよな……」


 方法は分からないが、どうやらダンジョンで魔物を生み出し、魔物の氾濫(スタンピード)を起こしているようだ。

 この国には、四ヵ所のダンジョンが発見されている。

 一つ目は、王城近く。

 二つ目は、第三の関所近く。

 残りは、第六の関所近くと、開拓村近くだ。

 ダンジョンは、今だ未知の部分が多い。竜人達は、何かしらの技術を確立させているのかもしれないな。

 上空より観察しながら最後の結界の場所に辿り着いた。今は、高い建物の屋根に着地している。

 三ヵ所目の結界もまだ健在だった。消えかかってはいるものの、衛兵達が多くいる。そして、魔物の姿は見えなかった。


「ダンジョンに向かうか……」


 発生源さえ止めてしまえば、第六都市は安全が確保されるはずである。

 それが僕の結論であった。


 ダンジョンに向けて飛び立とうとした時であった。

 陽の光が遮られ、影が僕を覆った。

 慌てて上空を見ると、大きな鳥が僕に向けて爪を立てようと襲って来ていたのだ。

 慌ててその場を飛び去る。鳥の爪は、建物の屋根を破壊して瓦礫をまき散らした。

 僕は瓦礫に襲われて吹き飛ばされる。


 地面に叩きつけられて、少し転がったが、何とか受け身を取ったので、すぐさま体勢を立て直した。

 僕を襲った鳥を探すと、大空を舞っている。それも優雅に。

 まずいな、空中戦は明らかに不利である。そして、僕は中長距離の武器がない。


 だが、意外なことが起きた。

 大きな鳥が、地面に降りて来たのだ。

 そして、鳥の背中に跨っている人がいた。鞍がついているようだ。


 鳥の背中に跨っている人と視線が合う……。

 鱗が目に付いた。まあ、間違いなく竜人だろう。

 でも、シスイ関だったろうか。カンエイと名乗った人とは装備が異なるな。

 シスイ関の竜人達は、重装備だったが、目の前の鳥に騎乗している人物は、鎧は着けていない。軽装なのだ。

 まあ、刃物は装備しているが。


「君が、シスイ関を襲った人物かな?」


 僕が観察していると、不意に質問を受けた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ