表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者の称号を剥奪された体力バカ~「超回復:体力」を魔力とステータスに変換して無双します~  作者: 信仙夜祭


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/62

第21話 戦闘1

 僕は、一騎打ちを所望して来た人と数十合打ち合った。

 まず目に付いたのが剣だ。この人の剣は、魔剣であった。盾も破壊出来ないので、魔力を帯びているのであろう。

 何と言うのかな、魔防具?


 それと、『闘気に近いもの』である。

 僕の【闘気】とは、明らかに異なるのだが、ステータスの大幅な向上が見て取れる。効果は同じなのだろう。僕から言わせて貰えれば、使い方がまだまだだけど。

 それでもこの人であれば、先ほどの森林も突破出来るのであろうな。


 ──カンカンカン……


 余計な思考が過ったが、一騎打ちは続いている。

 この人、僕の最高速度に付いて来ている……。普通であれば、目でも追えない速度で動いているのだが。

 僕はフェイントを入れて、背後に回ってみた。だが、相手は見ずに背後に剣を振って応戦して来た。

 これ以上踏み込むと、相打ち覚悟の攻撃が来るかもしれないな。剣先を躱して、一度距離を取る。

 相手は、回転して僕に正対した。近接戦闘の技術はかなり高いかもしれない。


 正直、あまり時間をかけたくないな。他の人達が取り囲んで来たし。

 僕は鋭く踏み込んで、横薙ぎの一閃を放つ。


 ──ガキン


 剣と棍棒が打ち合うと、火花が散る。

 そして、その人を剣ごと弾き飛ばした。関所から落とそうと思ったのだけど、踏みとどまった。単純にすごいと思う。

 まあ、相手に賞賛を送ってもしょうがないのだが。

 どうしようか? ストレングス特化では、当たらないと思うし、もし当たったら爆破してしまいそうだ。最悪、殺害してしまうであろう。これ以上の関係の悪化は避けたい。


「ふぅ~」


 大きく息を吐き、再度棍棒を向ける。一応、矢が飛んで来ることも警戒している。

 僕に油断はない筈だ。余計な思考を続けているけど。

 こうなると、一気に【闘気】を開放して火力というか手数で押し潰すか……。

 そんなことを考えた時であった。


「私の負けだ……」


 あれ? 目の前の人は、疲労困憊とばかりに膝をついた。剣を杖にしてもたれかかっている。

 そうか、体を限界まで酷使した短期決戦だったのだな。全ステータスを限界まで上げていたのだろう。体中の筋肉が切れていそうだ。

 その人は、『闘気に近いもの』も生成出来なくなった様だ。息も乱れており、汗も滝のように流れている。体力も使い切ったみたいだな。この辺が、スキル〈超回復:体力〉を持つ僕のアドバンテージになる部分だ。

 さて、降参してくれたし質問してみようか。


「僕の質問に答えてくれるのであれば、これ以上は暴れません。関所の修復も手伝いますよ」


「……そなたは、旧人類なのだ。我々は余計な知識を与えるわけにはいかんのだよ」


 この人達は何かを知っている。多分、この世界全体のことを知っているのだろう。

 教えられないと言うが、僕はそれが知りたい。


 周りを見ると、もう刃物を向けて来る人はいなかった。

 実力差が理解出来たのであろう。

 怪我人の手当てを行っている人も見受けられる。


 交渉の余地は無かったとはいえ、やりすぎたかもしれない。

 これで死者が出れば、僕からの要求は何も受け入れて貰えないだろう。

 ポーションを渡しても飲んで貰えそうもないし、壊した城壁だけでも直してからここを発とうか。

 僕は破壊した城壁の所まで移動した。



 土魔法:土壁生成



 大地を盛り上げて、破壊した城壁を塞いだ。ついでに火魔法で焼き固めて、以前より硬い城壁にする。所々、ガラス化しているけど、まあ強度が足りていれば良いだろう。

 でも、見た目が悪いかな? 外壁塗装とかは、ここの兵士に任せるか。


 周りを見ると、驚いた顔が並んでいた。

 まあ、そうなるよね……。

 城壁を壊して、即座に直す。僕の行動は、意味不明だよな。





「それでは、僕はあの山の頂上に向かわせて貰います」


「そなたが進むのであれば、我々()()達は君を見た時点で、襲うことになる。私も王様に君のことを報告する義務がある。関所を突破されたと……」


 竜人? それと、先ほど僕のことを()()()と言った。

 知識欲を掻き立てられる。

 いや、僅かな情報を僕に与えることによって、誘導しようとしてるのかもしれないな。


「それで良いですよ。無駄な戦闘を繰り返すことになりますが、質問は王様にでもしてみます。山頂に王様がいるのですよね?」


「……そうか。では一つだけ質問させてくれ」


「なんでしょう?」


「君の生命エネルギーは何処から来ているのだ? 明らかに人の枠を超えている」


 この人は、やはり出来るな。

 僕のスキルの根幹を言い当てた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ