表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者の称号を剥奪された体力バカ~「超回復:体力」を魔力とステータスに変換して無双します~  作者: 信仙夜祭


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/62

第20話 魔境3

 僕は森林を抜けて山裾に着いた。着いたのだが……。

 目の前に関所がある。明らかな人工物だ。僕達が作ろうとしていた物とかなり近い。高さは20メートルといったところかな?

 この辺に生息する巨大な魔物に体当たりされれば、あんな建造物が残るわけがない。

 いや、そこじゃない。


「この辺に人が住んでいる?」


 ありえない思考の結論を口に出してみる。

 僕達と関わり合わない人類が生きている? 僕達と関わり合わない意味は?


 それともう一つ。森林を抜けてからこの関所に近づくにつれて魔物が減って行った。つまりこの辺には魔物はいなかったのだ。

 違和感しかない。

 魔物があの関所に近づかない理由があるはずだ。その理由が分かれば、開拓村には衛兵が不要になるかもしれない。

 いや、勇者の称号も廃止されるかもしれないな……。



 とりあえず近づいてみると矢が飛んで来た。僕は【闘気】を開放して矢を防ぐ。

 射手を見る……。なんだあれ? 僕達とは姿形が異なる。人形なのだが……、鱗に覆われている。

 でも顔は、僕達とそうは変わらないかな?


 明らかに、僕に近づくなと目で訴えているな……。

 二射目の矢が来た。

 避けなくても、僕には当たらない。


 話が聞きたいが……、強硬手段しかないか。



 ステータス変更:アジリティ特化



 【闘気】を吸収しての、ステータス変更。今回は、回避と速度重視だ。僕がヒルデさんのところで、唯一合格点を貰った技術だ。

 僕は一瞬でと言うか、一歩で関所の前に辿り着く。関所の人達は僕を見失ったようだ。

 ここで再度、ステータスを変更する。



 ステータス変更:ストレングス特化



 僕は、右手に【闘気】を集めて、関所に右ストレートを放つ。

 大轟音と共に、関所が一部崩れ落ちる。

 僕は、そこから関所の内部に入った。


「貴様! 警告射撃を何だと思っている! それともサイコパス野郎なのか!!」


 酷い言われようだ。先に矢を放ってきたのはそちらだと言うのに。まあ、関所の破壊はやりすぎかも知れないが……。

 というか、言葉は通じるのか。矢を射かけられながら、コミュニケーションが取れる事には驚いていた。まあ、矢は全て回避しているけど。


 近接武器を持った兵士が僕を取り囲んで来た。


「ここまでされると、返すわけにもいかなくなった。悪いが死んで貰う」


「……僕が、ここを鎮圧したら、質問に答えて貰いますね」


 会話にならない会話を行い、宣戦布告とした。

 360度から槍が、向かって来た。僕は屈みながら槍を避けて、棍棒を一振りする。その風圧で槍兵が吹き飛んで行った。

 そうすると、今度は大斧だ。2mを超えるフルプレートアーマーを着込んだ大男が斧を振るって来た。

 体勢を崩しながらだが、僕は大斧を片手で受け止める。


 ──パシ


 力比べが始まったが、まあストレングス特化している今の僕には遠く及ばないな。大斧を押し返すと、背後から矢が飛んで来た。


「邪魔だな~」


 大斧を横に振り回し、持ち主ごと投げ飛ばす。矢はフルプレートアーマーが弾いてくれた。

 この時点で、僕の周りにいる近接武器持ちは、近づいて来ない。戦意を挫いてしまったみたいだ。


 僕は脚に力を入れて飛んだ。


 ──スト


 関所の城壁にいた射手の隣に着地する。射手は、眼ですら僕を追えていないようだ。

 射手が僕に視線を向けて来る前に、僕は棍棒で射手を打ち据えた。多分、腕が折れただろう。



 ステータス変更:アジリティ特化



 城壁を移動しながら、射手を棍棒で打ち据えて行く。とりあえずは殺さない。

 関所の城壁を一通り走り終わって、大体の射手を無力化した。

 そうすると、またフルプレートアーマーを着込んだ兵士が城壁を登って来て僕の前に立ち塞がった。

 でも、さっきの人とは装備が違うな。兜に羽根も付いている。それと武器は、剣と盾だ。


「一騎打ちを所望する」


 いやさあ……。数十人がかりで攻撃してきて今更何を言っているのだろうか?

 まあ良いけどさ。

 無言で棍棒を向ける。


 兵士は、大盾で体を隠しながら、突進して来た。

 僕は、一瞬で背後に周り、棍棒で突く。

 だが、躱された……。この兵士は、結構強いかもしれないな。

 そんなことを考えている時であった。


 目の前の兵士から、【闘気】が放たれた。

 いや、厳密には【闘気】ではない。質が違う。


 これは、ヒルデさんが言っていた、『他生物の【闘気生成】を体内に取り込んだ、闘気に近いもの』だ。

 僕は警戒心を高めた。


かなり話数がかかりましたが、ビットの能力解禁です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ