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【「敵に塩を送る」国民が多すぎる!】


 こんばんは。「こんちはストラウス!」の時間です。司会を務めますは私、マッシュー・ストラウス、お見知りおきを。

 さて、世の中の諸問題を扱う、いたって真面目なこの番組、第二回のテーマはこちら。


【「敵に塩を送る」国民が多すぎる!】


 おうぅ……、今回もまた、根の深そうな社会問題です。この国で暮らす権利のある我々にとっては、他人事ではありませんね……。


 では、この問題についてコメントをくださるゲストのみなさんをご紹介いたしましょう。

 塩送り文化研究家の塩野しおの円巳えんみ氏、

「よろしく頼みます」

 日本にっぽん塩ラーメン愛好クラブ会長、押尾おしお華太郎かたろう氏、

「よろしく頼みます」

 今日はおふたかた、どうぞよろしくお願いいたします。

「よろしく頼みます」

「よろしく頼みます」


 さて、まずは塩野氏にお伺いしますが、「敵に塩を送る」ことにはどのような意味合いがあるのでしょうか。

「ええ、まずはですね、こういうことっしょお」

 こういうこと、といいますと?

「ええ、昔々、越後の飢えすぎた虎がですね……、ん、違うな、飢えすぎてる虎……いや、なんじゃったかな」

 越後の竜、上杉謙信こと上杉輝虎のことでしょうか。

「ああ、そう。その飢えすぎたなんちゃらが、甲斐の猛々しい虎に、塩を塗りこんだっちゅう話があってな」

 うむ、我々の知っているエピソードとはだいぶ違いますが、塩野氏独自の研究でございましょう。して、そのエピソードから?

「ああ、その話はどうでもいいっしょお」

 ……では、あらためてお尋ねしますが、『敵に塩を送る』ことにはどうのような意味合いがあるのでしょうか。

「そりゃやっぱり、呪術っしょお。塩(まじな)いってのもあるし……、あれ、それ、どんなのじゃったかな」


 それでは、押尾氏にお伺いしますが、押尾氏は敵から塩を送られた経験がおありだとか。

「ああ、あるねえ。ほんと、嫌味ったらしったらありゃしないよ」

 なるほど。差し支えない程度に、そのときの事情をお聞かせ願えますか。

「ああ、そんときゃね、あいつが送ってきたんだよ、味噌ラーメン褒め称えクラブ会長代理の大見おおみ蘇太兵衛そたべえって奴がね。なんでも、『バザーの景品で岩塩が当たっちまったから、塩組組長のあんたにやるよ』ってね。だーれが塩組だってんだね、塩ラーメン愛好クラブ会長、押尾華太郎だっての。まったくバカにしてやがるねえ」

 なるほど、してそれはまた、どんな気分で。

「もうね、あったまきてね、脳髄に塩ぶっ込まれた気分でね、ああそんときゃえたねえ、青菜みたいに。おかげで塩ラーメンまで嫌いになるかと思ったよ、もうね」

 それはまた、致命傷で。

「まあ、三時間お砂糖食いつづけたら気分も晴れたけどね」

 それからはまた、塩ラーメンを?

「ああそうさ、なんてったって俺は、塩ラーメン愛好クラブ会長、押尾華太郎なんだから」


 おっと、ここでお時間となってしまいました。お別れです。

 ゲストのおふたかたには、貴重なコメントをいただくことができました。どうもありがとうございました。

「こちらこそ、ありがとうございました」

「ありがとうございました」


 それではみなさん、また次回お会いいたしましょう。さようならぁ。





ちなみに、上杉謙信の「敵に塩を送る」ですが、

これは、今川さんと対立していた武田さん、今川領からのお塩が来なくなり困っていたので、敵対しつつもそういった経済制裁をやっていなかった上杉さんの領地からのお塩に頼ってなんとかなりました、っていう美談? でございます(  ̄▽ ̄)

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