【「レディース・アンド・ジェントルメン」を「レディース・アンド・エンジェルマン」と聞き違える国民が多すぎる!】
※ フィクションです。
こんばんは。新番組、「こんちはストラウス!」の時間です。司会を務めますは私、マッシュー・ストラウス、以後お見知りおき願います。
さて、さっそく今回の問題提起に移りたいと思います。今回取り扱う問題は、こちら。
【「レディース・アンド・ジェントルメン」を「レディース・アンド・エンジェルマン」と聞き違える国民が多すぎる!】
おうぅ……、初回からなかなか根の深そうな社会問題です。この国で暮らす権利のある我々にとっては、他人事ではありませんね……。
では、この問題についてコメントをくださるゲストのみなさんをご紹介いたしましょう。
紳士研究家の藤江とる丸氏、
「よろしく頼みます」
我が国における天使の事情に詳しい、円城えるの助氏、
「よろしく頼みます」
今日はおふたかた、どうぞよろしくお願いいたします。
「よろしく頼みます」
「よろしく頼みます」
さて、まずは藤江氏にお伺いいたしますが、我が国に「レディース・アンド・ジェントルメン」を正しく聞き取れない国民が多数いることをどう捉えていらっしゃいますか。
「びっくりですよ。けしからんですなあ」
やはりそうですか……。では、この問題にはどのような原因がおありとお考えですか。
「原因もなにも、なっとらんです。紳士たるものの心構えの問題ですな。きゃつらはですな、横文字だからというんでなしに、たとえ日本語をもって『紳士淑女のみなさま』といわれたとしても、紳士的心構えのできぬうちは、聞き取れんでしょう」
はあ……。では、氏のお考えなさる「紳士的心構え」というものをお聞かせいただいてもよろしいでしょうか。
「そんなこと、決まっておるでしょう。気合い、根性ですよ。日本紳士たる者、見かけでなしに、英国紳士も裸足で逃げるほどのど根性を持ち合わせておるのだということをですな、紳士らしい見かけと仕草をもって、ただひたすらに示すほかないのでありますな」
なるほど……。昨今のグローバリゼイションを生き抜くためにも、我が国の紳士にはぜひとも気をつけてもらいたい問題ですね。
それでは、円城氏にお伺いいたします。我が国の国民が「ジェントルメン」を「エンジェル」と聞き違えてしまう背景には、我が国の天使事情からいうとどのような原因が考えられるのでしょう。
「ええ、まったくもってふしぎですね」
我が国の国民にとって、天使とはどのような位置付けにあるとお考えですか。
「ええ、これがその、ね、まったくもって、ふしぎなんですね。ふわふわしとります」
ふむ、ふわふわ、と言いますと。
「ええ、まったくもってふしぎなことにね、我が国の国民にとって、天使という概念は、ふわふわしとるんです」
つまり……、すなわち我が国における天使は、西洋のそれと違い、宗教的な位置付けにないとのお考えで。
「ええ、そうですから、まったくもってふわふわと……、ふしぎなんですね、天使というものは」
国民のそういった天使のとらえかたも、「ジェントルメン」を「エンジェルマン」と聞き違えてしまう原因のひとつとしてありそうですね。
「ええ、まったくもってふしぎなんですよ、ええ……」
おっと、ここでお時間となってしまいました。お別れです。
ゲストのおふたかたには、貴重なコメントをいただくことができました。どうもありがとうございました。
「こちらこそ、ありがとうございました」
「ありがとうございました」
それではみなさん、また次回お会いいたしましょう。さようならぁ。