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2話 暇という地獄

 俺が転生してから三日たった。

 三日の間で色々と知った。


 まず魔法の存在を知った。この世界には魔法があるらしい。

 俺が飯を食ってる時に、お姉さんが魔法で水を出してるのを見てすごいびっくりした。びっくりしすぎて口に含んでいたものを吹き出したのは記憶に新しい。 

 

 それと魔法陣っぽいのが書かれた本とかもあった。魔法の研究とかもされてるのかな。もし魔法学校とかもあるんだったら、一度は行ってみたいね。勉強とかは面倒なのでしたくないけど。


 それでまぁ、俺は使いたいんだよ。魔法使ってみたいんだよ。

 手から火の玉とか出して魔物倒しちゃったりしたいんだよ! ロマンだよロマン!


 てことで転生から二日目の昼過ぎ、色々やった。まあ結局できなかった。

 「スキル」とか、「ステータス」とか。

 「オープン」、「スキルオープン」、「ステータスオープン」、「マジック」、「アビリティ」、「アンベージカモン」、「ゲートオープン・開放!」

 

 とかを色々心の中で言ってみたけど何も起こらなかった。ぶっちゃけ最後の方はやけくそだった。

 

 本当は声を出して喋ってみたいんだけど、俺まだ赤ちゃんだし。全然はっきり喋れないし。


 てことで諦めるしかなかった。

 時間は有り余ってることだし、ぼちぼちやってくしかないね。


 次に、ここはどこかってことなんだけど、どこかの国の、どこかの地方の、森の中ってことがわかった。

 つまりほとんどわからないってことですね、はい。


 ただ二日前に、すっごい豪華な鎧を着込んだ人が家を訪ねて来てた。

 書類とかをお姉さんに渡してたから、役人とかだと思う。


 役人レベルであんな鎧を着れるなら、俺のいる国は結構国力あるかもしれない。

 まあ国の政治とか、そういうのには極力関わらないようにするつもりだし関係ないかもしれないけど。


 そして最後に、今の俺の家族について。

 多分俺と俺の世話をしてくれてるお姉さんだけ……かな? ていうかこの世界に来てからは、お姉さんと役人っぽい人しか見てないんだよね。

 なんだろう。俺は孤児か何かで、優しいお姉さんが捨てられてる俺を見て拾ったとか? ありえそう。


 まあこれも考えてもどうにもなんないから保留ってことでいいでしょ。もし両親がいたとしてもそん時考えよう。


 というのが三日間で知ったことだ。

 そして今俺は唐突な問題に直面している。

 ……そう。やることがねえ。


 今いる家は結構広くて2階建て。

 けれど物がない。何も無い。遊び道具も、テレビも、ケータイも無い。あるとしたら魔法陣的なのが書いてある本(読めない)だけ。


 そして最も致命的なのがパソコンの1台すら無いことだ。

 前世ではネトゲを極めて、ランキング首位を様々なゲームでもぎ取ってたんだけど。そんな俺からすれば、まさに地獄だ。死ぬ。暇すぎて死ぬ。


 なんか地下室の扉的なのもあったけど、赤ちゃんの俺じゃ開けられない。全く動かない。しかも途中でお姉さんが止めに来て、2階のベッドの上に戻されちゃう。

 ちなみに外に出ようとするときも、同じようにお姉さんに首根っこ掴まれて戻される。


 家に何もない。外にも出れない。

 飯と風呂とトイレ(おむつ)と睡眠以外何もしない。


 ……詰んでね?

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