ギリギリガード
ちっと ふにゃふにゃですので
小分け連投です、ごめぬ(^_^;)
前話のヒナワ様も読んでくだしあ(笑)
──前に、箱庭の夢の中で。
先輩と先生が、"バスケットボール"、
というのをやってて、まぜてもらった。
ボールを、柱の上にあるネットに、
入れたらゴール、という遊びらしい。
一対一でやるのは、
ワン-オン-ワンと言うらしく。
面白いルールは、ボールを持って動く間、
"ドリブル"というのを、
し続けなきゃあ、いけないってことだ。
あー、アレだ。
私は、何が言いたいのか?
つまりですね……。
今……フリーズしてる私の身体が、
まさに、あん時、先輩とにらみ合ってる時の、
私のポーズ、そのまんまだってコト。
あの体勢のまま、
プラネタリウムよろしく、
ちと上向いて、後ろ向きに、
バッグ歯車のスラスターから出てる風で、
森ん中を、吹っ飛んでいるんだ。
あれ……。
プラネタリウムって、何だっけ……。
『C7:──ドン!! お待たせしましたにゃ!!』
『C2:──オク様!! ロック解除、完了みゃ!!』
身体が動くようになるまで、
そんな事を、考えていた。
行動は速い。
歯車を召喚し、
腕に、簡易の射出体を作ろうとする。
10ほど歯車を出そうとして、
その内の、6つがすぐに消えた。
くそったれ。手品は子供の前でしろ。
それでも動じず、歯車を継ぎ足し、
歯車を挟んで吹っ飛ばすだけの機構を作る。
撃ち込んだ歯車は、
デカい蟹のハサミに弾かれやがった。
マイスナも負けじと、氷の弾丸を放つ。
雷が迸ってる分、
私のより強かったかもしんない。
カニは無視して、追いかけて来やがる。
『>>>チカラは抜くな』
「わかってる」
ヨロイの中に、もう支えとなるフレームは無い。
気を抜いて殴られたら、
振動が貫通するかもしんない。
接近戦は避けてぇな、と思った矢先、
右腕の装甲の内側から、煙が出た。
肉まん蒸かしてんじゃねぇんだぞ。
マイスナをチラ見すると、
左手から氷柱が噴き出していた。
「オーバーヒートが近いわ」
『>>>なぜなんだ……』
パニックにはならないけど、
冷や汗はメチャかいてるし、
気だるい感覚が、現実を突きつけてくる。
これはヤバい。
寝たら食べられるぞ。
カニに食べられるなんて、
食堂娘の残念無念ランキング、
第一位の人生の終わり方だわ。
「あと何体」
『>>>700くらいだ。上空から連射するか?』
「いや、今の状態だと、途中で気を失うわ」
多分ミサイル系も、耐えられないと思う。
接近で……壊すか。
怖いな、カンベンして欲しい。
なんで、こんな事に。
いや……今、原因を考えてもしょうがない。
やれる、事を。
マイスナとアイコンタクトし、
長い鎖を長縄跳びのように持ち、
カニのデカブツを、すっ転ばすことにする。
片手に鎖、片手は大木にメリ込ませ、
割と素早く、動けた方だった。
カニ脚が引っかかった瞬間、
木にブチ込んだ金の腕から煙が噴き、
ベキベキと幹が裂けてった。
すぐに、襲撃する。
脚を3本折った時に、
ガクン、と。ヒザのチカラが抜けた──。
『>>>積層防御──』
〘#……──体流循環〙
痛みはない。
木に、めり込んでいた。
ねむい。
視界に、ビービーとうるせぇ何かが出る。
『>>>動けるか』
私がこうなったって事は、
たぶん、マイスナも木にめり込んで……。
あ、隣いたわ。
「う、ウッキャー!!!!!!!」
クローザルが、木にめり込んだ私たちを、
ガリガリ、助け出そうと引っ掻く。
やめとき。
その爪じゃ、こりゃキツいっしょ。
[ PGGA!! GAQPAAAAAAAAAA──!!! ]
脚なくなっても、けっこう元気なカニ。
ざけんな。
ああ、くそ。目眩がする。
『>>>力を入れろ』
〘#──カネト!〙
先輩の言葉は、
つまり、逃げるのは間に合わないって判断だ。
ヨロイのドラゴンさんと、クジラさんに、
賭けるしかない。
『>>>耐えてる間に、考える』
〘#……私の氷は、負担になるか……〙
先輩の張った、アナライズカードのバリア。
先生が張った、氷の柱の障壁。
カニさんのハサミはデカい。
脚が無くなって、ズッコケカニでも、
木を殴り倒すのは、余裕だろう。
挟む事を放棄し、
連打で、バリアを殴ってくる。
バリバリと、亀裂が入った。
「マイスナ」
「クイを作って、上に倒そう」
頭、いいなぁ、と思いつつ、
私のカタチした木の穴から、
無理やり、腕を引っこ抜く。
「ウッキャー……!!」
「さがってろ!!」
木の破片、舞う中、
マイスナがヨロイから銀の杭を作った瞬間、
太もも辺りで、噴き出した。
空気が、抜けたみたい。
湯でも沸かしてんのか?
ガクン……と、ふたりでグラつく。
──ハサミが来た。
『C7:損傷無し。貫通ダメージ無し……』
『C2:筋力反応、低下、止まりません……』
ほぅら、大丈夫だったでしょ。
ちゃんと、チカラ入れたし。
くそ。
夜空を、見上げている。
夏の森の、地面の上だ。
『>>>全てを使ってにげるぞ』
〘#──そうしよう〙
待って。
こいつら、どうすんの────。
[ CQRAAAAAAAAAAAAAAA────!!!!! ]
カニが、ハサミを持ち上げた。
『>>>ソルギア』
『C7:自爆になるにゃ……』
『>>>くそ……』
[ TIGYXXAAAAAAAAAAAAAAA────!!!!! ]
「「 ────── 」」
かんべんなー。
攻撃を食らう時に、
久しぶりに、目をつむったかもしんない。
……。
開けてみた。
「…………グ、ギキ……!」
「ウッキャー!!!」
「「 」」
サルの親分が、
でっかいバールで、受けていた。
(つд⊂)キィアー!!!!!










