おなかいっぱいナイト
駅の立ち食いの鴨そばは、
なんであんなに美味しいの?
木曜日と、金曜日だったものが、
お空の上で、話していました。
『──あややぁ……!▼
──まーたなんかやってるよ:アンティ達ぃー▼』
『→→→……。』
『──Q.Q.さん:まだ合流してないのかな?▼
──シーニャちゃんに接触した時点で:
──自分が何処に転送されたかは:
──わかっているはずだよねーっ?▼』
『→→→……。』
『──つーか! Q.Q.さん!▼
──めっちゃ改造されてんじゃん!▼
──はっは:なんかエッロいなぁ……!
──やー! いい仕事してますねぇー!●▼●.*・゜』
『→→→……すまなかった。』
『──はぃ?▼』
『→→→ぼくのようなサイボーグと二人きりで:
→→→きみもイヤなんじゃないかと思ってね。』
『──……ンな事:ひと言も言ってないでしょ▼』
『→→→……Q.Q.が:ちゃんと合流すれば。
→→→きみの状況が:正しく伝わるはずだ。』
『──……っ▼』
『→→→彼女も……仲間思いだ。
→→→必ず:きみの救出を依頼する。』
『──……私……▼』
『→→→"かお"は:取り戻せるさ。』
『──……。……あんたは?▼』
『→→→──む?。』
『──あんたは:どうすんの▼』
『→→→ぼく?』
『──仮に……私の"かお"が戻って──▼
──このオンボロ船から:出られたとして▼
──あんたは:どうすんの?▼
──ここで:ひとりぼっちになんの?▼』
『→→→ぼくは:もう神様じゃない。
→→→いや……最初から:神様なんかじゃなかった。
→→→言ったろう? いつでも死ねるのは:
→→→とても:気が楽なことさ──。』
『──こんなトコで一人で死んで:
──あんたは幸せなの?』
『→→→HAHAHA……。』
『──そんな乾いた笑い方すんじゃねーわ▼
──こんちくしょー……▼』
『→→→はは──そうだな。
→→→もし……ぼくの体が持ちこたえて:
→→→きみが自由になったとしたら──。
→→→ぼくは"さびしさ"を:
→→→ちゃんと思い出せるかもしれないね──。』
『──……:……▼
──…………ねぇ▼
──聞きたかったんだけどさ……▼』
『→→→ん?。』
『──私で……たかが:200年チョイ:じゃん?▼
──でも……あんたやQ.Q.さんは:その……▼』
『→→→ああ。』
『──それってサ……:耐えれるモンなの?▼
──その……"人の心"で……▼』
『→→→……HAHAHAHAHA・・・。』
『──おいゴラ:こんボケ……●▼●#』
『→→→──救いは:あったのさ。』
『──え?▼』
『→→→下を見れば──。
→→→いつも……"物語"はひろがっていた。
→→→いつでも……:無限にね──。』
『──……! ……▼』
『→→→アップルのしてくれた事には:
→→→感謝しても……しきれない。
→→→知覚できていなければ:
→→→たぶん──本当に狂っていた。』
『──……っ、あんたも:どうにか──……!▼』
『→→→ぼくは:"ぼくの最重要"では無い。』
『──……っ!▼』
『→→→ぼくは:ぼくをそうする事に成功した。』
『──……あんたは……▼』
『→→→ぼくは:この世界が好きだ。
→→→だから────。』
『──、▼』
『→→→彼女たちくらいの犠牲は:
→→→いいと思えるさ。』
『──っ:そんな言い方しないでっ──!!▼
──あんただって:本当は──……!▼』
『→→→さぁ:少し充電するよ!。
→→→体がポンコツになると苦労するのは:
→→→人でもロボットでも一緒だね!。
→→→HAHAHAHAHAHA──!!!。』
『──……あんたみたいなロボットが:
──いるかってーの……! バカ人間……▼』
『→→→HAHAHA。
→→→おやすみ:カオコおばあちゃん♪。』
『──それで呼ぶなってーの!!
──こんちくしょお──っ!!▼』
『→→→HAHAHAHAHAHAHAHA!!!。
→→→See you again──。』
ガ、チャ・・・ド──。
ガ、チャ・・・ド──。
ガ、チャ・・・ギ、……──。
『──……バカヤロォー……▼
──…………▼
──…………▼
──アンティ……先輩……先生っ……▼
──私……ちゃんとやってるよ──……▼』
────────────────────
< order-select >
────────────────────
『────"聖樹システム"起動──▼』
────────────────────
< ********* >
──completed.|
HT-network / >>> #|
── ── ── ── ── ── ──
第三新世界・カテゴライズ
パーソナルログ/978-4-86554-317-9
/多元拡張圧縮記録形式
/メモリ容量不足による簡易名称
/カテゴライズ優先度[2]以下は
簡略名称にて表示されます/|
/容量不足が深刻な場合のみ
優先度に関係なく簡易名称となります/|
■カテゴライズ・1■
GS-L01 < アンティ・キティラ >
SS-L01 < マイスナ・オクセン >
■カテゴライズ・6■
B-01 < キュイーヴル・クレフティス >
B-02 < メーチ ・クレフティス >
B-03 < ハルコス ・クレフティス >
B-04 < ナハース ・クレフティス >
B-05 < ラーメ ・クレフティス >
B-06 < クプファー ・クレフティス >
ビジョンへの投影を開始します/|
loading・・・|
◎▽◎
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B-01
「よく分かりませんが……貴女たちは、冒険者なのですか?」
GS-L01
「よくわかんないとは、失礼ね……。これでもドニオスでは有名なほうよ……」
B-01
「……。そのマントは?」
GS-L01
「こ、これは……闇の魔素を防ぐために──」
B-03
「──イヴ……!! まずいぜ、ラムとケーファが!」
B-01
「──!」
B-05
「ぐっ……!」
B-06
「す、すまない……」
GS-L01
「け、怪我をしているの? 私らがやったやつ……?」
SS-L01
「そんな強くしたかな?」
B-01
「──……。ハルコ、ひどいですか?」
B-03
「……む、わからねぇ……わっ、見ろ! 黒い煙みたいなモンが出てんだ!」
B-04
「……先ほどの怪異に攻撃された箇所だと思います」
B-05
「ご、ごめん……腕が……力が入らなくて」
B-06
「く、くそ、これくらい……」
B-01
「……」
GS-L01
「……なによ。別に、こっちから危害を加える気はないわ。見てあげなさい」
SS-L01
「血が出ないようにはしたよ?」
B-01
「……、……。ハルコ、ラムの腕の鎧を外して」
B-03
「……でも、そいつら」
B-01
「はやくなさい」
B-03
「わ、わかった……! ラム、耐えろよ!」
B-05
「ご……ごめんっ……、っぐ!」
log-:腕の鎧を剥がすと、ラーメ・クレフティスの右腕全体は黒く変色しており、黒い煙がまとわりついている。銅の刑死者たちは目を丸くする。
B-01
「これは……!!」
B-03
「な、なんだこりゃあ……!?」
B-05
「か、感覚が……ないの……」
B-01
「──…… 」
log-:キュイーヴル・クレフティスは、すぐさまアイテムバッグからハイポーションを取り出し、ラーメ・クレフティスの右腕にかける。バチン、という音がして回復液は黒い腕に弾かれるように、地面に流れ落ちてしまう。
B-01
「──……!!」
B-05
「……ぐっ……あッッ……!?」
B-03
「な、なんだよ、今の……!?」
GS-L01
「──見せなさい」
B-01
「……!!」
log-:アンティ・クルルとマイスナ・オクセンが、ラーメ・クレフティスに近づき、膝をつける。
GS-L01
「マイスナ、包んじまえ」
SS-L01
「わかった。動かないで」
B-05
「え……? ぁ、あの……」
log-:マイスナ・オクセンが手をかざすと、黒く変色したラーメ・クレフティスの右腕が、白く発光する羽根のようなものに包み込まれる。銅の刑死者たちは驚愕する。
B-05
「ぅ……わっ……!?」
B-01
「……、……」
B-03
「なっ、なんだソレ……回復魔法なのか……!?」
log-:光り輝く羽根が消え、ラーメ・クレフティスの右腕から立ち上っていた黒い煙は消える。が、その腕には黒い触手のような模様のタトゥーが腕全体に浮き出ている。
SS-L01
「アンティ、これは治せない」
GS-L01
「待って──"状態:呪い(大)"──とあるわね」
B-01
「──!! なんですって……!? あなたは……"鑑定"のスキルが使えるのですか……!?」
GS-L01
「あっ、いや──」
B-05
「あぅ……。の……呪い、大……、……」
B-02
「そんな……!! おい、ナハース! それって……!!」
B-04
「……えぇ。もし、それが本当なら、数時間で死にいたる状態ですね……」
GS-L01
「!」
SS-L01
「えー」
B-03
「う、ぁ……! じゃ、あ……。ケーファも同じ状態なの、か……?」
B-06
「ぐ……。イヴ、先にラムを見てあげて。私は足だ……、腕ならまだ──」
B-01
「……」
B-03
「おい、ちょっと待て……! それは切り落とすとか、そういう話じゃないよなぁ……!?」
B-02
「そ、そんな……イヴ……!?」
B-01
「……」
B-05
「……ぐ、ご、ごめん……私がヘマしたばっかりに……」
B-06
「く、そ……立てな、い……」
GS-L01
「……マイスナ、無理っぽいか?」
SS-L01
「うん。この黒いイレズミみたいなのは、剥がれない」
GS-L01
「マジでか……──お?」
FW-G00
『 がるがるぅぅう〜〜♪♪ 』
GS-L01
「え、何……イニィさん、なに? え? 食べれる? マジで?」
B-02
「あ、あの……?」
B-03
「な、なんか今、聞こえなかったか……?」
log-:アンティ・クルルとマイスナ・オクセンの装備する黒いマントが膨れ上がり、一箇所に集まりだす。やがて、小さな四足歩行状態となったガルンが顕現する。銅の刑死者たちは、いきなりの出来事に警戒する。
B-01
「それ、は……!?」
B-02
「な、なに……!?」
B-03
「ま、"魔獣"、か……!?」
GS-L01
「ナイフをしまいなさい。……この子は私の仲間の魔獣よ。大丈夫だから──」
FW-G00
『 がるがるがる♪ がるがるがるぅ〜〜♪ 』
B-01
「……、……」
B-02
「か、可愛い……っ」
GS-L01
「ホレ。ガルンが、その呪い何とかしてくれるって」
B-01
「……なんですって?」
GS-L01
「おいアンタ。腕みせなさい」
B-05
「えっ……」
GS-L01
「まだ死にたくないでしょう。さっさと、こっちに腕むけなさいな」
FW-G00
『 がるんがるん〜〜っ♪ 』
B-03
「……、ぉ、おぃ……?」
B-05
「……い、イヴ……?」
B-01
「……」
log-:銅の刑死者たちは、不安げにキュイーヴル・クレフティスの様子をうかがっていたが、彼女はやがて、一度、こくりと頷く。
GS-L01
「ん。ガルン、おねがい──」
FW-G00
『 がるんがるんっ♪♪♪ 』
log-:ガルンは、ピョン、と、ラーメ・クレフティスの右腕に飛び乗る。
B-05
「ひえっ」
FW-G00
『 がるがるっ! 』
log-:ガルンがラーメ・クレフティスの腕をハムハムすると、腕の黒いイレズミが、シールのように剥がれだす。ガルンはそれを美味しそうに剥がしながら食べていく。銅の刑死者たちは、驚愕して言葉を失いながらも、その様子を観察する。
GS-L01
「りんごの皮みたいねー」
SS-L01
「うまそう」
B-05
「ぉ……ぉっ……?」
B-03
「む、剥けていくぞ……!?」
B-04
「………、………有り得ない……」
B-02
「(か、可愛い……っ)」
B-06
「の、呪いを食べる、魔獣……!?」
B-01
「……! ……、……」
FW-G00
『 ガブガブガブ、ごっくん! がるぅ〜〜ん♪♪♪ 』
GS-L01
「腕の感覚はどう?」
B-05
「え? ぁ、はい……徐々に、戻ってきた……?」
B-02
「ラム……!! よかった……!」
GS-L01
「おい、そこのアンタも、さっさと足だせ」
B-06
「わ、私もか」
GS-L01
「たぁりめーだろ。この流れでシカトするとかないかんな」
log-:クプファー・クレフティスの右脚も黒く変色していた。同じようにマイスナ・オクセンは治療を施し、ガルンが呪われたタトゥーを剥がしながら捕食する。食べ終わったガルンは嬉しそうに飛び跳ねる。
GS-L01
「お、お腹いっぱい? 良かったわねー」
FW-G00
『 がるるるるるぅぅううんん♪♪♪ がるっ♪♪ がるるるるるぅんんんん──っ♪♪♪(ピョンピョン) 』
B-02
「(か、可愛い……っ!)」
B-04
「上位の"呪詛"を、食べてしまう魔獣がいるなんて……」
B-03
「ほ、本当に大丈夫なのか……!? なぁ、お前ら……?」
B-06
「ぁ……感覚が、戻ってきたわね」
B-05
「はぃ……いけそうです!」
B-01
「……」
GS-L01
「はぁー……。ん、よく見たら……私たちがやった傷以外にも、けっこう怪我してんのか……。あー、マイスナ。この人たち、片っぱしから治してやって」
SS-L01
「あいさー。ドンと濃い」
log-:銅の刑死者たちの全身の鎧の隙間から、白く輝く複数の羽根が、芽吹くように出現する。銅の刑死者たちは、その現象に驚きながらも体の痛みが引いていくのを感じ取る。
B-02
「うわぁ……!?」
B-03
「な、なんだコレ……!?」
B-06
「あ、あなた……神官か何かですの!?」
B-01
「……! こん、な……」
GS-L01
「はぁー、やぁれやれ。ん、アンタ。その目──左目を怪我してるの?」
B-01
「っ! こ、これは──」
GS-L01
「ついでよ。見せなさい」
B-01
「……!! あ、貴女も、回復魔法を使えるのですか……ッッ!?」
log-:アンティ・クルルが、欠落したキュイーヴル・クレフティスの左目の古傷に手を差し伸べる。白く発光する羽根が顔半分を包み込む。
B-03
「──おいっ!? お前っ、何してる!?」
B-01
「……待っ、て……」
B-03
「イヴ……!?」
GS-L01
「終わったわ」
B-01
「……………………………」
B-03
「………! な…………イヴ、お前……」
B-02
「イヴの左目が!」
B-05
「すごい……」
B-03
「み……見える、のか……?」
B-01
「……、(コクリ)……」
B-04
「(……どう思います。)」
B-06
「(尋常じゃないわ……。あの古傷、しかも眼球なんて複雑な器官を、あんな一瞬で……。最高位神官クラスよ……?)」
B-04
「(しかも……あの凄まじい戦闘力を持ち得ながら、ですか……)」
B-01
「……………こんな、ことが……」
B-03
「おおおおお……! マジで見えてんのか! え!? イヴよぉ……!!」
B-02
「よ、よかったね……!」
B-01
「ぇ、えぇ……。──! くっ……?」
B-03
「──ど、どうした!?」
log-:キュイーヴル・クレフティスがフラつき、すぐさま他の銅の刑死者たちも、グラグラと体が揺れる者が現れる。マイスナ・オクセンは魔杖スリーフォウを回収し、ガルンはアンティ・クルルの肩の上にチョコンと乗る。
B-03
「な、なんだ……? 私も、フラつく……?」
SS-L01
「だんしんぐ・おーるないと」
GS-L01
「何言ってんだオメ。あー……そうかぁー。1度に全身を治療したから、体力一気に持ってかれたんだわぁ……しまったわね……うわぁ……。しかも、マイスナが言った通り、もう夜だし……。」
SS-L01
「月、隠れちゃったねー」
FW-G00
『 がるんるーんっ♪ がるぅー。ケプ…… 』
log-:月が雲に隠れた北東の霧の森は、大の大人でも震え上がってしまうような不気味なフィールドと化している。ホールエルの街までは遠く、アンティ・クルルは急激回復の副作用でフラフラになっている銅の刑死者たちを見る。
SS-L01
「くらいねー。鎧、壊れたままだと、危なそうだねー」
GS-L01
「ぐっ……! そ……そうよね……。街までの距離も……、私たちだけなら兎も角……ゴニョゴニョ……、うーん……」
B-04
「け、ケーファ、立てますか……」
B-06
「なん、とか……。や、野営の準備をしなければ……」
B-03
「くそ……フラフラしやがる!」
B-01
「か、肩を貸しなさい」
B-02
「イヴ! 無理しないで!」
B-05
「腕の鎧……もうダメっぽいです」
log-:様子を見ていたアンティ・クルルは、苦渋の決断をする。
GS-L01
「 ぁ────……。
……アンタたち。今日、泊まってく ? 」
B-01-06
「「「「「「 ……はぃ? 」」」」」」
(●´ω`●)oh...










