世界一高いグラタン 下
※ちと表現を書き直しました!
「じゃあ、、、いくよ」
「ぅん……」
わたしたちが、
"ひっぱりあっている" のは、
もう、まちがいなかった。
あの、聖なる街を護った時。
わたしたちのスキルの限界は、
こわれてしまっている。
" 電鎖歯車法 " 。
ひとつに、なった、
ふたつの、チカラ。
おなかの紋章のチカラを使った、
" おあずけ "の効果は、
かなりの負荷を、
かけ続けているのかも、
しれなかった。
たまにゃあ、、、
" 解除 "を、
する必要が、ある。
先輩は言った。
『>>>たぶん、、、負担は、
>>>常に、かかっていて、
>>>永遠には、きびしいと思う。
>>>観測上の、話だけどね……。
>>>だから、、、
>>>やらなきゃ、いけない。
>>>万全の準備をする』
わたしたちは……正直、
そこまで深刻には、
感じていないけど。
エネルギー切れに、
なりかけたら、胃に直接、
グラタンみたいになった燃料を、
転送すれば、なんとか……?
『>>>"解除"の反動は、こわい。
>>>前は、歯車と鎖を、
>>>互いの身体に、
>>>アンカーみたいに、
>>>撃ち込み合ったんだっけ?』
「「 それ、は…… 」」
『>>>互いに、ゾンビみたいに、
>>>食い千切り合ったら、
>>>どうすんだ?
>>>一応は……ビビらせてぉくれよ』
返す言葉が無い。
先輩は、慎重だった。
わたしたちも、少し、
不安に、なる。
結局、考えられる、
全ての準備をして、
"解除"することに、なった。
地表、40メルトルテの塔は、
トップ・シークレットには、
もってこいだ。
ドニオスの夜は、今日も、綺麗だった。
「「 " よし " 」」
思っていたより、
わたしたちは、意識を保っている。
もちろん、発汗は、すごく、
まぁ……それ以外も、すごいのだが。
"解除"は、熱風邪の夢に、似ている。
少しずつ、思考は、
夢と、現実の間を、往復していく。
" どうしたら ひとつに なれるのか "
という考えが、なぜが、優先される。
互いを取り込もうとする行為を、
永遠に、考え続ける。
逃れられないような、
融合の、試行錯誤だ。
わたしたちの頭は、
昼間に食べた、
グラタンみたいに、
なっていたに、ちがいない── 。
『────試したい事が:
────あります:が……☼
────かなり:
────非推奨やも:しれません☼』
もはや、理性のギリギリに いた、
わたしたちは、思考の中で……、
" やっちゃえ、やっちまえ "、と、
肯定する。
たまたま、その時は、
鏡のように向かい合っていて……。
──すると。
スっ──……と!
熱が、引くような……感覚がした。
いや、熱は、引いたワケじゃ、ない。
むしろ、深く……常に、
トコトコ、火照っているみたいだ。
「「 ……────/// 」」
『>>>これは……』
『────予想以上です☼』
アツい。
でも、意識は、
ハッキリしてくる。
(( ………、おぉ…… ))
これは……おどろき。
どうした、ことだろう。
"噛み合いたい"欲は、あまり、
抑えられては、
いなかったけれど。
さっきまで……、
トびかけていたことを考えたら、、、
大きな進歩だった。
『────"殻"が:欲しいですね☼
────頭髪ケーブル系:
────干渉します☼』
「「 ん…… 」」
クラウンの意図は、
よくは、分からなかったけど、
落ち着いた声に、同意する。
ふわりと、わたしたちの髪が、
ふくらむパン生地のように、
すこし、驚くぐらい、光る。
髪は、おおいかくし、
私たちの身体は、毛糸玉のように、
なって、いるんだろう──。
それは、"繭"だった。
わたしたちは
しめ付けられている。
金と銀の糸に、封印されていく。
すると、あたたかさの中、、
より意識が、鮮明になった。
これなら……、
普段の夜と、なんら変わらない?
なぜか……わたしたちは、
克服、したのか……?
『>>>ぁ……安定、した!
>>>──どっ、どうやったんだぃ!?』
ビックリする先輩に、
太陽みたいな、お嫁さんが、
どえらい答え合わせをした。
『────血液を:循環させました☼』
『>>>なっ……!?』
「「 ……ッ!? 」」
少し、熱量が、上がった気がした。
けつえき……、って……、
────" 血 "ぃ!?
『>>>まぜちゃった、の……?』
『────いけそうでしたので☼』
わたしたちの血液型は、
どうやら、
"互換性"が あるらしく、
混ざり合ってしまっても、
健康上の被害は、ほぼ、ないらしい……。
( え、いや、でもさぁ……/// )
( そんな、いきなり……/// )
それは、つまり……。
わたしたちの身体の中で。
小さな、ちいさな、
バッグ歯車と、鎖ポケットが、
血管同士を繋いで……、
お互いの血を、
混ぜ続けているって、
そういう、ことデスか……。
『────ひっぱり合う チカラを:
────抑えるためには:
────ひとつになったと:
────誤認させれば:良いのかと☼』
『>>>それは、そう……なの、か……?
>>>……少し、鼓動は早いな。
>>>けど、コレなら──…… 』
や、変な感じで、ドキドキするが……?///
ほんとに、大丈夫、なの……?///
今も……自分たちの血が、
目の前の人と、
交換され続けているのだ。
(( えぇえぇぇぇ……////// ))
これは……なにやら、
言い様が無く、恥ずかしい……///
私の、混ぜちゃって、
大丈夫なのだろぉか……!?
「「 ぅ……(ぐっ)むう……っ/// 」」
一度はなれて、
照れを誤魔化したかったのだが、
髪の繭は、
ガッチリ、わたしたちを、
噛み合わせていて。
(( …………////// ))
つまる所の、
強制・輸血合戦である。
どくんっ、どくんっ、どくんっ。
鼓動の感じ方が、
いやに、ひびく。
心臓は、こんなにも、
からだを、ゆらすのだ──。
「「 ……、……〜〜////// 」」
『────安定させるために:
────もうしばらく:
────このまま:
────密着させましょう☼
────"ひとつになっている"という:
────安心感を:脳裏に:
────焼きつけます☼
────少しの辛抱です☼
────ほら:あばれないで☼』
『>>>……あぃ〜〜……、
>>>ぼく、知らないよぉぉ〜〜……??』
「「 ……(ちょっとぉおおぉぉあ〜〜)〜〜……っ!!///////// 」」
髪の繭は、まるで、オーブンの中だ……///。
触れ合っている肌に、
本当に、まだ、
境い目が、あるのかどうか、
不安に、なるくらいには……///
(( ひえぇぇえぇ〜〜〜〜……っ////// ))
けっきょく、1時間半くらい、
そのまま、ふたりで、
コンガリ、焼けていた。
料理される気持ちが、
わかった気がするぅ……///
『────よしっ!!☼』
──しゅるるるるるる……!!!
「「 ──ぷはっ!?////// 」」
さすがに、息をはく!
たがいの口から、
湯気……でて、なぃ……?
『>>>おちかれー。
>>>シャワー、浴びてきなよ。
>>>どうやら、成功みたいだ』
『────そうですね☼
────カネト?
────目は:ふさぐんですよね?☼』
クラウンの、圧ぅー。。。
つーか、今さらな気も、
すっけどな……?
毎回、言ってるケドさぁぁ……//////。
私たちは、出会ってからは、
一度も風邪を引いたことは無いけど、
その感覚に近い気だるさには
しょっちゅう、
なっている気がするわね……///。
今も、まさに、そうだし。
おフトンからでる。
少し、新鮮な、風。
肌が、はなれ合って────。
「……、……っ!!//////」
「……、……っ!!//////」
あっ、ダメだっ!!!
少し、はなれると、さびしい!!!!!
『────あの……お二方☼
────ハグは:シャワー室でも:
────できますので……///☼』
『>>>ぼくは、見てないよーっ』
何とか、たどり着く。
髪は、繋がったまま。
『>>>うーん、興奮物質は、
>>>こりゃあ、
>>>大きな、進歩だな……』
てしかに!
まさか、この状態で、
マトモに、シャワーが浴びれるとは……!!
──じァァァああああああああぁぁぁ……!!
見つめ合う。
「アンティが……」
「ん……?」
「さいしょ、ボロボロの、時に、
シャワーに、
入れてくれた時のこと……、
思い、だす、ねっ……♪」
「──! マイスナ、あんた、
それ、おぼえてたんだ?」
「きひひ……/// どっかなー」
「な、なによぉ。えへへ……///」
シャワーを終えると、
メイドさん6人が、
ずいぶんと気を使った様子で、
タオルを持っていた。
手で、制止する。
「ごめん、今は……触れちゃ、ダメ。
ごめんね……邪険にする、
ワケじゃ、なくって……」
「わたしたち、ふたりで……、
今の感覚を……、
覚えとかないと、
いけないんです」
「「「「「「 ── 」」」」」」
イヴさん達は、
少し心配そうにしてたけど、
すぐに、一礼し、
部屋の闇に、溶け込んだ。
今は、刺激しない方が良いと、
理解してくれたみたいだ。
ふ、ぅ……。
「どう……?」
「ん? 好き……///」
「そっ、それは……知っとるから///」
大窓を開け、
少しだけ白んだ、
ドニオスの街を見下ろす。
窓枠のカウンタに、
入れたての紅茶のカップが、
2つ、置いてあった。
イヴさんの仕事だろう。
素直に……ありがてぇ。
「きれい、だね……」
「そうだね……!」
街は、静かな美しさで、
私たちを、見上げている──。
下から、誰かが、
こちらを見ていないか、
ちょっと、ドキドキするけど……///
……っま、大丈夫か!
お風呂あがりに、
ふたりで、のむ、紅茶。
『────非常に安定していますね☼
────思った以上の成果です☼』
『>>>そだねぇー。
>>>正直、ホッとしたよ!
>>>すごい時、あったからねぇ……』
「ぅ、うっしぇいなっっ……!!//////」
「しぇくはら、ですよ……っ!?//////」
『────"解除状態"のまま:
────数日:様子を見ましょう☼
────ただ……いきなり人前で:
────キスなどしては:
────いけませんよ?☼』
「せっ、せーへんからっ! ばぁか!///」
「かくれて、しますよっ!! ふんっ///」
『>>>隠れたら、いいとか、
>>>そういぅコトじゃ、
>>>ないんだが……』
カップを置き。
もうすぐ、太陽が、
おはようする時間が、やってくる。
たがいの、腰に、
腕を、まわす。
「今は、さ……?」
「ぅん?」
「朝日を見るには、
ちょっと、パワー不足かも?」
「……えへへっ、そうだね♡」
「……きひひっ♡」
明るくなってきた空に、
カーテンを、とじて。
私たちは、
お布団に、戻るのだった。










