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やさしさにさようなら




「  ど う し て ……  」


『────ぁ──:……☼』





 アンティは、無意識に そう言って、

 ダランと、黄金の両腕を、

 左右に、()らした。



 立ち、つくす────。





『────:アンティ……☼』





 わかる。


 あれは、あの子たちだ。


 本質的には、同じモノだ。


 慈愛に満ちた、やさしい、ココロ。




 ────なのに……。







「 やめ、てよ…… 」







 アンティは、その目で、見たのだ。








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   ❨❨❨❨❨❨❨❨❨❨❨❨     ❩❩❩❩❩❩❩❩❩❩❩❩







 ────── " 憎悪(ぞうお) " を。









〘#……カネトキ……〙


『>>>……』




 老師が、問う。




〘#……あれは──……" デス "、か……?〙




 その問いに、生徒は、

 ギリリと、奥歯を鳴らした。




『>>>ああ、くそったれ……。

 >>>よく、よく、似ていますよ、

 >>>ド畜生がっッ・・・!!!』


〘#……そう、か……〙




 老師も、また、幻影の中で、見上げる。

 狂わずに見る、死の、チカラを。




「アンティ……」



 マイスナは、黄金の、

 すぐ後ろで、見ていた。


 ──愛しの、乙女。

 全てを、取り戻して、くれた人。



「アン、ティ……」


「   」



 マイスナには、よく、分かる。

 彼女の気持ちが、、、とても──。



 だって、"彼女"は──"私"だから。




 ──猛烈(モウレツ)な怒りが、銀を溶かす。




「ヨクモ……ッッッ……!!!!!!」


〘------;……!☪︎〙





 バキバキと。

 ギラギラと。


 流体銀は、変質する。





「ヨクモ、アンティィィィヲ・・・!!!

 " ゼツボウ "、

 ザ ゼ ダ ナ" ァァア"ッ ・・・!!!」


〘------おさえる;のんっ……☪︎*。〙





 マイスナは、ふるえる。

 すぐ、うしろで、ふるえる。


 ヨロイは、トゲ。

 ヨセツケヌ、カラ。




「アンティヲ、ゼズボウ、ザゼルノバ……!!!」




 マイスナは、(くや)しいのだ。




「 ワ タ ジ 、

  ダケ、デ イインダッ・・・ッッ!!!」




 心優しい黄金を、

 このような気持ちにさせた事は、

 万死(ばんし)(あたい)する。


 クタバラ、サセナケレバ。


 あの巨大なウサギモドキは、

 すぐに、消し殺すべきである。


 ────だが。




「    」


「 ァ、アンティ……、・・・! 」




 狂い咲く、マイスナは、迷う。


 アレを、殺したところで。


 ──優しい彼女は、また、


 傷つくのでは、ないか。




「 ク、・・・! 」




 ──それは、いやだ。


 とても、苦しい。




 わたしだけの、ものだ。





「グ、く、ソッ……!!」

〘------おちつく;のんよ……☪︎*。〙



 精霊王が、銀を なだめ。


 確かに(つちか)った優しさが、

 狂った怒りを、少しの、

 悲しみに、かえる──。


 針のヨロイは、(ふる)えている。

 ワナワナと、ふるえている──。



「あん、てぃ・・・っ……!」

「 ・・・ 」




 黄金は、放心していた。





❨❨❨❨❨❨❨❨❨❨❨❨ ── ❩❩❩❩❩❩❩❩❩❩❩❩




「──……っ!!」

〘------!! 手を;あげたのんっ!!☪︎*〙




 黒い巨大な憎悪が、

 その、ズルズルと引きずっていた、

 大きな両手を、あげた瞬間。


 意外にも、真っ先に反応したのは、

 アンティだった。



「── 」

『────:……!!☼』



 ──きゅぅぅ──ぉおおおんんん・・・!!




 アンティの両腕を、

 多数の歯車が、つつむ。


 それは、見えない球体の上に、

 散りばめられた、ようだった。


 まるで、プラネタリウムの、

 投影機のような、両腕──。


 空間、接続──。




『>>>……"吸い込む"、気、か』




 アンティは、直感したのだ。

 今から、くる、攻撃は。


 ──"(うしろ)"に通しては、

 ならない、と──。




〘#……うける、つもりか・・・!?〙

『>>>ぼくたちじゃ、ないと……ムリ、だ』


「……!!! ぁん、て、、……クッ!」



 イチバン、絶望し、

 傷ついているはずの、アンティが。

 戦闘において、イチバン冷静な、

 判断をしている。


 それが、(くる)しい。

 マイスナも、すぐに、

 アンティのマネをする。



「く、、、!」



 両手(りょうて)に、空間格納(くうかんかくのう)に、

 トッカしタ、デバイス、ヲ──。





 ──黒兎(くろうさぎ)の腕が、暗黒に、光る──。





「──なにを、しておるのじゃ!!!?」




 黒い(きり)が、()(そそ)ぐ前に。


 アンティと、マイスナは、

 かつぎ、上げられた。



 ────当主(とうしゅ)跳躍(ちょうやく)




 ──トォぉぉおおおおんん──!!!




「ぉ──……」

「なっ……!」


「──避けよっ!!! 真っ正面から、

 受けようとする奴が、あるかっ・・・!!」



 トウゼンローの脚力(きゃくりょく)は、

 元・Aランク冒険者に相応しい、

 流石なモノで。


 ギルドマスターの顔も持つ御身(おんみ)

 納得の、回避距離となった。


 ──着地する。



「見よ・・・。あの、黒き(キリ)が、

 ()れた、大地を──」


「「 ・・・! 」」



 トウゼンローは、少し高い、

 大木の枝に、()り立ち、

 アンティたちは、見る。





 緑は、黒に変わり。


 そして──灰と、なった。

 




「「 ・・・ 、・・ 」」


「即死の、毒、じゃ……。ならんぞ」



 その、"否定"は、

 様々な意味を(はら)んだ。


 アンティが、感情なく、答える。



「わ、たし達なら、すいこめる」


「──おまえが死ねば、

 世界が無くなるかも、しれぬのだろう!!」




 その声に、アンティは、

 驚くほど、顔を丸くして、震えた。


 (めん)と……言われたのは、

 はじめて、だったのである。


 それは、痙攣(けいれん)に近かった。



「ぁ……、すまぬ……」



 トウゼンローも、

 つい、言ってしまったと反省するが、

 その言葉に、間違いなど、ない。


 マイスナも、自分の心が、

 麻痺(マヒ)していく感覚を、味わっていた。



『────ミスター:トウゼンロー……☼

 ────ログを:見ていました☼』



 クラウンが、

 自分でも気をまわしたのか、

 分からないまま、会話を(さえぎ)る。



『────あなたの役目は:

 ────あの怪異の動向を:

 ────逐一:報告すること:

 ────だったはず☼

 ────何故……今まで:

 ────ほとんど:なにも──☼』


「……ふ、知れたこと。

 ワシも……手伝わざるを、

 えなかった、までよ……」


『────え……?☼』




 その疑問と、同時に、

 また、光が、降り注ぎ────。



 ──ピカっっっ・・・!!!


 ドドドドドドドドドド・・・!!!





 装甲の手を持つエルフと、




 三本の大剣を(たば)ねし、


 ハーフ・バンパイアの姫が、





 そこに、居たのだ。









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― 新着の感想 ―
[気になる点] 先生って、前から老師って呼ばれていたっけ?
[良い点] マイちゃん、良い子。 よく抑えた。 [気になる点] 帝国の城は何処にあったんやろね? [一言] “私はやめなかった” “ただやめなかった” “だから…積み重なった”
2022/04/21 19:28 退会済み
管理
[一言] 優しいからこそ、憎むこともあるんよ……。 うん!しょいこむな!すっげー重くて他人に持たせたくないのわかるけど! 頼れ!ええい本当にこういうのはパイセンとか先生が教えることよ!?
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