Lv96 姉君的乙女
「さっきとは逆に、、、暑い。。。」
オレは今、両脇をマグマがボコボコと流れている道を歩いている。
【嫉妬の乙女】に案内されて着いた場所は、火山の噴火口だった。
『だらしないのぅ、これじゃから若い者は…』
「いや、そうは言ってもこの暑さ。。。『アイス』」
ヒュォォォ…
身体の周りに水と風の混合魔法で氷の膜を張る。
「ふぅ、生き返る」
コレを繰り返しオレは歩いていた。
『まあもうそろそろで着く。急くでない』
30分ほど歩いていると、噴火口の一番底の部分に着いた。
『む。入り口が塞がっているのぅ。主よ、そこの岩場を砕いてくれんかの?』
「ここか?」
溶けた溶岩が冷えて固まったような真っ黒い岩盤を力を込めて殴りつける。念のために竜の小手だけ具現化しておいた。
バゴンッ!
砕いた岩の奥に降りる階段があった。
『さぁ、ここを降りれば間もなくじゃ』
オレは階段を降りていく。
下に降りるにつれて音戸が上がっているのは気のせいではあるまい。氷の膜を張りながら前に進む。
。。。。。
「あっ!祭壇だ」
長い長い階段を降りきった先に祭壇のある広間に出た。ルシールが居た空間に似ている。
と、いうことは。。。
ゴゴゴゴゴゴゴゴ、、、、
ですよね~
「グルルァーーーッ!このような地に足を踏み入れるとは愚かな!我は溶岩竜のゲヘナ!久々の獲物、、、、、ん?」
ゲヘナという竜がオレを見て驚いている。
まさか、、、
「お、、、お前!黒い竜と何か関係があるわけではあるまいな、、、、、!?」
プルプルと震え出す溶岩竜のゲヘナ。
巨体が震え赤く焼けた岩のような鱗がボロボロと落ちている。
またか、、、、、バラン。。。。。
ーーーーーーーーーーーー
予想通り、ゲヘナもバランにイジメられたことのある竜だった。
「オーロラを見ながら熱い風呂に入りたい」という理由で火山から連れ去られ、無理矢理氷の大地に身体を押し付けられ天然温泉をつくらされたという。魔石だけになる寸前までバブの様に風呂に入れられ続けたとか。
バラン、ジャ○アンかお前は。。。
「ふ、、、ふぁはははは!あのクソ竜め!ついに封印されよったか!!愉快、愉快である!!」
「なんつーか、、、まぁ、バランに代わってオレが詫ておくよ。ルシールもゲヘナも、気の毒だったな」
「うむ、今度あったら許しておかぬ!ところで、お主は何用でここに?」
「ああ、それは。。。」
『妾をもらいにきたのじゃ』
『おお、その声は姉君』
『久しいのう妾の妹よ。さて、妾を連れ去りし者よ。妾は【怠惰の乙女】、かの地で妾にも輝きを与えたもれ』
「ああ、ありがとう。じゃあ、乙女は連れて行かせてもらうなゲヘナ」
オレは溶岩竜に向き言った。
「そうか。乙女よ、長いようで短い付き合いだったな」
『そうさのぅ、そなたも達者でな』
ーーーーーーーーーーーー
こうして、オレは一晩で二つの石をGETすることができた。
ジュエリアに戻り爺さんの宝石店に戻ると、すでに残りの黒竜のリングは完成していた。
爺さんが慣れた手つきだが凄い気迫で持ち帰った二つの石穿つ。
二つの石は輝きを増し、黒竜の鱗で出来たリングにはまった。
これで完成した指輪は四つ。
残り三つだ。明日も頑張ろう。
指輪探し︰2日目夜終了




