Lv94 その頃嫁達は…
『あぁん!、、、あ、、、あん。。。』
「変な声出すんじゃない」
変なことをしているわけではない。
ゲンカイ爺さんの元に石を持ってきたオレは指輪に合うようカッティングしてもらっていただけだ。
「、、、ふぅ。終わったぞい」
石が先程よりも眩く強い輝きを放っている。
『これは、噂に違わぬ。。。』
「ほっほっほ、喜んでもらえてなによりじゃ」
『では、妾も花嫁の指輪の一つとなろうぞ』
カチンと音を立ててリングに石がはまった。
「にしても、もうリングが四つ出来上がってたなんて、流石爺さんだ」
「うむ。触っていくうちに慣れてきての。カノンもだいぶやり方を覚えたようじゃ」
「へっへー。アタシももう立派な竜素材使いの匠さ!」
「これっ、調子にのるでない」
「いやいや、カンナも凄いよ。おかげでリングが四つ、完成した指輪が二つになった。オレが早く石を持ってこないといけなくなったね」
職人さんというのは凄いもので、コツを掴めばドンドン技量が上がっていくものだった。
「しかし、こんな伝説並の素材を扱えるとは、まだまだ現役は辞められんのう」
「爺さん、生涯現役で頼むよ」
「そうだよ爺ちゃん!」
「ほっほっほ、そうだの。生涯現役か…それもいいのう」
などと話をしているうちに夕暮れが近づいてくる。今日は頑張ってもう一つは取りに行こうと思っていた。
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〜マスケ王城では〜
「チハヤったら、どこに行ったのかしら?」
「、、、、、父が、修行の旅に出してきたと」
「一人で、、、ですか?」
「なんや、結婚前のひと遊びかいな??」
「まぁ!チー様ったら!」
「チハヤんは、どこ行ってもモテルしっ!」
「そうさねぇ、、、身の危険は心配しないが女が寄ってくるのは止められないさねぇ。。。」
「ははっ!もうすでに女がくっついたりしてきてるんちゃうか?」
「、、、、、ありえる」
「ちょっ!もっと花嫁が増えるってゆーの!?」
「まぁ有り得ない話じゃないさね」
「ああん、独占時間が減ってしまいますわ」
「いや、チー殿も無節操ではあるまい、、、」
「だし!すでに町娘とか猫耳ガールとか、意図せずに落とされてるかもだし!」
「「「「「「…ありえる」」」」」」
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「ふぁ、、、はっくしょん!!うー、雪が降ってるから風引いたかな?あっ!次の石の地点が見えてきた!」
オレはそのくしゃみが寒さのせいではないと気づきはしなかった。
次の石は雪に覆われた氷の世界にあるようだ。




