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白の竜騎士物語  作者: 涙涙涙
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Lv92 ニャンコのお耳

「......ふあぁぁ、朝...か」



昨日はぐっすり眠れた。

まだ若干の薄暗さは残っているがスッキリ目が覚めているので出発しようと思う。



次の石の地点は昨日の宮殿遺跡から行くことに決めていた。七芒星を時計回りに回ろうと思っていたのだ。



まだ眠っているゲンカイ爺さんとカンナを起こさないようそっと店を出る。



静かに扉を閉めた所で転移魔法を唱えた。



『インテ』



一瞬で景色が変わる。

目の前には大きな宮殿があった。



「さて、今日も指輪探しに励みますか」



目を閉じて頭の中に地図を思い浮かべる。地図を見ていなくても鮮明に浮かび上がり黄色い点を確認する。



「方角はこっちか。よし」



翼を広げ空に飛び立つ。

昨日よりも低空飛行していると、飛び始めて間もなくして森の中を宮殿に向かう人の集団が見えた。



(この辺にも人が住んでるんだな......)



などと思いながら後にするが、この一行の集落の悩みの種を自分が解決していたとは露ほどにも知るよしもなかった。



━━━━━━━━━━━━━━━



景色を楽しめる程度の速度で飛びながら5分くらいした所に大きな湖が見えてきた。



チハヤがこの世界に来たときにナナと出会った湖よりも大きめな、真円を描く湖だ。



大きさは東京ドーム4つ分くらいだろうか。ちなみに、面積の広さを東京ドームサイズで表してもオレはピンとこない。

頷いてくれた人は、仲間だ。



「おっ、この湖に石の反応があるな。ちょうど真ん中の辺りだ」



速度を落としながら周りを見ると、少し離れた場所に30件程の家が建ち並んでいる。小さな村のようだ。



少し離れた場所に降り立ち、歩いて村に向かう。魔物よけの防護柵で囲まれた間に、村の入り口らしきものが見えたので向かってみる。



特に門番もいない門をくぐり、一番最初に目にした第一村人は20代くらいの女性で、、、猫耳だった。


無類の猫好きとしては、セクハラで訴えられないのであれば思う存分モフりたいところである。



「あっ!見たことない人がいる!?」



駆け回っていた子供達がオレを見て声をあげると、家の一つから勢いよく成人猫男性が出てきた。



「ワンコンの奴らかっ!?決闘の時間まではまだ早いぞ!」



飛び出して来た男は手から猫の爪をシャキンと出してオレにファイティングポーズをとった。

ガッチリした体つきに割れた腹筋が男らしい。三毛猫柄の獣人の構える様は、まるでボクシングスタイルの様だ。

猫耳が可愛らしいのは十分なアクセントと言える。



(ワンコン?オレは犬も好きだがどちらかと言えば猫派だが?)



「・・・なんだ、リザードマンか。驚かせてすまないな、敵対してる部族かと思ってしまった」



「いや、こちらもいきなり訪れてしまったんだ。しかたない。どこかの部族と争っているのか??」



「あぁ、そうだ。ここはニャンコンの村。見ての通り猫の獣人だけが暮らす村だ。ここから湖の対岸にあるワンコンの村に住む犬の獣人と目の前に広がるワンニャフル湖の縄張りをかけて争っているところだ」



(ワンワンニャンニャン言ってる。。。)



と、すかさず思ったが口には出さずそっと胸にしまいこむ。



「ん?なにかおかしかったか??...まぁいい、もう少ししたらお互いの部族の代表同士が決闘を行う。その勝者の部族が湖を縄張りとして勝ち取るのだ」



どうやら丁度大事な場面に出くわしているらしい。まぁ、自分たちの問題は自分たちで解決してもらおう。


そうだ。

よそ者が首を突っ込む道理はないのだ。

普通に、普通の旅人を装えばいいのだ。



「旅の途中でとても綺麗な湖を見つけたので、ちょっと湖に潜ってみたいのですが......まずいですかね?」



「ならん!なんぴとたりともこの争いが収まるまでは湖に近づけさせはしない!怪しい奴だな、こいつを引っ捕らえよ!!」




・・・・・ん?

巻き込まれたのか?オレ......

指輪探し:2日目の朝終了

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