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白の竜騎士物語  作者: 涙涙涙
91/136

Lv90 憤怒の乙女

更新が遅れ申し訳ありません。


私事ではありますが、使っていた更新デバイスを紛失し色々と手間取ってしまいました。


改めて、一日一話を再開させていただきます。


はぁ。。。iPhoneが......

オレは宝石店を出た後すぐに竜の翼を広げ飛び立った。

ここは街の雑踏から離れた郊外付近なので人目を気にしない。



「えっと、地図によるとここから近いのは、、、ん??」



上空1000mくらいのところで地図を見て場所を確認しようとしたとき違和感を感じた。


「な、なんだ?地図に光が、、、」


地図を見ると街の付近に青い光の点が浮かび上がる。そして、大陸のあちらこちらに黄色の店も浮かび上がる。黄色の光は点と点を繋ぐと七芒星の形に見える。



「これは、、、あ!もしかして。。。」



オレはオーディンを『喰った』ことを思い出す。そして、試しにカンナとゲンカイ爺さんを頭に浮かべながら探そうとする。



すると、青い光のすぐそばに二つの赤い光が現れた。


(やっぱり、、、そういえばあのチャラ神の神気は。。。)



そう、神気の索的だったのだ。



「この能力は、使える!ベストタイミングだ!!」



かなりテンションが上がり、八の字を描くように飛び回る。それに伴い地図の青い点も動いている。



「よしっ!これで一気に、、、!」



一番近くの黄色い点に向き軽快に飛び始めた。一瞬で街から距離が離れてしまった。

地図は袋にしまいこんだが頭の中には地図と点のイメージが消えない。



(索的の神気も便利だけど、この速さ。。。すごい!)



先ほど上空に飛び上がったときも随分たかいところまですぐに来れたなとは感じていたが、明らかにスピードが上がっている。

オーディンの神気のひとつ『俊敏』のおかげだろう。


身体が軽い。

綿毛でできているかのようだ。

ぐんぐんとスピードを上げると空気の分厚い壁のようなものを感じてきた。



(この空気の壁、もしかして。。。)



そう、オレが感じたのは音速の壁だった。



(多分超えることができる。けど、、、)



気付けば間もなく一番近くの黄色い点に迫っていたのだ。



(意外と近かったんだな。検証はまた今度にするか)



ゆっくりとスピードを落としながら降下していく。

時間にして30秒程で着いてまったが、土地勘や距離感の無いオレはこの地点がジュエリアから800㎞も離れていたことなど知るよしもなかった。




━━━━━━━━━━━━━━━━━━




そこは廃墟の様に大昔の建物が建ち並んでいた。

建築様式としてはインドの宮殿のような丸みを帯びた玉葱のような屋根が目立つ。


まぁ、インドにいったこともないがな!



ボロボロに朽ちた建物の間を大通りが続く。

その道をテクテク歩いていると正面に一際大きな宮殿が見えた。



(反応はアソコからか。。。)



大きな階段を昇り宮殿の中に入る。

門構えだけでも高さ4~5mはある門を抜けると中は荒れ果て瓦礫が散乱していた。



「階段が潰れて上には行けないな。でも反応は、、、下だ」



上に上がる階段がの裏側に小さな金属製の扉のような物が見える。

瓦礫をどかしてボロボロに錆び付いた扉を露にさせた。


不思議なことに、扉にはノブや取っ手がついていなかった。


「?変な扉だなぁ、どうやって入るんだ?」



扉の表面の真ん中辺りに黒い石がついている。

なんとなしにその石に触れると不思議な感触がした。



「この感触どこかで、、、あっ!魔物の魔石と同じような。。。てことは、魔力が通っているのか?」



試しにと思い、石に触れながら魔力を流し込む。



ピカッ


ガッ、、、ガガガッガコッガコッ!


一瞬光ったと思うと番が外れるような音がしてギギギと古びた音を建てて扉が開いた。



「へー、、、どんな作りなんだろう?しかも、なんかすごい厳重だな。。。」



扉の中には地下へと続く階段があった。


オレは暗がりの階段を火魔法で火球の灯りをつけながら降りていった。




━━━━━━━━━━━━━━━━




うん。

なんとなく予感はあったよ。

なんてゆーか、フラグ的な?


大昔の廃墟の遺跡。

大きな宮殿の地下。

魔導式のカギが成されてて外からも中からも厳重な出入り困難そうな扉。

地下を進むと祭壇がある。



そらぁ、なんか出てきそうな環境は整っているわけで......


「キシャーー!!」



目の前に居るのは上半身裸の女性で下半身は蜘蛛。体調4mはありそうな巨体。

そう、アラクネである。


よく漫画やアニメーション等では美女で表されることが多いが「ふっ」と鼻で笑ってやりたい。


背中まで伸びた黒髪はザンバラよろしくボサボサ、赤い瞳は黒目がなくビー玉のようで八個並んでいる耳元まで割けた口からは鋭い牙がビッシリ生え揃っていた。


一般的人類センスから言うと、

なかなかの『醜悪』である。



「オレ的にはメジャーな魔物に出会えてなかなか感激なんだが。。。」



むこうさんは逆に今にも襲います的な感じで蜘蛛の前脚を振りかざした。


よほど腹を空かせていたんだろうか、口から涎をダラダラ垂れ流してる。



「、、、こりゃあ、アラクネさんは意外にも美女で人語を解し更にイチャイチャしながらの新展開は期待できなそうだ」


まぁそんなことしたら七嫁に実際に身体を引き裂かれるがな、と呟きながら右腕から黒炎を出す。


と、同時に......



「ギギキシャー!」



アラクネさんが蜘蛛の胴体を器用にひっくり返しお尻から糸を出してオレの黒炎を纏った腕に巻き付けてきた。




「こ、これはっ!?」



・・・・・


なんのこたぁない。

腕に糸が巻き付いた瞬間糸は一瞬激しく燃えて塵となった。


オレが驚いたのは、黒炎で糸を喰ったので糸が出せるようになり、試しにあの有名な英雄的蜘蛛漢のようなポーズで「糸出ろ」と念じたら本当に出たからである。


出た糸はアラクネさんに当たる訳でもなく、岩壁にベチャっと当たりくっついた。

まぁ、どこかを狙ったわけではないから仕方ない。コントロールは神気『命中』に任そう。


オレは糸を出し感触を確かめながら歩き始める。



「ふむふむ。。。なるほど。ボウッ「ギギャッ!?」身体のどこの部位からでも出せるのか。細さ太さ、固さ柔らかさ、粘着力なども自由に調整可能だ。ゴゥッ!「ギギャーー!」敵を嵌める罠や物を吊らすのもできるな。念願のハンモックもできるかもしれない」



ズズンッッ......



一人でぶつぶつ言いながら歩いている間にアラクネさんがケシズミになり辺りが静かになる。





━━━━━━━━━━━━━━━━



宮殿遺跡から20㎞程離れた場所にある小さな集落。


ここに住むのは、

宮殿の地下に眠る魔物の怒りを鎮めその存在を世に出さんと古から遺跡の守り人をしてきた一族である。


族長の家で今年の魔物鎮めの生け贄を誰にするか頭を抱えて悩ませてる男達の部屋に

一人の青年が駆け込んだ。


「た、たいへんですっ!!」


青年は疾走してきたのだろう、肩で息をしている。

一番年長の、おそらく族長であろう老人が言った。


「何事じゃ、騒々しい。今は年に一度の大事な話し合いの最中じゃ!」


「そ、それが!?村外れの予言の大婆様からの伝言で、、、!!」


「なっ、なんじゃと!?宮殿の魔物の存在が消えただと!?」



・・・・・



、、、次の日。

魔物の存在を確認しに行った集落の男たちは魔物の死体らしき灰を確認し歓喜に沸いたという。。。




のは、チハヤには知るよしもないお話。




━━━━━━━━━━━━━━━━




「こ、これが。。。」



アラクネさんの骸を越え、淡い光の祭壇を登ると登頂部に石が浮かんでいる。

なかなか神秘的な光景だ。


白い光を放つ透き通る水晶のような石。

ピンポン玉サイズではあるが、綺麗な様形とその小ささからは想像できない凄まじい力を感じる。


正直、見てると鳥肌が立つ。



「爆発したり、、、しないよな?」



恐る恐る手を差し出し、石を手のひらに乗せる。



「ほっ。よかった、何も起こらないや。ほっ、とか現実に言う奴なんかいないの、、、、にっ!!?」



『妾を手に入れたのは誰じゃ』



頭の中に声が響く。



「この、、、石が喋ってるのか?」



『そうじゃ【憤怒の乙女】とは妾のこと。そなた、、、変わった運命の道筋をしておるのぅ。この世の理ではない人、深淵のように深い黒の竜、神々の光も持つとは......そなたは何者じゃ?』



「それは、色々あってな。詳しくは今度ゆっくり話させてもらえないか?」



『はて、、、なにやら急いでおるのぅ。何用じゃ?』



「実は・・・・・と、言うわけであんたを指輪にしたいんだが、ダメかな??」



『・・・』



返事がない。

そりゃそうか。いきなり現れて自分を指輪にするとか言われたらどんだけクレイジーなことか。



「あ、、、あの。やっぱりダメだよな?」



『、、、くっくっく』



ん?



『あーっはっはっは!』



石が笑ってる。

いや、乙女か。

おもいっきり大笑いだ。



『はーっはっは、あー苦しい。こんなに愉快なのは初めてじゃ』



そうなのか?



『昔の人々は妾達の力を奪いあい、利用するために争い、誠に愚かな人間しか見たことがなかったが。。。そなたはなんと......ふふっ、結婚指輪とな』



「そ、そんなに笑わなくても。けっこう必死なんだから、な...?あれ?『達』ってことは他にも?」



『無論じゃ。我ら【大罪の乙女】は全部で八人おるからのぅ。各地の乙女と精神は一つに繋がっておるぞ』



根っ子は一つじゃと付け加える乙女。



「そうか。。。なんだか凄い存在なんだな。なら、結婚指輪に加工なんかしない方がいいよな?」



『いや、それは全く構いはせぬ。元より、守護者を倒した時点で妾を好きにする権利はそなたが有する。指輪にでも鼻輪にでも好きにするがよい。ただし、これだけは忘れるでない。決して妾達を手放すな。よいか?肌身から離すという意味ではない。゛心の中゛から手放すな。ということじゃ』



「う~ん、、、要するに心の中で『もう乙女はいらない』ってなるなってことか?」



『簡単に言えばそうじゃ、なんせ妾達は。。。』



「、、、?なんだ?」



『乙女じゃからの!』



「・・・」



『軽い乙女チックジョークじゃ、気にするな。そんなのも受け入れられんとはそなた、モテんぞ?』



「いや、、、七人も嫁が居るんだが」



『いちいち細かい奴じゃ!怒るぞ!憤怒るぞ!?』



「憤怒るて、、、初めて聞いたな。それより、心が手放すと、どうなるんだ?」



『世界が滅ぶ』



「・・・はっ?」



『この世界の生きとし生ける者全ての怒りが憤怒となり際限なくわき出て世界を覆う。海は荒れに荒れ、山という山は怒り狂い噴火し、動物は家族など関係無く見境なしに殺戮を始め、草木は呼吸を止める』




「・・・えっ?」

指輪探し一日目:夕方終了

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