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白の竜騎士物語  作者: 涙涙涙
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Lv89 名匠

この大陸には七つの地底湖が規則的な並びで分布しているらしい。それぞれを点と点で結ぶと七芒星の形になるそうだ。

太古の昔、当時栄華を極めた文明の遺跡が眠っているそうで、そこには究極にして最悪の力をもつ石があるらしい。内包された力だけでも世界中が競って奪い合うようなものらしいが、なんと言ってもその石はどんな宝石よりも美しいと言われているそうだ。


そして、七つの遺跡全てに眠る石を集めるとどんな願い事も一つだけ叶うという伝承もあるらしい。


ん?どっかで聞いた話だな?




「なるほどね、その石を指輪にしたら良いということか。。。」


「うむ。じゃが、言い伝えの範囲を出ない話じゃから、湖があることすらわかってはおらんのじゃ」




ゲンカイ爺さんはゴソゴソと古びた書物を取り出した。




「作り話と思い読んでおったが、これが誠ならばそこに行けばもしかしたら、、、まぁ、期待せんと行くのがいいわい」


書物を受け取りパラパラめくると、最後のページが見開きで地図になっていた。

そこには、大陸の地形とその中に七つの点が記載されている。





「なるほど。この場所に行けば何かわかるかもしれないな。。。ありがとう、ゲンカイ爺さん」


「いや、なに。だが、危険な場所かもしれんから用心して行くのじゃぞ」


「うん、ありがとう。それじゃ、、、あっ!ちなみに、石を手に入れたら指輪に加工できるかな??」


「おぃっ!爺ちゃんをバカにするなよ!?爺ちゃんはこの大陸一の宝石屋なんだぞ!!」


「これこれカンナ。そうじゃのぉ、、、お前さん、何か装飾できそうな物は持っておるか??」





装飾、、、ねぇ。

アクセサリーも何もつけてないからな、、、とっ。

アレがあったな!


オレは袋からゴソゴソと取り出す。




「これなんか、どうかな??」


ミスリルアントから手に入れた魔石をゲンカイ爺さんに見せた。


「これは、、、ここまで純度の高いミスリル結晶は初めて見たわい。。。」


「まだ数はあるから、好きに壊したりしてもいいですよ」


全部売らないでとっておいて役に立った。


「どれ、それならば、、、」




ゲンカイ爺さんは宝石を加工するノミのような工具を取り出し机に置いた。

そして、色々な角度からミスリルを見る。




「、、、ミスリルを触るのは久しぶりじゃ、のっ!」


カァーーーン


ミスリルに工具を当てがい、小さなハンマーで一打ちした。


「っ!?か、簡単に割れた、、、!?」


「ふむ、、、やはり透き通るように筋が通っておる


カァーーーン


カィーーーン


カァーーーン


カィーーーン


カァーーーン、、、、、



先ほどまで球体をしていたミスリルの魔石は、あっという間に正六面体に変わった。


「す、、、すごい。これ、機械も使わずこんな正確に。。。」


ポウッ、、、



「な、なんか光ってる!?」



「ほっほっほ、元々このミスリル結晶には魔力が込めてあったからのう。魔力の循環がしやすいように道を整えたのじゃ」



元々綺麗な蒼白の石が、更に輝きを増している。


「大事なのは石の声を聞くこと、じゃ」



「す、、、凄いよゲンカイ爺さん!あのっ、もし石が手に入ったら指輪をぜひ、作ってくれませんか!?お代もちゃんと支払いますので!」


「それはいいが。。。ところで、指輪の土台はこのミスリルを使っていいのかの?」


「はい!、、、、、あ、、、」


「ん??」




オレは、あることを思いついた。




「あの、、、竜の鱗は扱ったことはありますか?」


「竜の鱗か。。。儂の師匠が作っていたのを見たことはあるが、儂自身は経験ないのう」


「でしたら、、、、、」


オレは尻尾の鱗を掴み、力を抜いて1枚剥ぎ取った。





バキンッ!



「いっっ!!!、、、、てぇ、、、。」



なんというか、、、髪の毛を一掴み引っこ抜かれたような痛みだった。

まぁ、そんな経験ないがな。

イメージだ。


ひと思いに連続であと六枚抜いた。。。。。



痛い、、、痛すぎる。。。。。


でも、血は出てないな。



おっ!すごい!!

最初に剥がしたところからすでに生え始めている。

流石は竜種の生命力。



「おーいて、、、まぁまた生えてくるだろう。ゲンカイ爺さん、コレで作ってもらえないかな??」




「こ、、、これは、、、!!?お主、リザードマンではなく、まさか。。。!?」


「あぁ、自己紹介が遅れて申し訳ない。竜人のチハヤだ。よろしくお願いします」



ゲンカイ爺さんとカンナが驚いた表情でオレを見る



「漆黒の、、、竜か。なるほどのう、こんな一生に一度もお目にかかれない素材、気合を入れないわけにはいかんのう」


「じ、爺ちゃん!まさか工房を、、、!?」


「ああ、カンナよ。手伝ってくれるかい?久々に血がたぎるわい」


「うん!もちろんだよ爺ちゃん!!」


よかった、引き受けてくれるみたいだ。



「それではチハヤよ。この竜の鱗で見事な指輪の土台を作ってみせよう」




「はい、ありがとうございます!じゃあ、オレはその間に地底湖に行って石を探してきます!!あっ、、、ちなみに、持ってきた物が指輪になるまでどのくらい時間がかかりますか??」




「そうさのう、、、初めての素材ばかりじゃ。特にお主の鱗、黒竜の鱗はマグマでも溶けぬ代物。それで7人分の土台か、、、2日は欲しいわい」



「なるほど、石は現物を見次第、ってことになりますね?」


「そうじゃのう。だが、良い石になればなるほど手を入れる部分が少ないから加工は集中力次第。時間との戦いよりも一瞬の集中力じゃ。サイズの調整くらいでそこまで問題なかろう」


「そ、そうですか。よかった、、、でも、急いで手に入れたほうがいいですね!」


「それにこしたことはないのぅ」


「わかりました!では、急いで探しに行ってきます!」


「わかったぞ。もしも見つからなんだときは、、、不本意ではあろうがこのミスリル結晶で一級品の指輪を仕立て上げよう」


「はいっ!よろしくお願いします!!カンナも、よろしくね!」



「あいよ!んじゃ、サッサと石の調達ヨロシク!」



「おぅ!」



指輪の目処が見えてきたオレは、気合いを入れて爺さんの宝石店をあとにした。。。







〜1日目の昼〜 終了


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