Lv87 指輪を求めて〜その壱〜
「フェリウスさん。実は……」
カクカクーーーーーーーーーシカジカ
「指輪。。。。。か」
「はい、参考程度に何かあればと思い聞いてみたのですが。。。」
フェリウスが何か思い出している。
「海。。。。。」
「へっ、、、、、?海???」
「海の向こうの大陸に。。。。。宝石と宝飾が特産の街が。。。。。あったな。。。。。」
「おぉっ!それはうってつけですね!?方角は、どっちの方ですか??」
「聞いてどうする。。。。。船で。。。。。半年はかかるぞ」
「えぇっ?そんなに遠いんですか!?」
まぃった。。。
飛んで行こうと思ったが、街を探して指輪を探して下手したら材料から作ることになると、、、時間がかかるな。
マスケ王も話からしてくれたら良かったのに。。。
「転移魔法。。。。。使えるか??」
「あぁ、はい。一応は、、、」
「ならば。。。。。肩に捕まれ」
「??こう、ですか?」
オレはフェリウスの肩に手をおいた。
『インテ』
フェリウスが唱えた瞬間、視界が揺らめく。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「、、、ここは??」
見慣れない街の情景が広がっていた。
「宝石と宝飾の街。。。。。ジュエリア」
「ジュエリア、、、ありがとうございます!フェリウスさん!!」
「後は。。。。。頑張れ」
そう言い残しフェリウスは転移で消えていった。
「よしっ!コレで指輪探しができるぞ!!」
まずは、、、と、宝石店を探してみる。
そういえば、一人で行動するのも久々な気がするな。ふふ、これがマリッジブルー。。。。。
なんてなっ!
言ってみたかっただけだ!!
今頃、
みんな酒場で酔いつぶれて寝ているんだろうか。
何も言わないで出てきたけど、大丈夫かな?
まぁ、マスケ王とフェリウスさんは知ってるからいいか。
・・・・・
街はなかなか大きめで、色々な店がある。
武器屋防具屋もあるが、宝石店が多い。
街並みの5件に1件は宝石店だ。
手始めに一番最初に目についた店に入ってみる。
「すみませーん。。。」
「はいはいっ!いらっしゃいませー」
中から糸目で狐顔の店員が手をコネコネしながら出てきた。ベタなキャラだ、なんとも胡散臭い。。。
「どのような物をお探しでっ!?ネックレス?ブレスレット?それとも、、、??」
「あぁ、指輪を探しているんだが。。。」
「おぉう!なんということでしょう!?ただいま当店で超オススメの指輪がありまして!!!」
「お、、、おお。どんな物なんだ??」
「こちらでございますっ!」
正面のショーケースの中に大きめのダイアのついたシンプルな指輪が置いてあった。
「こちらは世界最大のダイアモンドが施された指輪でございます!今ならなんと超セール中!!お値段1200000ルギにございます!!」
「ひゃ、120万!?」
うーむ、、、足りない。。。
ミスリルアント狩りをもっとしておけば良かったのかな。。。。。
がま口の中を見ながらお金のことを考えていたその時、、、、、
バンッ!
店のドアが開いた。
「ちょっと待ちなっ!そんなガラス玉の偽物、1000ルギもつけばいいとこさ!!」
、、、、、誰だ??
青いとんがり帽子に赤いスカーフ。
年は12〜13歳くらいだろうか。
肩くらいまでの桃色の髪の女の子が立っていた。
「おい兄ちゃん、こんなボッタクリ店早いとこ出た方がいいぜ!!」
「きーっ!な、なんなんだお前は!いきなり入ってきて人聞きの悪いっ!!」
「き、、、きみは??」
「あたいはカンナ!そんなことより、あたいについといで!!」
「あっ!お客さまーー!!」
カンナと名乗る女の子に手を掴まれ、オレは強引に店の外に連れて行かれた。
少し歩いたところでカンナは立ち止まった。
「ねぇ、あんたさっきイキナリ街に現れたよね?あれなに?魔法??」
見ていたのか。。。
「ああ、転移魔法だよ。一緒に来た人がこの街に訪れたことがあって連れてきてもらったんだ」
「やっぱりね。あんな店に入って行ったから、きっと初めて街に来た人なんだと思ってさ!あの店、この街の初心者を狙うボッタクリで有名なんだよ?」
「そ、そうだったんだ。。。危ないところをありがとう。じゃあ、オレは急ぐから!」
何かに巻き込まれる予感しかしなかったオレはお礼を言い足早に立ち去ろうとした。
が、、、
ムンズッ!
「こ、こら!尻尾をつかむな!!」
「おいおーい!危ないところを助けてもらってすぐさまバイバイはないんじゃないのー??」
「・・・要件は??」
「あのさぁ、転移魔法で移動するってことは魔法使いとか冒険者でしょ??お願いっ!!助けてほしいんだ!!!」
カンナが両手を前に合わせ頼みこんできた。
やはり、、、、、
「はぁ、、、何に困っているんだ?オレは時間がないからあんまり長居はできないぞ、指輪を探さなきゃ。。。」
「あっ!そういえばあんた、指輪を探してるの??じゃあウチにおいでよっ!!」
「カンナの家??宝石店なのか?」
「うん、あたいは二代目だよ。ウチの爺ちゃんは昔ながらの名工なんだ!でも、、、最近の流行りとかに売れ行きは下がっていって、、、、、。でも、あたいの代で老舗の宝石店を潰すわけには行かないんだっ!!」
「そっか、、、、、わかった。爺ちゃんの作品、見せてくれよ!」
「ほ、ホントかっ!?じゃあ、急いで行こう!」
こうして、カンナという少女に出会い老舗の宝石店に行くことになった。




