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白の竜騎士物語  作者: 涙涙涙
81/136

Lv80 統一

オレたちはマスケ城の玉座に整列していた。


「おお、若き勇者たちよ。そなたたちの活躍のおかげで我が国マスケは守られた。各国との王との激戦は兵士からも聞き及んでおる。特にチハヤよ、そなたは一段と激しい戦いをしてきたようじゃの?」



マスケ王はオレの顔を見て言った。


「いえ、、、そんなごどば。。。」



まぁ、あの後散々追い回されたりボコられたりしてオレの顔はひでぶーなことになってるから、無理もない……


「そなたたちには返しても返しきれん恩を受けた。出来る限りの褒美をとらそう。なんなりと申してみよ」


「褒美っても、ねぇ。。。」

「お褒めの御言葉をいただけた事が、なにより!」

「せやなぁ、親父もぶっ倒せたし」

「これといって、、、ですわ」

「、、、、、お腹、空いた」

「だし!飯食わせろーだし!!」

「ふふっ、ここには欲のない奴らばかりだねぇ。まっ、あたしも酒と食いモンがあれば充分さね」


「ふむぅ、宴のみ、、、か。。。鉱山の解放や国の危機を救った者たちに何もなしとは、国としてものぉ」


王様が困っている。

そらそうだ。


「それな、、、オレから一つ良いですか?」

「おぉ!良いぞ、何が望みだ??」

「この大陸を、統一したいです」

「なっ、、、なんじゃとっ!?」


「あぁ、チー様が覇道を進んでいきますわ…」

「チハヤのくせに、偉そうに!でも……」

「チハヤんが帝王だし!面白そうだし!乗るし!」

「チー殿にそのような野心が………致し方ないな」

「へ〜、ずいぶん大きくでたやんけ!?」

「、、、、、、覇王の妃」

「ダァリンたら………世界を我が手にしたいなんて」


何を勘違いしたのやら、

娘たちが何やらウットリし始めた!?

ヤバたんっ!!



「ち、ちがーーーうっ!!」


「なんや、チハヤ帝国を作ってこの場の女たち全員妃にするんちゃうかいな??」


「うっ、、、そ、それ、良いかも……じゃなくて!!」


「いま完全に揺らいだし!」

「目が泳いでるわよ」

「、、、、、動揺」


「じゃなくて王様、今のこの大陸の情勢を変えたいと思うんです」


「は、、、覇王に君臨とは!?」


「いや、聞けや。。。じゃなくてっ、すみません無礼な………今このユーラリア大陸は三つ巴で三竦みの国と中央に中立的な国があって、そこを介して大陸の均衡が成り立ってるじゃないですか??」


「うむ、いかにも」


「オレはこの姫様たちと、そしてこの国の仲間と訳のわからない吸血鬼と出会って思ったんです」

「ムキーッ!!今確かにバカにされたし!?」


暴れ飛ぶ小吸血鬼をムンズと捕まえ肩に乗せる。


「それぞれの国に素晴らしい特徴があって、その特徴を活かして単独ですら強い国々が、それぞれに足りるもの、足りていないものを補い合えば、どんな危機に瀕しても乗り越えられるんじゃないかと。。。」


「むぅ。。。たしかに、海を渡った大陸には馬に跨る部族が広大な土地を収める国や、物が勝手に動く力で武力や生活を成している国もあると聞く。。。」


「カリメア大陸やパンジャ大陸のことやな?」


声のする方を見ると、ムゲンが立っていた。


「お、親父!?」

「こ、こちらがカナデのお父さん??」

「おぅ、世話かけたみてぇだな。だいぶ頭がスッキリしたわ」


「うむ、油断大敵とはよく言ったものだ」

「失態。。。。。」


その隣からはガウスとフェリウスも出てきた。


「お父様!?」

「、、、、、父」


「こ、国王のみなさま。もう動いても、お身体は大丈夫なのですか!?」


セリーヌが慌てて聞くが、カリーナが答えた。


「こいつらがあんなんでくたばるタマじゃないさね。なんならトドメを刺しても良かったよ」



「相変わらず口が悪いやんか」

「わっはっは!ちがいない!」

「やれやれ。。。。。」



再び三王がオレの方を見る。


「チハヤ、やったか?お前、ええとこつくやんか」

「うむ、我々も同じことを考えていたのだ」

「当初は。。。。。」


「当初??」


「せや。オレたちは魔王を倒した後、それぞれが強い国を立てて他の大陸からの侵略にも皆んなが立ち向かっていけるようにって国を立ち上げたんや」


「そう、、、なんですか?」


「うむ。だが、いつの間にやら自分の国が強いんだと張り合うようになってしまってな。そもそも国の王が自身の強さを高める性格じゃからの。互いにいがみ合うことも出てきたりしてのぅ。。。」


「本末。。。。。転倒」



「は、ははっ。そうだったんですか………」


「あぁ、今回のことは頭冷やすええきっかけになったわ。3人ともそれぞれの娘に叩きのめされての」

「うむ。だからこそ、かもな。今こそワシらの悲願達成させようと思うのだ」

「意見は一致。。。。。」



三王は言った



「「「今こそ我ら三国は協定を結ぶ!このマスケ国を中心に三つの山となり大陸をまとめる!!」」」


いつの間にか玉座の間に集まっていた魔法兵団、鎧兵団、槍花5人衆、それぞれの部隊が一斉に跪く。


「「「ははっ!!王の御心のままに!!!」」」


「あとは、、、マスケ王。いきなりで申し訳ないが、あんたがこの大陸の頭や」

「な、なんじゃと!?」


マスケ王は驚き立ち上がる。

マール王妃も驚きを隠せない様子。


「うむ、ワシらは所詮戦闘好きの三バカだ。強さに惹かれついてくる者はいるが、それなりに統治には苦労しているのだ。この国の民のように人間も獣人も老若男女然り、手を取り合い豊かな表情で暮らすのは王の力の賜物」

「王の器。。。。。」


「ああ、前々から決めてはいたんだ。コレで断られちゃあ振り出しに戻るんだが、、、どうやろか?」


目を伏せしばし沈黙するマスケ王。


「。。。わかった」


おぉっ!と兵たちから声が上がる。


「あいわかった!今よりここに、この大陸をマスケ共和国として一つになったことを宣言する!!」



ワァァァッッ!!!!



大歓声があがった。


「ゲキコー、シュビー、ホーマーの三国はこれより区と分ける!三王はそれぞれ区長として今まで通り民のまとめ役をするのだ!ただし、今までのような他国間の垣根や争いは今後一切無くすのだ!」


「「「はっ!仰せのままに!!」」」


三王がマスケ王に跪く。


「そしてこのマスケの国は中央区とする!この国で取れた特産物やミスリルなどは各地区にも行き渡るようにしよう!そして、、、、、」


マスケ王がオレたちを見る。


「カリーナ!」

「あぁん?なにさね??」

「お主をこの中央区の区長に命ずる!!」

「はあぁっっ!??なに言ってんだいこのおいぼれ!はっ倒すよ!!!」

「おっ、、、おい姉さん。。。」

「ふぁっはっは!!それでよいのだ!それでこそ、この大陸の中央のまとめ役となる器。他に異論のある者はおるか!?」


誰も異論を唱えない。

むしろ、、、、


「まぁ、せやろなぁ」

「うむ、オレたちをまとめれるのは」

「カリーナ。。。。。だけ」


「う〜〜!!あんたたちっ!?」


「オレも、姉さんが適任だと思うよ。オレたちが出会えて、ここまでやれたのも、三国がまとまったのも、姉さんが居なかったら実現しなかったと思う」



他の娘たちもウンウンと頷く。


「ダ、、、ダァリンがそう言うなら。。。」


そう呟くと、カリーナはクシャクシャと髪をかき回し言った。


「あーっ、もうわかったよ!ただし!!あたしぁ好き勝手にやらせてもらうし何にも縛られたりしないからね!?ムゲン、ガウス、フェリウス!あんたたち、あたしの手ぇわずらわせたら承知しないよ!」


「おぅ!」

「あぁ!」

「任せろ。。。。。!」



ワァァァッッ!!!!


再び大歓声があがった。


「さて!細かいことは後で場を設けじっくりと決めようぞ!!さぁ宴じゃ!皆で宴の準備じゃあ!!!」





ーーーーーーーーーーーーーー






この日、大陸全てが国となるマスケ共和国の誕生祭ができた。



後の世に『世界最大のイベント』と呼ばれる七日七晩続く祭りは、この時に行われた七日間に渡る宴から由来されていると伝えられる。



元三国からも人々が合わさり、

城と城下町は賑わい続けた。。。

次の話は宴が始まる話から続きます。

なんだか最後の部分が、もう宴が終わったかのように締めてしまったので、追記しときました。

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