Lv74 槍と弓と鬼と
「姉さん、、、ウチの獲物、、とらんといてや!」
「黒髪娘。。。」
カナデがなんとか立ち上がったが、その姿は誰が見ても満身創痍だ。
「なんや、まだやるんかい?今のお前じゃ逆立ちしたってワシには勝てん。相手の力量くらい測れるようになりやっ!!!」
ムゲンが娘に恫喝する。
「せ、せやなぁ。多少強うなった気はしてたが、まだ親父には敵わんようやのぅ。せやけどなぁ、ウチも豪傑と呼ばれた男の娘や!引けへんとこくらいあんのや!!」
力を振り絞りカナデが槍を構える。
「ちゅーわけや、姉さん悪いけど黙って見ときや」
「。。。好きにするさね」
カリーナが一瞬考え込んだがスッと弓を引いた。
「おおきに、ほないくで、クソ親父ぃ!!!」
カナデがムゲンに飛び込む。
カィンッッ!!!
槍と槍の先が交差する。
「せやからゆーたやろ?そないな棒切れ振り回すような動きやったら何年経っても、、、、」
「これなら、、、、、どうやぁっっ!!!?」
上段から突きからのフェイントを交え、瞬時に体を地に擦るまで沈め込んだ体勢からカナデが突きを放つ。
「いくでっ、、、、『一針』!!!!」
鋭い一筋の光のような突きをムゲンに向け繰り出した。
キィィィン。。。。。
「!!!!?、、、、っっな、、、!!??」
ムゲンは体の下から繰り出された突きを、上から槍を降ろし槍と槍の先で合わせ、止めた。
「『針止』や。なっ?お前にはこんな芸当まだできひんやろ?」
渾身の力で放った一撃をアッサリ止められ、カナデが愕然とする。
そしてそのまま。。。。
「おとなしぅ寝ときやっ!!!」
ドガッッッ!!
ムゲンが返す槍の柄で大きく弧を描き吹き飛ばされたカナデ。
「カ、カナデ様、、、!!?」
ライアが慌ててカナデが飛ばされた方に走り出す。
それは、チハヤが埋まっている酒場の裏手の方だった。
「ムゲン、、、あんたっ!?」
カリーナが再び構えをとる。
「お待ちなさいませ」
シュバッ!シュバババッッ!!!
ムゲンに向かおうとしたカリーナの前に5人の槍を持った女が現れた。
「セツです。我ら槍花5人衆『雪月花』」
「ツバキです。ムゲン様をお守りする」
「ゲッカです。貴方のお相手は私達が」
「ツボミです。いたします」
「カリンです。ムゲン様、遅くなり申し訳ありません。ですが、勝手に城を抜け出されては困ります!」
「あ〜あ、うるさい奴らに見つかっちまったなぁ」
槍を肩に乗せ、後ろ頭をボリボリとかきながら面倒くさそうにムゲンが言う。
「それより、、、カリーナ」
「なんだい?こんな若い娘ばかりはべらせて良い身分さね!?」
「おいおい、妬くなよ。そんなヤキモチキャラちゃうかったやろ??そんなことより、お前の酒場の裏からけったいな力を感じるんだが、なんか知っとるか?」
「知らないね、自分の目で確かめに行くさね!」
カリーナがムゲンと5人衆に向け構える。
(あっちの娘達もBランク程度の力を持ってるさね。。。ムゲンも一緒となると加減してる場合じゃないか、殺す気で行かないと止めるのは難しそうさね)
そんな事を考えていると、横からスッとたなびく金髪が現れた。
「姉さん殿、私も一緒に」
「金髪娘、あんたさっきヤられたんじゃ。。。」
「あたしが治したのよ」
声のする方を向くと赤い髪の鬼姫が立っていた。
「おやまぁ、泣いてしっぽ巻いて逃げ出したのかと思ったさね」
「はんっ!年増の姉さんになんか負けてらんないわよっ!若い乙女の魅力をあいつにぶつけてやるんだから!!悩殺されるのは必至よ!!!」
「ふ、、、なんかあったのかい?随分と吹っ切れた顔してるじゃないさね」
「あたしらより人生の大大大先輩に色々と教えてもらったのよ!」
「だし!!」
ナナの肩に乗ったヴェルダがVサインをかます。
「あっちの5人組はあたしとセリーヌに任せなさい!あっちのカナデの父さんは悔しいけど、あたし達にはまだ手に負えなそうだし!」
(あらあら、そんな冷静な考えまでできるようになっちゃったのかい?こりゃあ、うかうかしてらんないねぇ。。。ライバル登場さね)
「ふっ、わかったよ。しっかり抑えとくさね!簡単にヤられてたらカッコ悪いよ!!」
「んなわけないじゃない!いくわよセリーヌ!」
「はい、ナナ殿!!」
セリーヌ、ナナのコンビと5人衆がぶつかり合う。
「さて、と。こっちもそろそろ始めますか」
「良いさね。サッサと片付けてダアリンとイチャコラするよ!」
「お前、、、キャラ変わったな」
「ラブラブは良いもんさね」
カリーナとムゲンが、ぶつかり合う。。。
出番っ!?
出番ですか!!?
えっ?もう少し??
埋まりっぱなしの主人公て
聞いたことないし!
たすけてーーーーー!!




