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白の竜騎士物語  作者: 涙涙涙
67/136

Lv66 どう在りたいか。。。

一方その頃。。。



ーーーーーーーーーーーーーーー



「なによっ!なによなによっ!!チハヤなんか大っキライ!!あんなやつーーーー・・・」


気づけばあたしは、森の中を歩いていた。


なんだろう。。。


「うっ、、、えぐっえぐっ、、、」


涙が止まらない。


「あんな、、、やつ、、、」


ふと、辺りを見回すと池があった。


小さな池だ。


「最初に出会った時も、水辺だったな。。。」


覗き込むと、涙でくしゃくしゃの顔が映る。


「ひどい顔、、、」


『ホントね、ブサイクったらありゃしないわ』


っ!?


「誰っ!?、、、、、、!?」


顔を上げると、池の向こう側に見たことのある人がいた。



「・・・・・あた、、、し??」


ナナと瓜二つ、モノマネでもない、全く同じ自分が立っていた。


『そうよ、あたしナナ。あなた誰なのよ?』


「ふざけないでっ!あたしがナナよ!!な、なんなのよあんた!?」


『あたしがナナだってば!だって、ほら見てよ』


ニョキ。



目の前のあたしの頭から角が生えた。


「な、、、なんで、、、??」


『だから、あたしがナナなんだってば。あたしはね、あんたみたいにヤキモチ妬いて仲間と好きな男の前から逃げ出すような女はキライなの』


「や、、ヤキモチなんかっ!?」


『あら?だったらどうして逃げ出したの?全速力で走って、泣きながら鼻水垂らして、逃げ出したのはだぁれ??』


「う、、、うるさい!うるさいうるさい!!」


『聞きなさい、駄々っ子!』


「な、なんで逃げたらいけないの!?あんな場面見たら誰だって、、、、、」


『そうね、ショックだったわ。チハヤの初めての相手が私じゃなくて』


「だ、、、だったら!!?」


『ええ、あたしはあの時わかったわ。チハヤを自分の物に、支配欲や独占欲だけであの人を見てたことを。。。』


「っっっ!?」


『あたしのチハヤなんだから、あたしの思うようになりなさい!ってね』


「、、、、、そんなの!誰だって、、、」


『そうね、思うことよね。結局、あたしとチハヤが仮に最初に結ばれてたとしても、あたしの初めてをあげるんだから、チハヤの初めてもよこしなさいって、見返りを求めてたのよね』


「、、、、、そんな言い方……」


『そうでしょ?いくら綺麗に言葉を着飾っても同じよ』


「、、、、、」


『だからあたし決めたの。あたしの初めては、、、この好きって気持ちはチハヤに捧げようって。なんの見返りもなくてもいい。あたしが勝手に自分からあの人を好きになったんだから、まわりがどうあろうと、あたしはあたしでチハヤの側に居たい』


「、、、、、で、、、でもっ!他の娘も、、、」


『大事なのは、あたしがチハヤを好きだからチハヤもあたしを好きになるべき、じゃない』


「!?」


『あたし自身がどう在るべきか、じゃなくて、どう在りたいか。が大事ってことよ』


「っっっ!!!!!」


あたしは、カミナリに打たれたような気がした。


あたしはあたしの思うようにチハヤになってほしかった。だって、チハヤからあんなことしてきたんだもん。でも、チハヤにだって気持ちはある。もちろん、あいつが軽くチャラい気持ちであたしに接してきたわけじゃないのはもう解る。だから、あいつがあたしに気持ちを向けてくれた時にあたしがどう受けてどう返すか。それはあたしが決めること。同じように、あいつがあたしに気持ちを向けられても、決めるのはあいつ。そうね、なんか色々ムカついてたのがバカらしくなってきちゃった。あ〜あ、あたしやっぱり子供なんだな。カリーナ姉さんには貫禄負けしたってことか。。。いや、別に勝ち負けじゃないし、例えあたしだけを見てくれなかったとしても、あたしはそれで嬉しい。6人全員があいつに好きって気持ちを捧げても、あいつがあたしも見てくれるなら、それがいい。だって、もうこんなに、、、好きになっちゃったんだもんね。



はぁ。。。チハヤの顔が見たいなぁ………



『…………っと』


無性に会いたくなってきちゃった。


『………ょっと』


あたしも、チゥしたいなぁ。。。


『ちょっと!ってば!!』


「えっ?なに??」


『えっ?じゃないわよ!!どんだけ自分の世界にトリップしてるんだし!!?』


「…………えっ?、、、、だし??」


『あ、ああああ!しまったし!!嘘だし!何も言ってないし!!?』


「、、、、ヴェルちゃん」


『あぁっ!やっとヴェルちゃんて呼んでもらえたし!!よかったし、誰も呼んでくれないから愛称なしのキャラでいくとこだったし、、、、、ああああああああっっ!しまったし!!!!』


「もういーよ。ありがとね、ヴェルちゃん」


『うううぅぅぅ、、、、』


目の前のあたしがボフンと煙をたてて小さくなった。ほらね、ヴェルちゃんついてきてくれたんだ。


『あ、あ、あたしは、、、別にそんなんじゃないしね!?』


「クスクス、、、そっか。ヴェルちゃんもチハヤのことが好きなんだね」


『だし!あたしは出会った頃からチハヤんにベタ惚れだし!!いつか本当の姿に戻って悩殺だし』


「そっか、、、そうよね。あたしもそんくらい、素直になってたらよかったんだね」


『だし!素直が一番だし!!』


「ねぇ、もっかいあたしに変身してみて」


『いいし!』


ボフン


「うわぁ、、、ホントにそっくりね……」


『ちっちっち、あたしの方が胸おっきいし』


「、、、もうっ!そんなことないわよ!」


あたしはヴェルちゃんにじゃれつこうとした。

そういう時って、足がもつれるのよね。。。

お約束なのかな?


「『う、うわわわわわーー!』」


バシャンッ!


2人とも、池に落ちちゃった。


ボフンとヴェルちゃんが元の姿に戻る。


「、、、、、ぷっ。ふふふふふ」

『なにがおかしいし!?ずぶ濡れだし!!』


「あはははっ、、、、、いいね、こういう気持ち」

『さっぱりわからんし!ずぶ濡れだし!!』





あたしは、ヴェルちゃんがムキーッとしてる中、

しばらく大笑いしてた。






ーーーーーーーードォンーーーーー




遠くで爆発音が響いた。


「っ!?なんなの!?」


「城の方だしっ!」


「ヴェルちゃん、急いで戻るわよ!」


「おーだし!」



あたしは駆け出した。

もう、逃げない。


今は急いで城に向かおう。。。

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