Lv64 伝令
あぁ。。。
今日は天気がいいな。
う〜ん、、、いい朝だ。
ーーーーーーーーって、おいっ!!?
「なんでオレが埋められてるんだ!!?」
そう、オレは酒場の裏で地面に埋まっていた。
「、、、、、なんで?、、、ですって??」
「ひぃっっ!?」
あ、あれ?ナナさん??
貴方の角、
そんなに雄々しく大きかったでしたっけ??
あと、目を赤黒く光らせないでほしいな。。。
こわいですよぉぉ。
「あぁ、あかんあかん。チーやん今はとてもじゃないけど発言権あらへんで」
「ですわ。あんなうらやま、、、じゃなくて、あの状況のことを説明していただかないと」
「ち、チー殿、、、どうして。。。」
「、、、、、呪呪呪」
「だし!チハヤんのスケベ!変態!どエロ!ドーテー野郎!、、、じゃなくなったし?」
ヴェルダがみんなにギロリと睨まれる。
「ひぃっっ!?ご、ごめんだし。。。。。」
ヴェルダが更に縮こまってしまった。
「と、いうかこれ!くっっっ、、、ぐぅっ!はぁ、はぁ、、、全然動けないじゃないか!?」
地面に埋まってるとはいえ、オレが抜け出せないのはおかしい。
「ええ、そうでしょうね。あんたを抑えるのにメルに協力してもらったわ。神器をもったメルの魔力はあんたと互角の★5。そのメルに限界突破して鼻血が出るくらいの魔力であんたを封じ込める檻を作ってもらったわ」
「、、、、、もう、ヘロヘロ」
どおりで!!?
ダメだ、、、ビクとも体を動かせない。
ナナが改めてオレの顔を睨んだ。
「、、、チハヤ、あんたカリーナ姉さんのこと、好きなの??」
「いや、、、その、、、あの、、、はい。。。」
「じゃあ、なんであたしにあんなことしたわけ!?」
みんながギョッとしてオレとナナを見る。
「ち、、、ちょいまちぃや。チーやん、あんたナナになにしたん?」
「寝てるあたしの胸とか、、、とか、撫で回したのよね!?」
えぇっっ!???
と、みんな驚いた。
そらそうだ、オレも驚いたし。
「ご、誤解だ!あのときは、、、寝ぼけてて。。」
「寝ぼけてたから?だからそんな気がなくてもあんな風にしたわけ!?」
、、、ダメだ。今は何を言っても無駄みたいだ。
改めて、ちゃんと話をしなきゃ。
だから今は。。。
「。。。。。ごめん」
ーーーーパァンッーーーー
ナナは埋まっているオレの顔の前に跪くと同時に平手打ちをしてきた。
「、、、サイ、、、テー、、、、、」
ダッーーーーー
「ナナ殿!」
駆け出したナナを追おうとしたセリーヌの肩をカナデが掴んで首を横に振った。
「今は、そっとしたり。。。」
「ナナ、、、殿。。。」
「あたしが遠くから様子見てくるし!ダイジョブ!離れて見とくし!!」
「あぁ、頼んだでヴェルダ」
ブーンとヴェルダがナナを追いかけて飛んでいく。
「、、、にしてもチーやん。あれはないわぁ」
「、、、ですわ。傷つくに決まってますわ」
「、、、、、キツい」
「チー殿、後でちゃんと話を。。。」
「ああ。。。わかってるよ……」
ナナに叩かれた頬が、痛い。
身体的な痛みじゃなく。
心が痛い。。。
「まぁ、ちゃんと仲直りしぃや」
「誠意!ですわ!!」
「ちゃんと話せばナナ殿もわかってくれる!」
「、、、、、乙女の、気持ち」
「あ、あれ?みんな、怒ってたんじゃないのか?」
「ま、そらあんな場面見せられたら頭に血も登るわ。せやけど、別にウチも可愛がってもらえるんやったらそれでえーし」
「ですわね。でも、チー様の初めてを私の胸で奪いたか、、、、、きゃあっ!わたくしったら、なにを。。。」
「チー殿がみんなに好意を持ってくれているのはわかる。もっとも、仲間意識の方が強いとは思うがな。誰かを蔑ろにするようなひとでもあるまい」
「、、、、、私も、愛して」
「みんな。。。」
「ふあぁぁ。。。朝っぱらから騒がしいさね」
「「「「「姉さん!?」」」」」
「ふあ。。。おはよう、、、、あいたた……」
しれっと現れた姉さんがヒョコヒョコと歩いてくる。
「カリーナ姉さん殿、どうかされたのか?」
「いや、、、なんかまだ異物感が。。。」
やめてーーーっ!
なんだかオレが恥ずかしいさねーー!!
「な、なぁ。どんな感じやったん??」
「ですわ!こまかくききたいのですわ!!」
「さ、参考までに私も。。。!!」
「、、、、、詳細」
やめてーーーっ!
あばかないでーーー!!
「やれやれ、揃いも揃って乙女だねぇ。そういうあたしも、ダァリンには乙女にさせられたけど、ね」
チュっとウインクしてきた。
あかん、なんか小っ恥ずかしくて顔見れん。
「ナナにはやっぱりキツかったのかね。。。あんたたちは、あたしにも何か言いたいことはないのかい?ダァリンにも文句あれば今の内に言いな、スッキリしないからね」
「んや、別にないで」
「ですわ。マル秘テクニックくらいですわね」
「わわわわたしはどういう風に殿方を誘うのかを、、、、ごにょにょ」
「、、、、、詳細」
「だってさ、ダァリン。よかったねぇ」
へ?そうなの?
「ナナみたいに、みんな怒ってくるのかと。。。」
「なんや?しばかれたかったんか??案外Mやなぁ」
ふふふっとカナデが笑い、他のみんなもクスクス笑っている。
「もちろん、ウチはチーやんのこと好きやで。男として。せやけど、チーやんがウチのこと嫌いにならん限り、いつ何時こっちから仕掛けようが問題ないやろ?」
「はい、わたくしもチー様のこと大好きですわ。1人の男性として。身も心も捧げたいのはかわりませんわよ」
「わわわわ、わた、、、わたし、、、もだ。。。」
「、、、、、同じく、抱いて」
カナデ、、、
ライア、、、
セリーヌ、、
メル、、、、直球だな。。。
「。。。み、みんな。ありがとう伝えてくれて。オレも、ちゃんと自分の気持ちを伝えるよ………」
皆が頷く。
「オレは、みんなの事が、好きだ。それぞれ素敵な魅力を持っている。正直、カリーナ姉さんが特別頭抜けて好きだったわけじゃ、、、ない。カリーナ、これは誤解しないでほしいんだ」
「わかってるさね。いくつだと思ってんだい?はっ倒すよ」
「はは、、、これ以上倒れれないけどね。でも、カリーナを抱いて抱かれて、尚更に愛しくなって、守りたいって思った。事実だ」
「ダァリン。。。また濡らす気かい??」
「か、カリーナ。。。」
「はいはい、そんなん2人の時にしてや。んで、ナナのことは??」
「もちろん、ナナのことも、、、好きだ。都合よすぎるのかもしれないけど、これが正直な気持ちだ」
「それで、いいんじゃないですの??」
「えっ?」
「うむ。あっちにいい顔、こっちにいい顔する軟弱者より、ずっと男らしいぞ」
「、、、、、わたしにも、ちょうだい」
「せやな、別に1人の男に数人の嫁なんて珍しくもないし」
あぁ、そうか。
一夫一妻制の世界ではなかったんだ。
「ただな、、、もしこの場の全員をものにしたとしてもだ。。。誰か1人でも傷つけるようなことしようもんなら、、、」
「・・・そんなことするかよ」
カナデの言葉を遮るように言い放った。
「なら、いいんちゃう?」
カナデがニンマリと笑う。
「わたくし、生まれて初めての告白でしたのよ」
ライアがニッコリ笑う。
「わわわわわたしも、だ、、、、、」
セリーヌが真っ赤に照れる。
「、、、、、、早く抱いて」
メルちゃん………
「だ、そうだよ。ダァリン良い女に恵まれてるさねぇ」
「。。。うん。ホント、オレなんかにもったいないや」
「せやけど、ナナには納得できひんやろなぁ」
「ですわ、ヤキモチが強すぎですわ」
「独占したいという気持ちはわかるが。。。」
「、、、、、抱いてわからせる」
メルちゃん………貴方が1番過激なの?
「そうさねぇ、、、ま、頭冷やしたらあたしらで一旦話そうさね」
「おっ、えーやん」
「女子会!ですの!?」
「わ、私も、、、いいのか??」
「、、、、、全員参加」
「ほな、最後に確認するで。チーやん、あんたはウチらの誰1人蔑ろにする気持ちなんか無く、全員に惚れ込んどるんやな??」
「、、、あぁ、そうだ。全員、、、大好きだ」
ポッ
ポッ
ポッ
ポッ
ポッ
みんなの頬が赤くなる。
「おっけ。ほな、みんなでナナを探しに行こか。メル、チーやんにかけた魔法もう解いてえーよ」
「、、、、、解け、ない。。。」
えぇっっ???
「ホ、ホントか??」
「、、、、、うん、ムリ。自分でも、どうやってかけたか、不思議、、、、、」
「マジかぁ。。。」
「よし、全開で魔力放ってみるから、みんな少し離れ………」
ーーーーダダダダッッッ!バァンッ!!
「チハヤ様!カリーナ様!三国の姫様!いらっしゃいますか!!!?」
裏口から白の兵士が物凄い勢いで駆け込んできた。
「ゲキコー、ビシュー、ホーマーの三国が一斉に攻め込んできます!!!!至急、国王のもとへ!!」
「「「「「なんだって!?」」」」」
・・・・・
マズい!
よりによってこんな状況のときに。。。




