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白の竜騎士物語  作者: 涙涙涙
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Lv48 神器″弓矢″

「ふー、だいぶ倒したはずだけど次から次に湧いてくるなぁ」


オレと姉さんは坑道を進んでいた。

すでに百匹以上のミスリルアントを倒している。

落ちた魔石は不思議な袋にいれ、素材集めは順調に進んでいるのだ。


坑道の入り口には新たな門番的なミスリルアントがいたが、姉さんが瞬殺で蹴り飛ばした。


その後ゾロゾロと湧いてきた蟻達を姉さんが高らかに笑いながら嬉々として粉砕していった姿はまさに壮観だった。


「あーっはっは!まるでゴミのようだ!!」


・・・

それを見ているとミスリルが脆そうに感じるが決してそんなことはないのだ。


ーーーーーーーーーーーーーー


「ふーっ、だいぶ奥まで進んできたな……おっ!あそこに光が見える」


坑道の先に行き通路を抜け、見下ろすと眼下に巨大な空間の広間があった。東京ドーム分の広さ、というのだろうか。東京ドームに行ったことがないのでわからない。


広間の中央にはこれまた巨大なミスリルの塊がある。その前には他のミスリルアントの10倍はあるであろう巨大なクイーンがいた。

それらを取り囲むようにミスリルアントがひしめき合っている。

ワラワラ…


「うっわ〜、デカイなアレ。それにこの数……このスペースに千匹くらい詰まってるんじゃないか?」


「そうだねぇ、この数をいちいち相手にしてたらキリがないよ。かといって、範囲魔法を使っても落盤したらかなわんさね。。。」


「なにか良い手はないかな………」



ーーひらめいたりーー



「ダァリン?」


「あぁ、ちょっとコレを見てくれ」


オレは自分の体の前に力と意識を集中する。


キュィィーーン。。。


パッ!


オレの目の前に、光り輝く弓矢が現れた。


「これは。。。」


「あぁ、神器『アルテミスの弓矢』さ」


オレは、アルテミスが光の矢を乱舞で打ちまくっていたのを思い出したのだ。

眩いばかりに美しいそのフォルムに姉さんが少しウットリしている。


「姉さん、弓矢使えるよね?」


「あ、ああ。あたしの専属武器は元々弓矢だからね」


「ほしたら、コレ姉さんにあげるよ」


「い、いいのかい?こんな……」


「ああ、オレが持ってても使い道なさそうだし」


オレは姉さんに弓矢を差し出した。

姉さんが神妙にそれを両手で受け取るために手を伸ばした。

姉さんの手に弓矢が渡った瞬間……



ボゥッ!!


姉さんが金色の光に包まれた。

体から力が溢れている。


「こ、これは……スゴい、スゴいさね!!」


神器の力が宿り姉さんの力が圧倒的に上昇した。

同時に、髪や肌、体の全てがツヤツヤの、元々美女だが完全に無敵であろう美貌を得ていた。


「・・・」


姉さんが黙って目を閉じたままだ。


「・・・ね、姉さん??」


オレの呼びかけにゆっくりと目を開く。


「この弓矢が色々と語りかけてきてねぇ。命中と美貌の神から生まれしこの矢は全てを貫き、その狙いは決して主人の意を外さないそうさね」


「そうなんだ。。。弓矢が喋るのか……」


「喋るというよりは頭に語りかけてくるっていう感じさね。ともあれ、これを使えば何でもできそうな実感が湧いてくるよ」


「それならよかった。オレが具現化した物だから、オレがしまうか死んでしまわない限りは壊れることもないし、遠慮なく使ってよ」


「あぁ、ダァリンの分身………」


なんか弓矢に頬ずりし始めた……

若干卑猥な光景な気がする。


「ねぇ、あたし綺麗になったかい?」


「あ、ああ。。。ヤバすぎるくらい、綺麗だ」


「ふふふ、誉め殺しとはやるさねぇダァリン」


「は、はは。本心だよ。マジで、綺麗すぎ」


んーー!と姉さんがオレに飛びついて抱きしめて来た。


や、やば!良い匂い!柔らかい!肌スベスべべ!!

胸!おっぱいで息ができなっ!!!

これは、アルティメットボディすぎる………


「・・・さて、ダァリンの愛。試し射ちといくさね!」


姉さんがパッと離れ、

ぶはぁ、とオレは息を吹き返した。


姉さんが光の弓を引き絞る。

体を包む光の闘気が一気に膨れ上がった。


それと共に広場の天井が発行し始めた。

いや、違う。

よく見ると無数の光の矢で埋め尽くされている。


「・・・行くよっ!!」


『サンザンド・レイ』


姉さんが引き絞った弓を放つと、広場の天井から光の矢が雨のように降り注ぐ。



ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!



・・・

ほんの数秒の出来事だった。


下を見ると、全てのミスリルアントに光の矢が突き刺さっており、動くものはいなかった。


しかも、見事に全ての蟻が眉間や心臓部など、的確に急所を貫かれている。

流石″命中″の神器、でもあれだけの数の的を射抜くのは姉さんの力でもあるか。。。


おっ。

1匹だけ動いてる。

クイーンだ。


「すっげ。。。姉さん、クイーンはワザと??」


「ああそうさね、ちょっとお待ちよ」


『ルイン』


姉さんが魔法を唱えると、射抜かれたミスリルアントの死体から魔石が次々と手元に集まってきた。


「うぉっ!これは、ちょっ。。。持ちきれない!」


ズズゥーンとオレはミスリル魔石に埋もれてしまった。


「あっはっは!これは倒した魔物から魔石を集める時の魔法だよ。あれば便利だから後で教えてあげるさね。

そうそう、クイーンも殺しちまうとこの蟻の巣は全滅しちまうからね。ちょっとヒヨッ娘たちの修行場として残しておいたのさ。クイーンがいればまた兵隊蟻は量産されるさね」



そういうことか。


「さあてと、この魔石で装備を作るなり売って金にするなり。早いとこ戻ろうさね」


「はいよー」


オレは魔石の山から抜け出しセッセと不思議な袋に魔石を入れまくった。

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