Lv43 パメラの婆さん再び
「あ〜、小っ恥ずかしかった」
大通りからオレたち2人は走りながら離れた。
「ダァリンがあんなことするからじゃないか」
「あのねぇ!元はと言えば姉さんが……」
「なんだい?イヤイヤだったのかい??」
「・・・いいえ……」
姉さんに顔を覗き込まれ思わず目をそらす。
ふぅー、たまらんち。
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「・・・あ、ここは……」
「おや、魔法屋じゃないか。こんなとこまで来てたんだね。あのババァはまだ生きてるのかい」
「あぁ、お婆さんはこないだ来た時にいたよ。知り合いなのか?」
「まぁね、若い頃は魔法薬をよく買ってたしこの街の魔法屋はここだけだしね。それに、ババァの店の売り物はそんじょそこらの物より出来が良いさね」
ドアを開けてオレたちは入った。
「おや、誰かと思ったら。珍しいお客さんだね」
「ま〜だしぶとく生きてたんだねぇ」
「あいにく、こちとらお前さんみたいに自然の摂理に抗って生きてないんでねぇ。そっちの小僧はこないだぶりだね」
「お久しぶりです」
「ダァリン、こんな店に何の用があったんだい?」
「『こんな店』は余計だよ。なにがだぁりんだい、気色悪いオバはんが」
「なんですってぇ!?はっ倒すよっ!?」
罵り合ってるけど仲良さそうだなこの二人。
「ま、まぁまぁ姉さん抑えて。今日は、コレを何かに使い道はないか聞きにきたんだ」
オレはゴソゴソと懐からミスリルアントの魔石を取り出しパメラ婆さんに見せた。
「おや、もうミスリルを取ってきたのかい?気が早いねぇ」
「いや、コレはミスリル鉱脈に巣食ってるミスリルアントを倒して手に入れたんだ」
「あぁ、そうかいそうかい。まぁ、コレはほとんどミスリルの塊のようなもんさ、高純度のね。使い道っていうと、、、杖の魔法石にするか、武器や防具に加工するくらいで……あぁっ!思い出したよ、ちょっとまっておくれ」
婆さんがゴソゴソと何かを取り出した。
古びた本で蒼白い装飾と鍵穴が施してある。
フー!フー!っと本に息を吹きかけるとホコリがまった。ゴホッゴホッ!
「これは昔薬の代金と引き換えに旅の魔導士から受け取ったものだよ。初心者用の魔法書と違って、なんでも応用の利く上級魔法が書いてあるそうだ。魔導士の名前は、、、なんといったかねぇ、忘れちまったよ」
「おぉ、なんかすごそう」
オレは興味津々だが、本のカギを魔導士が失くしてしまっていたそうだ。
「そこで、この鍵穴に合うカギをドワーフ兄弟に作ってもらったらいいのさ。ミスリル製のカギに魔力を通して回さないと開かない仕組みだからね」
「なるほど。それなら早速この魔石をラックとリックに見せに行ってみるよ、行こう姉さん」
オレは足早に魔法屋を出る。
「あぁん、まっとくれょダァリン」
カリーナ姉さんもオレに続いて店を出た。
さて、双子のドワーフ。
どっちの店に行こうかな。。。




