Lv42 一方その頃…
オレは酒場を出てプラプラと歩いていた。
街の大通りは人が多い。
「らっしゃいらっしゃい!リンガが安いよ!どうだい兄さん、一個3ルギだ!!」
「ひとつください」
「まいど!」
リンガをかじりながら歩くと、街行く人が俺のことを見てヒソヒソ話している。
みんな女性だ。
なんだ?鼻毛でも出てるのか?
しまった、チェックしてないや。。。
「ねぇ、あの人……」
「うん…ヤバい」
「カッコいい……」
「あぁ、抱かれたい……」
などなど聞こえてきた。
あぁ、なるほどね。さすが″美貌″の神気だな。
「あら、いいオトコ。ねぇ、おねえさんと遊ばない?」
なんだか妙に色っぽい服を着た女の人が声をかけてきた。イケメンて得だな。。。
だが、オレは見た目で判断する女性にはあまり良い印象はもてないな。うん。やはりオトコは中身だろ。
「ね〜ぇってば…」
声をかけてきたおねえさんが腕に抱きつき胸を押し付けてきた。
ムッ!!?
なかなかデカイな。
「いや、その、、、ちょっと、、、」
う〜む。
なぜか顔がニヤけてしまうな。やはり竜や神の力をもってしても抗えないものか………
「ダ・ア・リ・ン?」
はぅあっ!!?殺気!?
なんだ、この凄まじい気配は!?
色っぽい姉さんに抱きつかれたままギギギと振り返ると、さらに色っぽく艶のあるお姉さんが立っていました。
カリーナ姉さんでした。
「あ、、あ、、、姉、、さん?」
「あらやだ、その辺のオンナに捕まるなって言わなかったかねぇ。。。?」
「て、ていうか!みんなと特訓してたんじゃ。。。!?」
「あの娘たちは今頃地獄の猛特訓だよ」
「チッ!女付きか!?」
姉さんの姿を見たお姉さんがパッと離れスタスタと歩いて行った。
お〜い、どーすんだこれー??
「い、ヤダなぁ姉さん。街を歩いてたらあの人がいきなり絡んできたから。。。」
「ほ〜、言い訳から入るなんて、良い度胸さぁねぇ」
「も、もしかして、ヤキモチ??」
………つい、言ってしまった。
殴られる!?蹴られる!!?
サッと防御体制で身がまえる。
と、思ったが手は出てこない。。。?
「もう、ダァリンたら意地悪さぁね」
と言いながら先ほど抱きつかれていた腕にギュッと姉さんが抱きついてきた。
「ね、姉さん!!?」
「あらやだ、あたしみたいなオバちゃんと一緒じゃ、恥ずかしいのかい??」
「そ、そんなことないけど……」
どっからどう見てもオバちゃんに見えるわけがない。
綺麗で光を受け輝いているロングな茶髪。
たわわに実った乳。
キュっと締まったくびれ。
スリットから覗く美脚。
そして美女。
なにより、先程の女性も美人だったが、それが霞んでしまうほどの美女だ。
「姉さんみたいな綺麗な人と、こうして歩いたことなんか……ないし。。。」
「嬉しいこと言うじゃないかダァリン!!」
今度はオレの首に両腕で抱きついてきて、ほっぺにキスしてきた。
「ね、ね、ね、姉さん胸が!!
それに、、、今キス。。」
「なんだい、唇が良かったかい?」
あ〜んと口を開けてオレの顔に姉さんの顔が迫る。
ヤバ!
ちか!!
顔!!!
唇!!!!
良い匂い!!
ダメ!もうムリ!!
唇が触れる寸前、口と口の間に右手を挟み込んだ。
「・・・ひとつ、教えて。姉さんはオレのどこが気に入ったんだ??」
「もう忘れちまったのかい?あたしぁ強いオトコが好きなんだよ」
「・・・じゃあ、オレがもし。。。」
「弱かったら?なんてくだらないこと言ったらはっ倒すよ。『たられば話』なんてくだらないさね。それに、あんたは優しいじゃないか、いつも心の中で「はいはい」って思ってるし。あたしみたいな跳ねっ返りにはそのくらいが丁度良いんだ、、、よ」
言い切る前に、オレは姉さんの唇をふさいだ。
一瞬目が丸くなっていたが、すぐに目を閉じたようだ。
大丈夫。この人は外見だけじゃなくてオレの内面も観てくれている。
なんだか、それがとても嬉しかった。
「・・・プァ。。。あたしぁオトコを見る目はある方なんだよ」
姉さんは背が高い、身長175cmのオレとあまり目線がかわらない。
でも、飛びっきりの美人がキスしたあと。ちょっとだけ目線を斜め下にそらしながら頬を赤め、照れてる姿にオレは図らずもトキめいてしまったのだ。。。
「だけど、ダァリンがこんな大胆だったなんて見抜けなかったよ。こんな講習の面前でね」
キョロ、キョロ。。。
見渡せば、周りは人垣ができていた。
逃げろい!




