Lv41 強く、なる
[ Lesson2 〜修行〜]
「やれやれ。こんな老体相手に1分ももたないなんて、情けないねぇ」
「ごほっ!ごほ……老体って、、、」
「お黙り、全員さっさと立ちな!そんなに強く打っちゃいないよ」
全員よろよろと立ち上がる。
メルが後ろの木に刺さった矢の帽子をとろうと必死に、ん〜!ん〜!とうなっている。
「とりあえず、全員ザコの魔物相手には問題ないけど少しレベルのある相手と戦うとこうなるってわかったかい、なぁ猪娘?」
「いの……!?あぁ、よーわかったわ」
「ふふふ、素直でいいねぇ。それじゃ、全員横一列に並びな」
姉さんの前に全員横並びに整列する。
『汝、その身に背負うは業深き剛。思いは想い、想いは重い、制約と誓約と契約の銘において己の糧とならんことを・・・』
姉さんが目を閉じて何か呪文を呟き始めると、指先から淡い光が出てきた。
その指先を1番端のカナデの額、喉、腹、腕、足、と五ヶ所触れ始める。
そのまま流れるように全員同じ箇所に触れ始めた。
最後に自分の両手を目の前で組み、唱える。
『定めるは己。解くは己。己が命をここに示せ』
それぞれの娘の触れられた部分に姉さんの指先と同じ光が出て、魔法文字のように変わる。
次の瞬間、
ズ ン ッ !!
全員一気に地面に跪いた。
見えない力に押さえつけられている。
「こ、、、れは?」
「お、おも、、、いぃ」
「からだ、、、が」
「、、、おも」
「なん、、や、、こ、れ、、?」
全員声を出すのもやっとだ。
メルなどすでにうつ伏せに寝て起きれない。
全員の疑問に姉さんが答える。
姉さんが答える。
「$◎∇%♂⁂♯£〻・・・」
「「「「「???」」」」」
全員、姉さんがなにを言ってるのかわからない。
まるで早送り、倍速で喋る言葉に聞こえる。
「あぁ、そうか。このくらいで喋らないと聞こえないんだね。あんた達の体に″五行の呪″という秘宝をかけた。昔フェリウスに開発させた修行の呪文だけどね。今のあんた達は通常の10倍まで思考が加速され脳が処理に追いついていない状態だよ。それに、体には10倍の負荷がかかっているさね」
「いつ、、まで、やるの、、ですわ??」
「そうさね、全員普通に会話ができて普通に生活できるようになったら外してやるさね」
「、、、マジか」
メルがピクリとも動かない。。。
「で、も、、、これに、、慣れた、ら、、、今より強く、、、なれる、、、はず、、、」
「あぁ、そうつぁ保証するよ。せいぜい気張んなヒヨッ娘ども」
姉さんが後ろを向き手をヒラヒラ振りながら酒場へ入っていく。
「と、とりあえず、、、酒場に、入り、、、ましょうか、、、、」
「です、、、わ、、、」
「あか、、ん、、、、からだ、が、、、おもすぎ、、、るわ」
「負ける、、、もんで、、、すか、、、!!」
それぞれが強くなるために体を動かし始める。
娘が酒場の裏口に向かいホフク前進を始めた。
そのとき、
蟻がメルの体に登り始めた。
「、、、これ、ムリ」
頑張れ、娘たち。
負けるな、メル。
・・・・・
・・・
・
「さてと、そろそろ行こうかね」
姉さんが体を伸ばし屈伸運動をする。
「だいぶ体がなまってるからね、久々に準備運動しないといけないよ」
姉さんが酒場の玄関を開けて、出て行った。




