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白の竜騎士物語  作者: 涙涙涙
41/136

Lv40 女帝

「さて、準備は良いかいヒヨッコ共?」


姉さんはスリットの入ったロングドレスのような格好で背中に大きな弓を背負っていた。


「あぁえーで、ウチから行ったるわ」


「まどろっこしいから全員一気にかかっておいで」


「な、なんやと!?なめくさりよって!!」


「まってカナデ、確かにDランクの魔物に手こずるあたしたちがAランクのカリーナ姉さん相手にするのは分が悪いわ。言う通り全員でいこう」


「ちっ!しゃーないな、ほなあんたら足引っ張んなや!!」


「そうそう、鬼娘良いこと言うさね」


女の娘たちが全員武器を手に身構える。


酒場の裏の空き地で、

カリーナによる女の娘たちへの修練が始まった。





ーーーーーーーーーーーーーー


[Lesson 1 〜弱点〜]





「ほないくでぇぇっ!!」


槍を構えたカナデが突撃する。

セリーヌとナナが追撃に走り出した。


「うらぁぁぁ!!」


全力で突き出した槍は体を横にずらしただけで姉さんに避けられる。


「まずは黒髪、お前は猪だね。直情型で力任せ。突っ込めば良いってもんじゃないよ、頭を使いな!」


「がはっ!」


槍をかわされガラ空きになった背中に蹴りをくらいカナデが吹っ飛ぶ。



ーーー3秒経過ーーー



「次は金髪娘」


カナデの槍のすぐ後に駆け込んできたセリーヌが上段から剣を振り下ろす。


「てりゃぁぁぁ!」


セリーヌの剣もかわされた。が、それは想定内。返す剣を上下左右に剣戟を繰り出す。


「くっ!当たらない!?」


右脚を軸に姉さんは剣の3〜4cmをスレスレで避ける。更にセリーヌは速度を上げた。


「これならぁぁぁ!?」



ピシッ



「っ、、、なっ!!?」


姉さんは右手の人差し指と中指の間に剣を挟みピタリと止めた。


「金髪娘は攻撃スタイルのバランスは良いが剣が素直すぎて軽すぎる」


指に剣を挟んだまま左手でセリーヌの鎧の胸部に掌底を打つ。


「っっがっ。。。。!!」


セリーヌがナナの横を吹き飛ぶ




ーーー10秒経過ーーー



「次は鬼むす。。。ん?」


「……ファイア」


火の塊が姉さんめがけて飛んでいく。


カナデ、セリーヌの突撃に合わせてメルが火魔法を放っていた。


「ふっ、頭を使ってみたようだね」


姉さんは腰の後ろから鉄の矢を取りだしそのまま火の玉の中心に突き刺した。

円を描くような動きで火の玉が消える。


「そんな……」


と、同時に火の玉の後ろに隠れ駆け込んでいたライアが盾を前にチャージしてきた。


「ふんっ!」



ガシッ!



ライアが盾を前に全身で体当たりの突撃をしたのに姉さんはその場からピクリとも動かない。


「くっっぅ!!うご、き、ま、せんわ!?」


ライアが腰を落とし更に踏ん張るが姉さんは微動だにしない。


「緑髪娘は盾と鎧で前に突っ込むだけ、しかも貧弱だ。守りながら攻めるが聞いてあきれるよ、攻め手に欠けすぎさね」


盾の両脇を掴まれそのまま地面にライアが叩きつけられる。


「きゃあっっっ!!」




ーーー17秒経過ーーー




「それから紫髪娘」


瞬時に弓を取りだし矢を引き絞る。


ヒュ、という音ともにメルの帽子がパン!と射抜かれた。


「………!?」


その場にペタンと座り込むメル。


「あんたの魔法もスカスカだ。魔力の込め方も知らないのかい?その上、防がれたら何もできやしないじゃないか」




ーーー20秒経過ーーー



「う、ウソ!」


「さぁ、あんたが最後だ鬼娘。あがいてみな」


ひるんだナナだがなんとか踏ん張る。

拳をギュっと握り、駆け出した。


「う、うあぁぁぁぁっ!!!!」


鬼のようなラッシュで攻める。

しかし、先ほどのセリーヌと同じように一歩も動かずかわされる。


「やれやれ、たいしたことなさすぎだよ。あんたの親も、どうせそんな風に弱っちいからすぐに殺されちまったんじゃないかい?」



ゾワ



赤髪がざわめく。


「…………せ」


「ん?なんだい?チビったのかい??」


「そのことばっ!とりけせぇぇぇっっっ!!!!」



ナナの頭に鬼の角が生え、全身から闘気が出る。



「おや、いっちょまえに怒るじゃないか」


鬼の闘気を纏う拳を全力で放つ。


「があぁぁぁぁっっっ!!!!!」



。。。ピッ



「っっっ!!!??」


ナナが驚愕し拳の先を見る。


姉さんの左手の人差し指1本で、鬼の全力の拳は止められていた。


「あんたはまずは自分の力のコントロールからだ。基本的なことはその後だよ」


その言葉とスッと目の前に出された左手からデコピンが放たれる。


パンッ!!


「っ!?あ、、、あ………」


そのままナナは後ろに倒れこんだ。



ーーー30秒経過ーーー






あっという間の出来事。

女の娘たちは1人の美女の前に倒れ伏している。



『女帝』



この場の全員がその言葉を思い返した。。。

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