Lv39 鍛えるさね
昨夜は眠れなかった。
ウサギのお目々をこすりながらオレは顔を洗う。
酒場の中のテーブルにはすでに朝食が用意されている。どうやら姉さんとライアが作ったようだ。
「ん!この卵焼き、んまい!!」
「あ、それは祖母に習ったのですわ」
「このサラダのドレッシングおいしぃ〜」
「それは母に習ったのですわ」
「んまんま」
「ん、このベーコンは。。。?焦げ目をアクセントにしたわけやな」
「そりゃあたしが焼いたんだよ」
「そ、そうでしたか。。。」
「にしても、ライア料理うまいんだな。きっと良いお嫁さんになるよ!」
「は、はわわ……チー様。お、お嫁さんだなんて、そんな。。。」
ライアが顔を赤くして両手を両頬に当てイヤンイヤンしてる。
可愛いなぁ、、、ぶるるんるん
カチッ
ん?なんだいこの音??
「喧嘩かい?買うよ」
「あ、あたしだってその気になれば!」
「チー殿、今度手料理でも!」
「ンマンマ」
「ウチかて!料理くら……い……_| ̄|○」
「いや、張り合わんでも………そうだ、今度みんなで料理でも作ろうか。オレの故郷料理も食べてもらいたいしな」
「「「「「「食べたい!」」」」」」
ふむ。
何を作ろうかな?
ある素材で作れる物を考えておかねば。
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「全員、朝飯食ったら裏の空き地に集合だよ」
「なんでやー?」
「あんた達のステータスや特性、性格からみて戦い方の基本を教えてやるんだよ。いくら連携がとれなかったからってミスリルアントごとき一人で倒せないなんて、情けないったらありゃしない」
皆、シュンとなるなかカナデが言い返す。
「あ、あれはちーとばかし油断してただけや!ウチが本気出せばあんなアリンコなんか。。。」
バァンッ!!!
「黙りな、ヒヨッコ」
姉さんが机を叩き睨んだ。
カナデがビクっとして口をつぐむ。
ふむ。
この様子じゃ本気でお怒りだな。
口の悪さを除けば基本良い人だしお人好しだからな。この娘たちを危険な目に会わせたくないであろう考えが丸見えだ。
たぶん、この場でそれがわかってるのはオレだけだろう。伊達に三十年は生きてないのだ。
「いくらダーリンが強くたってね、守りきれないときはいくらでもあるんだよ。その時ダーリンを悲しませるのは、一体誰なんだい??」
・・・・・
誰も、喋れなかった。
「わかったら、サッサと用意して裏に来な。あぁ、そうそう忘れるとこだった。ダァリン、あんたはどっか他所に行っとくれ、この娘たちの邪魔になるからね。その辺の女に拾われたらはっ倒すよ」
そう言い残して、
カツカツとドアを開け姉さんは裏口へ出て行った。
失礼な、節操くらいあるわい。
でも、たしかに修行の邪魔になるかもしれないからおとなしく言うことを聞いておこう。
「と、いうことだ。みんな、オレは夕方くらいまでプラプラしてくるから、くれぐれも怪我のないように気をつけてな」
皆それぞれに行ってらっしゃいと言ってくれた。特にヤイヤイ言わないところを見ると、真剣に取り組むようだ。
さてと、どこへ行こうかな。。。




