Lv29 出会い出会い出会い 2
「・・・まったく!すーぐ可愛くて胸の大っきい子がいたら鼻の下伸ばしちゃって!サイテー!!」
「・・・そのような事実は一切ございません」
オレは明後日の方向を見ながら口笛を吹きたかったが、口笛を吹くことがオレにはできなかったのだ。
「ふぅ、、、おっ?ナナ見てみろ!あれが魔法屋じゃないか??」
「たくっ。。。すーぐ逃げようとするんだから……」
とか言い合いながらオレたちは杖の看板の魔法屋の前に着いた。絵本に出てくる魔女の家みたいな外観だ。大きさは小さいが。
「ごめんくださーい」
これ以上の追求はキツいと感じ若干早足でオレは店内に入っていった。
「しっしっし、いらっしゃい」
魔女がいた。いや、正確には見た感じ魔女そのまんまのネル◯ル◯ルネを美味しく食すような格好をしたおばあちゃんだった。
「こ、ここはどんな物を売っているんですか?」
その姿に懐かしさを感じながらオレは聞いた。
「色々な物を扱っているよ。魔法の書や呪いの道具、魔力効果のあるアミュレットや媚薬からネ◯ネ◯ネルネまで置いてあるよ」
「マジか!?」
「??なぁにチハヤそれ?」
「い、いや。大したものじゃあないんだが」
「ししし、今日は大繁盛だね。こんな若いお客さんが二組も来るとは、良い日だねぇ」
ん?二組??
店内を見回すと、俺たち以外にも客がいたようだ。どうやら女の子のようで、なにやらガラスの小瓶に入った紫色の液体を見つめている。
魔法使いのトレンドマークの杖ととんがり帽子をかぶっているので、この子は魔法使いなのだろう。薄紫色の髪が綺麗な印象の女の子だ。
「あれあれチハヤさん?あなた、ロリっ気もあったのかしら???あんな幼女みたいな子に見惚れちゃって」
「おいおい、オレを節操のない奴みたいな言い方するなよ」
「ないじゃない」
「あるわ!」
「ふん!どうだか?あたしが寝てる隙にあ〜んなことしてきたくせにさ???」
ぐぐぐ。。。悔しいが言い返せない
「それにしたって、あんな幼い子はないんじゃなぁい??だいたい何見てるのあの子。あんな得体の知れない液体なんか眺めちゃってさ」
オレたちが騒いでいると、女の子がトコトコと歩いてオレの前で立ち止まった。
小さい子だな。150cmなさそう
「あ、ごめんね、騒がしくしちゃって…」
女の子は何も言わない。その代わり、顔の横でクイクイとおいでおいでのように手招きをしてきた。
「ん?なんだい?」
不思議に思ったが、何か言いたいのかな?と思い女の子に顔を近づけてみる。
カポッ!
「・・・っっっっ!!??」
持っていた得体の知れない液体の入った瓶を開けていて、それをいきなりオレの口に突っ込んできた!
「ング、ング!ぷぁっ!?な、なにするんだ君は!!?」
あ、飲んじった。。。
・
・・
・・・
あれ?
なんか、よく見るとこの子はすごい美少女じゃないか??透き通るような白い肌、アイドル並みの小顔、棒切れのようなスラリとした手足、水平線の如く真っ平らな胸。
あぁ、なんて美しい。。。
あれ?オレ実はロリ大好きだったのか?今までこんなことなかったのに、目覚めたのか???
跪き少女の両肩に手を置いてジッと見つめる。
目が会うと少女は照れたように頬を染め目をそらしてしまった。あぁ、なんて可愛らしひ。。。
「ちょ、ちょっとチハヤ!あんたマジなの!?」
「そんな女より、わたしの方が、いい」
少女は抑揚のない感じで言った。
口数が少ないと思われるが、ハッキリと。
そしてナナをキっと睨んでいる。
「あ、ああ。そうかもしれない、オレはこの子に夢中だ。なんだろう、これは?もしかして……恋?」
「っんなわけあるかーーー!!!」
ナナが装備したてホヤホヤのレザーグリーブで流線型の弧を描く見事な胴回し蹴りをオレに放ってきた。世界を狙える蹴りだとオレは吹きとびながら思う。
ドンガラガッシャーン!!!
オレは店の入り口に切り飛ばされ勢いで外に転がり出てしまった。
「いっつつ、おい!いきなりなにすん……だ??
あ、あれ?オレいま何してたんだ?
幼女に欲情?ありえない……」
「ちっ!!」
少女が店の中で舌打ちをした。
が、オレには見えなかった。
トトト……と、店の外に少女が出てくる。
「今にわかる。わたしの方が、良いオンナ。。。」
少女はスタスタと何処かへ行ってしまった…
な、なんだったんだ?いったい
ヨロヨロと店内へ戻っていく。
「しっしっし。あんた、媚薬を飲まされたのさ」
「「び、媚薬!?」」
オレとナナは揃って驚いた。
いや、オレの方が驚いたし。初めての媚薬体験をしてしまった。。。すごいな、あれ
「なぁんだ、よかった。あたしてっきりチハヤがそっちの道に目覚めたのかと思っちゃって。でも、信じてたよ☆」
、、、ウソつけ
「さて、それじゃあ媚薬のお代として、200ルギ払ってもらおうかの」
「えぇっ!!なんでオレが!?」
「あんたが飲み干したじゃないか、若いの」
「そ、そらそうだけど、、、」
「店の中で暴れた分の迷惑料はとらないよ」
・・・ちくしょう!
がま口から200ルギを出し婆さんに渡した。
「ししし、毎度あり。そんな顔すんじゃないよ、ほれ、コレもおまけでつけてやろう」
婆さんは1冊の本を取り出した。
「これは?」
「状態異常回復魔法″リカバー″の魔法書さ」
「え、これをくれるのか?」
「ああ、あたしのおさがりだがね。そっちのお嬢ちゃんは聖属性で回復魔法を使えるだろう?」
「すごい、わかるんだ!?」
「こう見えても若い頃は大魔導士を目指したものさ。見た所魔法は初心者のようだね?」
「え、ええ。傷を癒すヒールしかまだ使えないの。それに、この本はどうしたら魔法を使えるようになるの??」
「読むだけさ」
「え!?それだけ??」
「あぁ、そうさ。魔法は知識、その現象があると認識し知識として蓄えていれば自ずと発動するものなんだよ」
魔法は知識、か。
なるほど、リッチーの魔法を見てイメージしたらオレも魔法を使えたし、なんとなく納得がいく。
「ただし、上級魔法は読んでも覚えられないよ。といっても、自分の実力や魔力にそぐわない魔法書は開くことさえできないからね。しっかり鍛錬していくんだよ」
「うん!ありがとうお婆ちゃん」
「ししし、パメラと呼びな」
こうして、オレたちはパメラの魔法屋を後にした。




