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白の竜騎士物語  作者: 涙涙涙
23/136

Lv22 姉さん

いつの間にやらアクセスやユニーク人数、ブックマーク件数が増えてきました。。。激嬉しすです。


仕事の合間や寝る前の時間で少しずつ書いてますが、1人でも見てくれてる人がいると思うと、パワーが出てきます。皆様、ありがとうございます。

さて、どうしようか。

今日寝るところがない。


また土小屋を作ってもいいが、寝心地が硬いのがなぁ。男のオレ1人ならともかくナナもいることだし、普通のベッドに寝かせてあげたい。


どうしたものかと顎に手を当てながら歩いている。

ナナは隣で街の中を物珍しそうに見ている。


「いろんなお店があるね。武器屋に防具屋に雑貨屋、魔法書店もあるわ!って言っても、宿代もないあたし達には今はどうしようもないわね」


まずい、どうにかしなければ男がすたる。


「あ、酒場があるな」


キタ。情報収集といえば酒場だ。間違いない。


『カリーナの酒場』と書いてある。


真っ昼間からオレたちは酒場のドアを開けた。

木でできた両開きのドアを開けると、中は意外と広めで50人くらいは入れそうだ。木でできたカウンター、丸いテーブルと切り株のイスが数組並んでいる。中では5人程座って酒を飲んでいる。

皆やさぐれているように見えるな。


「いらっしゃい。ここらへんじゃ見ない顔だね、こんな昼間っからカップルで飲みにくるなんて、ずいぶんと景気の良い話さーね」


カウンターの向こう側に立っていた50代くらいのおば、、、ミセスが皮肉交じりに言ってきた。

仏頂面で口は悪いがなぜか悪人には見えない。


「おや、その尻尾。小僧の方はリザードマンかい?お嬢ちゃんは人間だね。ま、珍しくもない組み合わせだよ、とりあえず2人ともビーロでいいかい?」


ビーロ?恐らくビールのような物だろう。


「あの、オレたち実は酒を飲みに来たんじゃなくてちょっと話を聞きたく………」


「あぁ!?客じゃないのかい?冷やかしならコレでも飲んでとっとと帰んな!ここはガキの来るようなとこじゃないよ!!」


ドンッと乱暴に木製のジョッキに入った飲み物を出してきた。


ほら、悪い人じゃない。

恐ろしく素直になれない照れ屋さんとみた。

しかもタダで奢ってくれる程のお人好し。


ん?んまいなこの果実酒。

コレがビーロかな?まるで葡萄酒だ。

ナナもこくこく飲んで笑顔だ。

アルコール度数は低そうだし、飲みすぎなければ酔うも問題なさそうだ。


「貴方がカリーナさんですか?」


「だったらなんなのさ?口説こうってんなら三十年早いよ」


「いや、そんな気はない。オレたちは旅人で、この国には初めて訪れたんだ。だけど街全体、人々の姿に活気が感じられないんだけどどうしてなんだ?」


「そこまでハッキリ断られるとはあたしも落ちぶれたもんだねぇ。昔は男の方から口説き倒してきて毎日とっかえひっかえ思うがままだったのに。年はとりたくないもんだよ」


いや、聞けや。


「はは、その頃に出会ってたら危なかったですね」


ダンッ!


隣でカウンターにジョッキの底が叩きつけられる音がした。


「なぁに、チハヤ?あなた、ちょっと顔が良いからってやっぱり女ならとっかえひっかえなわけ?」


ん?ナナさん??


「ひっく!どうせそうよね〜、あたしなんてたまたま道で拾った都合のいい女ですもんね〜」


酒に弱いタイプでしたか。。。


「ひく、ひっく。どうせ、、、ど、どうせあたしは

、ひく。良いようにあしらわれて、ひっく。好き勝手に身体も弄ばれてボロ雑巾のように捨てられるのね〜〜〜〜!!?」


泣き上戸か。。。どうしよ。


「ふんだ。あたしもナイスボデーの良い女になって、ひっく。世界中の男をひれ伏させてあげるんだから、ひっく」


それ半分魔王だから、やめなさい。


「で、でもね。あたし、あたしチハヤがイヤがるっていうんなら、ひく。チハヤ以外の男はひれ伏させないでひっく、あげてもいいのよ??ひっく」


オレは服従決定か。


「ふぇぇぇぇ、だ、だから、あたしのこと見捨てないで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜泣泣泣」


「あぁもう、わかったわかったから。ナナのこと捨てるなんてしないし、心配するなって!それに、ナナは今でも十分ナイスなボデーしてるんだからもっと自信持っていいよ。。。その、魅力的だからさ。おっと、オレも酒が回ったかな。これじゃまるでナナを口説いてるみた………」


スーzzzスーzzz むにゃむにゃ


「寝てんのかい!?」


まぁ、聞かれなくて良かったかも。

こっ恥ずかしい。


「この国がこうなった原因はね、鉱山に魔物が現れるようになったからなのさ」


「カリーナさん!一部始終見てから今頃ちゃんと話し始めた!?」


「カリーナ姉さんと呼びな!!いいかい!?″姉さん″を強調するのを忘れるんじゃないよ!はっ倒すよ!!!!」


「会話が自己中すぎる。。。わかったよ、カリーナ″姉さん″。ところで、なんで急に魔物が??」


「ミスリルが発見されたのさ」


「ミスリル?青白い鉱石の、あのミスリル?」


「若いのによく知ってるねぇ?」


「オレは35だ」


「そうかい。ならあと10年したら口説きにおいで」


「わかったわかった。ミスリルから魔物が発生するのか?」


「んなわけないじゃないか。ミスリルが出てきた鉱脈を掘ってたら大きな空洞に当たったらしくてねぇ。その中からミスリルアントがワサワサ出てきたんだよ。恐らく、岩や土を好んで食べるウォールアントがミスリルを食べて進化したんだろうねぇ」


「そうか、、、なら今は鉱山は停止状態ってわけなんだ?」


「そうだよ。幸い、鉱夫達は全員命からがら逃げたらしく被害はケガ人が出たくらいで済んだけど、今じゃ鉱山の入り口に近づくだけでアントが出てくるからねぇ」


「鉱山からミスリルアントが出てきて、街を襲ったりはしないのか?」


「あんた旅人だろう?なんにも知らないんだねぇ、アントは縄張り意識が強い種族で、たまに巣の外へは顔を出すけど離れて出てきたりはしないのさ。それでも、農業以外でも鉱山業が盛んになると思って国中が期待してたもんだからこの有様さ。」


「そうか。。。」


「加えてマスケを取り囲む周りの国が、どうにかミスリルを手に入れれないか狙ってるっていう噂も流行っていてねぇ。戦争が起こるんじゃないかって国民は不安を抱えているわけだよ」


「周りの国?」


「あんた、ホントになんにも知らないねぇ?外交の事なら王様にでもあって直接聞いてごらんよ」


「え?王様に会えるの?オレはただの旅人だけどいいのかな?」


「この国の王様はそんな小さな器じゃないよ。街に人間と獣人が共存して暮らせるようになったのも今の王様のおかげだからね。ま、あたしからしたら平和主義者すぎていざという時に国を守る力がないから不安だけどねぇ」


とりあえず、酒場の前の道を真っ直ぐ行くと城があるので行けば会えるとのことだった。


「ところで、そっちの嬢ちゃんはまだ起きないね?二階の部屋が空いてるから、好きに使いな」


「あ、ありがとうカリーナ姉さん。でも、先に言っとくけどオレたちお金持ってないぞ」


「うっさいねぇ、はっ倒すよ!?ヨチヨチ歩きの旅人が、偉そうに言うんじゃないよ!!」


とっとと上がれ!と怒鳴られ、オレはナナをおぶり二階の空き部屋に入った。


やっぱり、姉さんは良い人だ。


ベッドにナナを寝かせ、オレも酒が入ってたからか、久々のベッドの感触が恋しくなったのか、少し寝ようと思った。


が、ダブルサイズのベッドひとつしかない!?


・・・これは、しかたないよな。

うん、しかたない。


オレはナナの横たわる位置から最大限離れたベッドの端に、そ〜っと横になった。



あぁ、気持ちいい……zzz

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