Lv131 呼応
「ほう、、、こんな者が存在するとはな」
アーサーが結界の中の竜を見て呟く。
「こんな者が外に出るものなら、一日で世界は滅ぶぞ」
地獄の獣の様な雄叫びをあげ、完全な竜と化したチハヤは暴れていた。
「もはや理性もないか、、、哀れな。。。」
アーサーが哀れみの目でチハヤだったものを見る。
そのとき、足元に倒れていた両腕を失くした瀕死の花嫁たちが血溜まりに埋もれ口々に声をあげた。
「チー、、、やん。。。なにしとんねん、おどれ!しゃんと、、、せいや!」
カナデが声を振り絞る。
「チー様、、、なにを、、しているのです!この、、、わたくしの夫ともあろう者が、恥を知りなさい!!」
ライアが声を荒らげる。
「、、、、、泣かすぞこら」
メルがボソリと呟く。
「チー殿、、、さっさと立たぬか!このダメ亭主が!!私を、守るのだろう!?」
セリーヌが叫ぶ。
「だ、、、だしっ!今のチハやんには、、、抱かれたくないし!!」
ヴェルダが喚く。
「ダァ、、リン、、、いつまで、ギャーギャー喚いてるんだい!しっかりしないか!はっ、、、倒すよ!!!」
カリーナが恫喝する。
他の花嫁の声に呼応するように、
もはや意識の無いはずのナナの口が動く。
「チハヤ。。。。。だぁい好き。。。」
パクパクと、声にならない声を出した。
『ふむ。妾も行かねばな。。。』
花嫁たちの左手にはまっている指輪から七色の光が放たれ、結界の中の竜へと飛んでいった。
アーサーにはその光は見えていなかった。
「?わからん。。。こいつらは一体何を言って、、、、、!?」
そんな花嫁たちに気を取られたアーサーが竜の咆哮が無くなったことに気付きそちらを見る。
「!?こ、これは!」
結界の中で暴れに暴れていた竜が動きを止めて震えている。
「いったい、、、、、っ!?」
竜の震えがピタリと止まり、全身にヒビが入り始めた。
「こ、、これはなにか、、、まずい予感が!?」
アーサーが慌てて結界に神気を注ぎ込み強固しようと身構える。
そして、
パリィィン、、、、、
「な、、、なにっ!?」
結界は、破られた。




