表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白の竜騎士物語  作者: 涙涙涙
13/136

Lv13 生還


チハヤの出現したこの世界は4割の三大大陸と、6割の海で構成されている。その中で1番小さな大陸であるユーラリア大陸にチハヤは現れた。小さいとはいえ、オーストラリア大陸くらいの面積はある。


ユーラリア大陸の中で最も小さな田舎小国マスケ。小されど城は立ち城下町は並び、多くの民が農夫として生計を立てている穏やかな国だった。

この、マスケより200kmほど離れた場所にある人の滅多に現れない森の中。


静かな森の土がボコボコと盛り上がった。


ボゴン!


「ふぅー。何とか逃げのびれたみたいじゃの」


岩の竜が地面から現れ、ぺっと黒い塊を口から吐き出した。


「ぶへっ!ぷへ、ぺっぺっ!!」


チハヤは竜の口内から出され、咳き込んでいる。


「やれやれ、唾液まみれでベトベトだ……助けてもらっておいてなんだが、風呂に入りたい………」


「ふはは!命があるだけ良しとするのだ!」


「そら、そうだけども。。。って!お前、その姿!?」


岩の鱗で覆われたガイアの首筋から背中、腰にかけてまで爆発の余波に巻き込まれたのか、外殻が溶けボロボロになり肉が見えている。血も大量に出ていた。


「流石に、魔導の神の魔力爆発には無傷とはいかんかったな。なぁに、しばらく大人しくしていたら傷も癒える。竜の生命力は、お前も実感しているだろう?」


たしかに。

腹に空いた大きな傷は内面は完治していないが表面的には塞がっている。


「これで、奴にも貸しを作ることができたのだ。損はない、というところだな」


カカっと大地竜は笑った。


「ガイア、お前はバランとは友達だったのか?」


キッと人睨みされた。


「友だと!?馬鹿も休み休み言え!!あやつとは顔を会わせるたびに戦った者よ。自由に飛ぶことができない儂としては、奴が空からの攻撃をしてくる以外は地の利があったしのぅ。奴も迂闊に地面に降りてこず空からブレスを吐き散らしおって、おかげで我が母なる大地は荒らされるばかりであった!腹の立つ!!」


なるほど、喧嘩仲間、といったところのようだ。

明確な悪意は感じられないしな。


「それにしても、今回は助けてくれてありがとう。改めて感謝する。これで、バランの仇も打つ機会ができる」


「仇?まるで奴が死んだ様な言い草じゃの?」


「え??だってあいつ、バラバラにされて神器まで刺さったままだから。。。神を倒せば神器の力が手に入るとは言っていたが」


「ふははは!あやつが体がバラバラにされたところで滅ぶわけがない!その証拠にほれ、お前の体から奴の魂をしっかり感じるぞ」


チハヤは自分の胸元を見る、が実感はわかない。確かに竜の力が宿ったのはわかるが、魂とかバランの意思というのは感じられなかった。


「儂にはわかる。お前にも、全ての神器を手に入れ、奴の封印を全て解き放ったら分かることじゃろう。」


そうか。と返すと、竜はモゾモゾと土の中に潜り始めた。


「行くのか?くどい様だが、本当にありがとう。助かったよ」


「ふふふ、また近い内に会うこともあるやもしれんしな。いつか恩でも返してもらうかのう。大地に眠り傷を癒すとしよう」


さらばだ、と言い残してガイア地面に潜っていった。


というか、ここ、どこだ?


周りは、見渡す限りの木々。

森だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ