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第六話

玄関からでる前に一言

「行って来ます」

後3分ぐらいかな・・着替えに手間取ってしまった。


玄関から家の敷地内からでてすぐ透君の家に向かおうとしたところ。

「翠さんおはよう」

透君の声が聞こえ振り返り、

「透君おは・・・」

振り返ると透君と2名の男女が目に入り、自分に視線が集中する。

「あ・・・あ・・・」

集中した視線により3年前のあの出来事がフラッシュバックする。

『・・・男・・・・化・・・』

『気・・・・悪・・・・・・』


あの出来事の場所にいたような錯覚が僕を襲う

息が苦しい、心臓が早鐘を打っているのがわかる。

視界が真っ白と普通の景色を点滅させるように見える。

視界がぐらぐらと傾き地面にしゃがみ込み、片手を付き俯いてしまった。

点滅を繰り返す状態で何とか耐えていると、僕の前に差し出された手が見えた。

再びフラッシュバックにつながり、思わず手をはたくと、そのまま僕の意識はブラックアウトしてしまった。


・・・目を覚ますといつもの起床時の天井が見えた。

ああ・・僕気を失ったんだっけ・・・。

おぼろげな記憶をたどり思い出していく。

「気が付いた?」

心配そうに見つめる母さんが目に入った。

「う・・ん」

体を起こそうとするが力が入らない。

「まだ調子でないみたいね~」

僕が気が付いたことで気を緩めたのか母さんの顔は穏やかな微笑みに変わっていた。


「大丈夫・・だと思ったのにね・・・皆に悪いことしちゃったなぁ・・」

皆に会ったばかりで気絶するなんて笑えない冗談でしかないもんね。

「ごめんね」

母さんが寂しそうに微笑む。

「それはもう言わない約束、僕が母さんを憎むとかないよ」

このトラウマみたいなものの原因は母さんがちゃんとした性別に産まなかったからだと責任を感じているからだ。

いつかは治せるだろうと思っていてもこの有様では遠い話かも。


「よいしょっと」

母さんと話してるうちに少し力が入るようになってきたので体を起こしてみる。

自分の服を見下ろしてみるとブラウスにうっすらと砂が付いていた。

パーカーは脱がしてくれたみたい。

「もう起き上がれる?」

「なんとか・・、でも上手く力がはいらないからもう少し寝ていたいかな」

母さんに着替えを手伝ってもらい、寝る時着ていたワンピースを着せてもらう。

「自分で着替えれないのがちょっともどかしいね」

とはいっても外行きの服のまま安眠はできないもんね。

後コンタクトとウィッグもはずしてっと。

気を失ったとき外れてなくてよかった。

「起きたら透君達に謝らないとね」

「ゆっくりおやすみなさいね翠ちゃん」

「おやすみなさい」

目を閉じるとすぐに意識は遠ざかって行った。


夢なのかな・・・中学校の教室でアヒル座りで僕が放心している姿が見えた。

制服がところどころはだけたあられもない格好だった。

記憶にある教室、記憶にない状態の僕。

だれもいない教室にポツンと一人。

どうして僕はあの状態になったのだろう?

ここで夢は終わりを告げた


「ん・・・」

目が覚めると夢の内容は霧散してしまった。

「どんな夢だったかな・・・」

思い出そうとしても思い出せなかった。

「んー・・・覚えてないのは仕方ないね」

と一人言を言いながら部屋を見回す。

時計を見ると午後二時を回っていた。


少しのどが乾いた・・・冷蔵庫に何かあったかな・・・。

半分覚醒しただけの状態でゆっくり立ち上がる。

目をこしこししながら台所へ

台所のドアを開けると・・・・。

両親と透君と2組の男女の視線が僕に一斉に集中する。


「あ・・あ・・」

夜中にのどを潤すために台所のドアを開けたため、寝巻き姿を見られたことが恐怖心<羞恥心になったのかな

ドアをすぐに閉める事ができて、集中する視線から逃げることはできたけど。

力なくその場にへたり込んじゃった・・・。


「うう~・・」

恥ずかしい・・・透君たちがなんて聞いてないよぉ・・・・。

早く部屋に戻らないと・・。

力が入らない・・・衝撃が大きすぎて腰が抜ちゃった・・・・

アヒル座りになったまま腕を動かすが腰に力が入らないため動けない。

「ううう~」

情けない声となって漏れる。

助けを呼ぶにも透君達がいるから声も出せないしどうしよう・・・。


どうしようどうしようと迷っていると。

ガチャリとドアが開く音が聞こえ、僕は竦み上がった。

「あらあら~翠ちゃんどうしたの~?」

出てきたのは母さんだったので少しホッとした。

「のどが渇いたから台所で何か飲もうと開けたら・・」

「びっくりして閉めちゃったのね~?」

僕は力なく頷く。

「でなんでここに座ってるの~?」

「う~・・・驚きすぎて腰が抜けちゃった」

「仕方ないわね~」


困ったような微笑を浮かべながら僕を抱き起こしてくれた。

そのまま支えてもらいながら部屋の中へ入り、ベッドに座らせてもらう。

「これでいいかしら~?」

「うん、ありがとう母さん」

僕は腰掛けるとウィッグとコンタクトを付け直し、パーカーを羽織った。

「それは続けるの?透君たちにはそのまま話してもいいんじゃないかな~?」

「わかんない、まだ透君しか話したことないから」

母さんの提案に玉虫色の回答をする。

「透君たちと何か話したの?」

母さんたち一緒に居たみたいだし、どんなこと話してたのかな。

「ご近所周辺のことかな~、とりあえず翠ちゃんに関することは本人に聞きなさいと透君たちには明人さんが伝えてるわ」

明人は僕の父さんの名前です。

僕自身がいわなきゃいけないよね。

「母さん透君達を僕の部屋へ呼んでもらっていいかな?」

母さんは頷き部屋の外へでようとする

「その前にお水お願い」

のどが渇いてたのを思い出し呼ぶ前に水を持ってきてもらった。


コンコン

「どうぞ」

僕が回答すると

透君を皮切りに、

背の高いスポーツ狩りの男性

眼鏡にダックテールの男性

僕と同じぐらいのポニーテールの女性

身長の低い短いツインテールの女性

が入ってきた。


「長い時間待たしてごめんね、それとあまり見つめないでくれると助かります」

ベッドに腰掛けた状態で僕はお願いする。

正直ちょっときついけど、なんとかなりそう。

「昨日よりきつそうだな、近所の案内は今度として、今日は顔合わせだけにしておくか?」

透君が昨日の事を思い出してか気遣ってくれる。

僕はゆっくり首を振り

「慣れるまで時間が掛かるから僕の事もよく知ってほしいかな」


時計を見ると3時を回っていた。

「とりあえず俺以外自己紹介しようか」

透君は皆知ってるから自己紹介はいらないしね。

「僕が『ヒロ』です、(ひいらぎ) 広樹(ひろき)よろしく」

「俺が『セージ』だ、(えのき)誠治(せいじ)よろしくな」

「私が『レイ』よ、椿(つばき)理恵(りえ)よろしくね」

「私が『ミラ』です、来栖(くるす未来(みらい)よろしくでしゅ」

背の高い男性が『ヒロ』、眼鏡の男性が『セージ』、ポニーテールの女性が『レイ』、噛んだ女性が『ミラ』とそれぞれ自己紹介する。

「僕が『akira』です、岬翠よろしくね」

お互いに簡単な自己紹介を終える。


「『akira』は女性だったのね・・・楠木君は中の人は男性だといってたから」

「そーですよー格好いい人じゃないかって期待したんですからね」

「偽る必要はないと思うが?」

「何か事情があったんじゃないかな?」

4人が口々に質問を並べ立てる。

「色々あってね・・・」


僕はそう返すのが精一杯だった。

「そういえば、岬さんは今日調子悪かったのかな?迎えに行こうとしてた私たちの前で急に蹲って倒れちゃったんだけど・・・」

来栖さんが心配そうに言う。

目の前で急に倒れちゃったら心配もするよね。

僕は首を振って否定する

「体調は問題なかったんだけど・・・昔の出来事が尾をひいてる感じかな」

「昔の出来事とは?」

榎君が問い返す。

「無理に話すことはないぞ?」

僕の表情がよいものじゃなかったのを読み取ったのか透君が僕を気遣う。


「それって私たちのギルドに入る前の事?」

椿さんの問いに僕は頷く。

「できればみんなに聞いて欲しいかな・・・皆にとって楽しい話じゃないと思うけど」

「今日は『akira』さんもとい岬さんの事を知りたくて来たのだからみんな問題ないよね?」

椿さんが言うと皆頷いた。

そして僕はこのギルドに入るまでに起こった」出来事を話し始めた。

次は過去のお話となります

日曜までにはなんとかしたいかな・・・

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