そうだんしよう
最近メリーさんと花子さんは静かにゲームをするようになった。
2人に与えた幻〇水〇伝のおかげかもしれない。
情報を交換し合ったり、協力して仲間を集めている。
僕は睡眠時間を確保できるようになった。
未だに二人は徹夜でゲームを続けている。
電気代はやっぱり高かった。
バイト変えようかな。
ある日の僕の日記より
「眠れるようになった?」
教室に入った僕に声がかかる。小倉亨だ。彼はいつも何かしらの本を読んでいる文学青年で、僕が唯一メリーさんと花子さんのことを相談した相手でもある。彼は僕が冗談を言ってると取るわけでもなく真剣に考えてくれた。文芸会に所属している彼は、自分のことを常識人と称しているけれど、僕が言うのもなんだが常識人だったらユーレイのことは信じない気がする。
「とりあえず何とか・・・ね。」
「やっぱり対戦ものじゃないのが良かったんだな。」
「多分。そういや、今日は何読んでんの?」
「ユーレイでさ、そういえば昔ユーレイが出てくる児童書あったなって思って探してみたんだ。やっぱりアパートの物語なんだけど、読む?」
「ん~、うん。貸してほしいかも。」
「了解。とりあえず今日はこれ貸すから、気に入ったら言って。シリーズ全部持ってくるから。」
「シリーズだったか。オッケー。」
「前から思ってたんだけどユーレイてさ、俺に見えると思う?」
「そっか、そういや試したことなかったね。どうする、今日僕の家来る?」
「行く。絶対行く。」
「あれ?でも今日はなんか文芸会の何かがあるんじゃ」
「文芸会?俺、あんな部知らないから。」
「また何かあったの?」
「まあね。てわけで泊っていい?」
「酒用意しておくよ。」
「ついでにガリガリ君もな。」
「チョコレート味。」
「コーラにはまってなかったっけ?」
「僕が食べてたら二人がはまったんだよ。」
「高いアイスじゃなくてよかったな。」
「それ、僕も思った。っと教授来ちゃったな。」
「全部終わったらメールする。」
「りょーかい。」
授業がひとたび始まるとお互い静かになる。
ノートのはじっこに、買うものリストを記入した。