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綴る  作者: 癒桜恵
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灰色の透明

今回のお話は「全てが壊れた世界にたった1人生き残った【彼】」の話です。

ただ、誰もいなくて。ただ、澄んでいる。

そんな世界に彼は一人、取り残されていた。

どこに行っても誰もいなくて、透明で美しい世界は彼を嘲笑っていた。


僕の肺に入る冷たい空気が痛くて、頬を撫でる風が尖ってて。美しいのに棘があるように感じるのは壊れる前の世界みたいで。


どこに行っても、もう何もないけど、散らばったガラス片が曇り空を映すけど。

僕はただ、立ち止まり、ただ思い出に浸る。


そんな毎日を繰り返していたらいつの間にか僕は。





‐世界の一部になったんだ‐





美しいものには毒がある。と誰かが言っていた。

僕はこの美しい世界の毒に、棘になる。

僕という存在が世界に溶け、毒となり、この世界を傷つけるのなら、僕が生き残った意味があるのかもしれない。

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