表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
龍神の国  作者: チャロ吉
5/21

1の4 自我の入った魂が一杯来た

私の担当の星に、とうとう自我の種が入った小さな魂達が送り込まれてきた。

大きさは、まちまち、色もまちまちだけど全部浄化されている。総て記憶はクリアされて、まっさらな状態だ。これからこの星を賑やかにして行ってくれるだろう。

とても大変な仕事だったけど、12人の弟子達もよくやってくれたと思う。他の星と、何となく違う変化もあったけど許容範囲だ。皆をそれぞれ、元いた場所に返せば、暫く私はこの星の中でゆっくり休むことにする。起きたときには、素晴らしい星になっていることだろう。

本当は起きて見て居たいけれど、私はまだまだ未熟だ。下手に手を出して仕舞うかも知れない。

この星を見守って、じっと観察するだけが私に許された、範囲なのだから。

第八七の神様は、其れで心を壊されたのだ。あの神は、心配性で何時も見て居たらしい。手を出したくても手を出せず、その葛藤で苦しんで自閉気味になられてしまったのだ。

先人の轍を踏まず、賢明に対応していこう。

        ☆

僕の島には何故魂の種が来ないのだろう。

待てど暮らせど、一向に来る気配がない。他の陸地にはもう沢山の生き物たちが自我を持って、独自の発展をして行っているのに、僕の島だけが、初めの状態を繰り返している。

あの、龍も其の儘そこで眠っている。

他の神様の弟子の気配は何処にも無くなっていた。

若しかして、僕は忘れられていたのだろうか?

僕は気配が薄いと、よく言われていたが、真逆神様にも忘れられていたのか。悲しい。

そして、僕の大事なこの島はどうなってしまうのか。

せめて、あの龍に魂をあげたい。

こうなったら僕の魂をあげよう。其れしか方法はないようだ。

僕はこれから、神様の弟子の龍としてこの島を見守っていこう。

もっと魂を他から集めてこなければ。

黄泉の国まで行って、引っ張ってこようか。未だ、浄化されていない魂達が一杯いるはずだ。

万が一、皆に迷惑が掛からないように、ルールを敷き直さなければならない。

どのようにしようか。

そうだ彼等を、ここから出さなければ迷惑は掛からないはずだ。

此処に結界を張ろう。

大きく海から切り取って、丸い僕だけの世界を作ろう。龍の姿になって仕舞えば、神様も僕を分らなくなってしまうけど、僕の気配は薄いので、端から覚えて貰っていないかも知れない。悲しい。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ