1の1 神様は万能か否か
神様にも序列がある。
一概に神様と言っても、同じ事が出来るわけではない。
力のある神様は、実際いる。そう言う神様は、滅多に地上に干渉しないのだ。
細々したことは、我々のような下っ端がやることになる。
神の世界も、宮仕えは大変なのだ。私も下っ端の神様だ。しかし、今度新しい世界の創造に加わられる事になった。
世界を作る事は、神々の一番の楽しみだ。
新しい事が始まる期待感が半端ない。
「第八百六十五の神よ。」
「はい。第八十七の神様」
「此度は、其方にすべてを一任して、任せようと思うのだが、どうじゃ。やってみんかね。」
「はい。大役を仰せつかり身が引き締まる思いです。非力ながら粉骨砕身、誠心誠意心血を注ぎ必ずや新しい世界を作り上げて参ります。」
と言う事で、私は新しい世界を一人ですべて作らなければならなくなってしまったのだ。
第八十七の神様は実は自閉気味だ。以前の仕事で疲れがたまっていらして、心を病んで仕舞われた。
ぶっちゃけたはなし、ばっくれたのだ。私に丸投げして。
どうすんのよこれ。私一柱で出来るのだろうか。
もし失敗したら、まあ、また作り直すことになるから、いいのか。
難しいところは、偉い大神様がもう作っているので、言って見ればその雑用、後始末の仕事なのだ。
皆でやれば早く終われるかも知れない。
誰かお手伝いしてくれる、お人好しいないかなあ。
☆
結構集まった。
皆綺麗な色の魂達。12個の丸い魂。
過去、人間界で、徳を積んできたベテラン揃いだ。何回も転生を繰り返し、その度に大きくなっていく魂は、とても綺麗だ。
それぞれの人生において様々な経験が色に現れている。これからの世界創造に手を貸してくれる私の弟子
達。
この世界は、大神様によってきちんと星の形が出来ていた。海も山も川も小さな微生物も用意出来ている。ここまで来れば、後はこれを成長させれば良いだけだ。
良かった。初めは大変な事になると危惧したが、私一人の監督でも、問題ないかも。
この星は大神様達のご意向で、互いに争わないようにと陸地が5つに分かれて、それぞれが離れた位置に置かれている。12個の魂達を振り分けて配置すれば、私の仕事は当分なくなる。後はこれらの魂達が思い思いに作っていくだろう。
一番大きな陸地には、3個、二番目も3個、小さめの陸地にそれぞれ2個ずつ配置して終わった。
皆頑張ってね。
あれ?この魂は残ったの?変ね、ひい、ふう、みい、・・ちゃんと数は合っている。
若しかして13個の魂があったのかしら。
この残った魂はやや小さめだったから、目立たなかったのね。
では貴方には、離れた処にある小島に行って貰いましょう。はい、行ってらっしゃい。自由に貴方の好きなように、楽しんで創造をしていらっしゃい。頑張って、小さな神様。