初期能力の発現
司はどうやって縄を解こうかと試行錯誤していたが……。
(どうしたらいいんだよおぉぉおおー。早くしないと美咲が龍神に食べられる……クソッオォォオオオー…………)
そう思考を巡らせながら司は必死で縄を解こうと暴れた。
(こんな時に炎系の能力とかあれば縄を燃やせるのにな)
無意識に司はそう考え手に力を入れる。すると手が発光した。その後、魔法陣が展開される。それと同時に炎が具現化され縄を焼き尽くした。
「どうなっているんだ! もしかして、これって魔法なのか?」
不思議に思い自分の両手をみる。
魔法と思っているが、これは異能力であり炎の具現化系スキルだ。
「まあいいか。それよりも急いで美咲を助けに行かないと」
そう言い司は扉へと向かった。
扉の前までくると立ちどまり、ここからどうやって出るか思考を巡らせる。
(この魔法を使えば多分……通路側に居る見張りの兵士を倒せるかもしれない。でも、そう簡単に使えるのか?)
そう思い手を目の前に翳し炎をイメージした。すると翳した手が発光する。それと同時に魔法陣が展開された。その後、魔法陣から炎が現れる。
(できた。でも小さい……そもそも何度も使えるのか?)
そう考え司は、とりあえず具現化した炎を使ってみることにした。
そして、もう一つ炎を具現化すると扉を思いっきり蹴る。意外に脆かったらしく簡単に扉が外れ破壊された。
一瞬だけ司は驚き呆然とする。しかし、それに気づいた兵士が目の前に現れて司は我に返った。
それと同時に二人の兵士は捕まえようと司に飛びかかる。
それに反応し司は両手に具現化している炎を二人の兵士へ目掛け放った。
その炎は時間差で二人の兵士へ命中する。
流石は野球をやっていただけあり狙いが的確だ。
「アツイィィ~!?」
「うわあぁ~消えねぇー……」
二人の兵士は床に倒れて、アッチコッチに転がり火を消そうとしている。
それをみた司は近くにあった鎖で二人の兵士を縛り拘束した。
「この炎……どうやって消すんだ? とりあえず消してみるか」
そう言い司は兵士二人の服に燃え移っている炎を手で触ってみる。すると熱くないため手で消した。
「魔法って、こんなに簡単なのか?」
だから、それは魔法じゃありませんよ。
司は部屋に二人の兵士を運んだ。
「さて、これでいいか。って……急がないと」
司は慌てて部屋をでる。通路へ出ると外へ向かい駆け出した。
(美咲……無事でいてくれ)
そう思いながら通路を走っていたが途中で兵士に行く手を阻まれる。司は炎を操り兵士たちを倒していく。
倒しても、キリがないくらいに現れる兵士。そんな兵士たちを倒しながら、なんとか外に出ることができた。
外に出た司は空を見上げると黒い雲が立ち込めている。
(まさか……)
嫌な予感がし司は山の方へ視線を向けた。それと同時に顔が青ざめる。
「竜が来ている!? 遅かったのか? いや、まだ分からない。ここで諦めたら美咲を護りきれる訳がないだろうがよ!!」
そう言い放つと司は、なんとか間に合ってくれと祈りながら山へと向かい駆けだした。
読んで頂きありがとうございます(^▽^)/
『司の能力が炎なら私はなんだろう?』…by美咲
『水だったりしてな』…by司
『水かぁ……それなら司に勝てるね』…by美咲
『……それは困る』…by司
『なんで困るの? 私は嬉しいけど』…by美咲
『それだと美咲を護れないだろ』…by司
『あーそういう事か。でもいいかなぁ……宏輝ならいいけど』…by美咲
『(´-∀-`;)まだ諦めてないのかよ……』…by司
『(*^^*)当然よ。まだ告白もしてないんだもんね』…by美咲
と、いう事で……(^_^)/
では、次話もよろしくお願いします(#^.^#)




