プロローグ★異世界への旅立ち
美咲は過去のことを思い出しながら書いていたが……。
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リメイク版という名の新作です。
「さてと……だいぶ物語が書けたなぁ。だけど本当に、ここまでくるのに色々あったよね」
そう言い女性はその時のことを思い返していた。
この女性は龍凪美咲、二十歳だ。この世界では聖女と云う存在にされている。ほぼ自分では思っていないのだが。
美咲は現在、過去を思い出しながら物語を書いている。
「でも、あの司と私が今では……こんな関係になってるなんてねぇ。運命って不思議だよなぁ……」
そう思いながら籠の中のルイと云う白い小鳥をみた。
この白い小鳥は訳があって神の力で未来から来た者である。
そう本編の主人公である明乃泪だ。紹介は、そのぐらいにしておこう。
「ねぇ、ルイ……そう思わない? 本当はね……凄く好きな人がいた。でも、その人もこの世界に来てたんだ。だけどね……」
そう言い美咲は、その時のことを思い出してしまい泣き出した。
しばらくして落ち着くと再び過去のことを思い出しながら書き始める。
――……そして約三年前に遡り……――
ここは、とある町の道沿い。空は日が沈みかけている。
この道沿いの電柱付近には一人の女子高生がいた。そう龍凪美咲である。この時は十七歳だ。
美咲は学校の帰り好きな人に告白するため、ここで待ち伏せをしていた。
(今日こそは……告白する。でも今日で三日だよ。なんで宏輝は、ここを通らないんだろう?)
そう美咲は今日を含め三日間も、ここで舞黒宏輝を待っていたのである。
だが、ここを通らないと帰ることができないにも拘らず姿をみせない。
(何かあったのかな? 心配だけど……連絡とるほど仲良くないしなぁ)
そう思い美咲は周囲を見回した。
「んー……今日もこないね。遅くなるし帰ろう。それに明日もあるし……」
そう言い美咲は諦め歩きだす。
「美咲! 今、帰りか?」
男性がそう言いながら美咲に近づいてくる。
この男性は久遠司、十七歳で美咲の幼馴染だ。
その声を聞き美咲は溜息をつくと司の方を向いた。
「司も今、帰りなの?」
「ああ、部活でな」
「まだ野球やってるの?」
そう聞かれ司は、コクッと頷いたあと爽やかに笑う。
「勿論だ。絶対にプロになるんだからな」
「ハァー、無理だと思うよ」
「そんなの分からないだろ。それはそうと美咲は、ここで何やってたんだ?」
そう問われ美咲は、どう言ったらいいか戸惑った。
「……もしかして宏輝を待ってたのか?」
「あーうん……そうだね。でも逢えなかった」
「その様子じゃ……まだ告白してないな。じゃあ……まだ俺にも権利はある訳だ」
そう言われ美咲は困った表情になる。
「司……何度もいうけど。私は司のことを恋愛対象としてみれない」
「そうか……でも俺は諦めない。それに美咲が宏輝にフラれて行くとこなくなったら困るだろう」
「なによ……そのフラれる限定の言い方。だけど……それでも司のことを好きになれるかは分からないよ」
それを聞いた司の顔は、なぜか笑顔だ。
「それでもいい……俺は美咲が好きだからな」
美咲はそう言われ恥ずかしくなり顔を赤くした。
「司に何を言っても無理か……単純馬鹿だし」
「おい、それは酷いんじゃないのか。まあ……否定はできないけどな」
そう言い司は苦笑する。
そうこう話しながら二人は歩いていた。すると空が急に暗くなってくる。
「あれ? 今日って雨降るって言ってなかったよね」
「そうだな……どうなってるんだ?」
そう言い二人は立ちどまり空を見上げた。
すると雷鳴が聞こえてくる。
「これは早く帰った方がよさそうだな」
それを聞き美咲は、コクリと頷いた。
二人は走りだそうとする。その時、強風が吹き始めた。それと同時に竜巻が現れて美咲と司を呑み込んだ。
「キャー……」
「うわぁー……」
その叫び声が辺りに響きわたる。そして二人は、その竜巻に攫われ姿を消したのだった。
読んで頂きありがとうございます(^▽^)/
『私たちの新作が始まったね』…by美咲
『ああ、だがリメイク前のキャラ名と全く違うよな?』…by司
『そうみたいだね。でも、内容だけ同じで全く違うものらしいよ』…by美咲
『なるほど……じゃあ途中まではお手本の通りに書くつもりか』…by司
『反論できず( ̄▽ ̄;)……_(┐「ε:)_……』…by作者
『『(ーー;)……』』…by美咲、司
と、いう事で心機一転し新たな物語として書きます。
まあ色々あって、あっちの連載の方は止まってたんだけどね。
だけど今回の事で改めて書き直す決心がつきました。
なるべ完結まで書こうと思います。
では、次話もよろしくお願いしますm(_ _)m