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Lemurial Historia《レムリアル・ヒストリア》――時渡りの英雄と古の神獣  作者: 秀田ごんぞう
序章 ―― まどろみのなかで ~ drowse to dream ~――
1/40

プロローグ ―― 朧にたゆたう ――


 ……。


 ……ねぇ……聞こえてる?


 もし聞こえていたら、返事はしなくていい。少しだけ私の話に付き合ってほしい。


 これが最後になるかもしれないんだ。あの光を通り過ぎたら、私はもう二度と君に会えない……かもしれないんだ。

 偶然とはいえ、君を巻き込んでしまったことについては、本当にすまないと思っている。

 それだけでなく、君は私の提案を(こころよ)く引き受けてくれた。本当に感謝している。


 だが、君はそれでいいのか?


 君にだって何か望みがあったはずだ。それらを全て捨て去ることになる。私には君があまりに不憫(ふびん)に思えてならない。私で叶えられるものなら、後生(ごしょう)だ。君の望みを叶えるだけ叶えてやりたいと思う。だから望みがあれば言いなさい。


 ……なんだと?

 特にない? 君はそれでよくとも私の気が……本当なのか?


 …………はぁ。わかったよ。君がそう言うなら無理強(むりじ)いはしないさ。


 向こうで私が君にしてやれることは限られている。

 心苦しいが、君に頑張ってもらうほかない。


 ふっ……何も心配していないさ。

 遥か悠久の昔から変わらない私の心を変化させた君になら、きっと成し遂げられる。

 そう信じている。


 ……そろそろ時間らしい。


 見えるかい、あの光の渦が。

 あの渦の先で、これから君は素晴らしい冒険譚(ぼうけんたん)を紡ぐことになるんだろうな。


 期待しているよ。さぁ、行きたまえ!

 新しい世界への扉はもうすぐそこにある。

 必ず成し遂げてくるんだ。




 ……ふぅ、行ってしまったか。


 私を助けてくれた君なら、きっとお兄ちゃんを助けてくれるはず。


 きっと……。

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