第006話 家族会議(1)
仕事を終え、家に帰ると… 彩香はまだ家に居たのだ。
『 アパートには帰らなかったの?』
『 うん。』と彼女はエプロン姿で言った。
テーブルの上を見ると…
彩香が作った手料理が5.6品載せられていた。
良く見ると… シーザーサラダにチキン南蛮。
炊き立ての白いご飯にあさりの味噌汁。
あとは軽くトマトのモッツァレラチーズ。
家の冷蔵庫の冷凍食品では無く、
近くのスーパーで買ってきたのをそのまま使用した。
『 どう?おじさん!美味しい? 』
『 美味いね!一人暮らししてるおかげ?』
『 一人暮らししてるのは事実。
でも本当の目的は他なんだ!誰の為かって事!』
私は彩香が今から言う言葉がなんとなくわかった気がした。
『 ねぇ、本気なの?私と結婚したいの?
私… おじさんだよ! 50歳だよ… 』
『 うん。結婚したい… 本気で好きになった。
おじさんを想う気持ちは小学生の時からずっと… 』
『 今日の夕方頃… 親と相談やね!』
『 うん。分かった!』
彩香は笑顔になりながら空き部屋に入ってった。
私は彩香の料理を黙々と食べ続けた。
スーツを脱ぎ、私服姿になり、新聞を読んだ。
『 そういえば… 彩香!今日は握手会無いの?』
私はふと思い出し、大きな声で彼女に聞いた。
彼女は部屋を開け降りて来た。
『 今日は無いよ!昨日だけ。』
『 もう一回聞くけど… 結婚するの私で良いが?』
『 うん。おじさんが良い!』
彼女は私を抱きながら、首を傾け目を見て言った。
そして、私は洗濯物を取り込んだり、家の中を掃除したり時間を費やした。
家族会議の時間がやってきた。
私の家で集まる事になった。
チャイムが鳴り… ドアを開けると
私の一番下の妹 摩耶と彩香の妹 千夏が入ってきた。
『 あ!お姉ちゃんだぁー!』
千夏は彩香に抱きついた。
『 あれ?お兄ちゃん… 』と摩耶が。
『 なんで彩香さんと一緒に居るの?』と聞いてきた。
昨日は握手会で偶然会った事とそのまま彼女(彩香)は泊まっていった事を伝えた。
『 ふーん…… なんか怪しいぃ〜〜
なんか変な事とかしたんじゃないの?
彩香さんはアイドルだし女優でもあるから、手を出したとかじゃ無いの? 』
『 それは流石に無いわ!』
と… 私は摩耶の頭をポンと叩いた。
30分経った後に…
助産師兼女医の千恵美と俳優の将暉の2人。
『 お兄さんご無沙汰してます!』と千恵美が…
『 暫くです。あのCMが放送されてから沢山の仕事が入ってきます。感謝してます!』と将暉は私にそう言い、握手した。
2人とも今人気の著名人で彩香の兄姉である。
俳優→将暉 女医兼助産師→千恵美
私は2人に握手した。
『 あ、それと翔と翼、球児は忙しいとの事で今日は来れないそうです。』と…将暉さんは私に言ってソファーに腰掛けた。
翔は警察庁で長官という役職。妻 男2
翼は日本代表のサッカー選手[GK&FW]妻男1女1
球児は野球選手。投手兼捕手。婚約者。
※ ここには載せませんが…
母の妹は下にもう2人。父は弟1人。
出て来てない名前は、また別の物語にて。
私の 親戚は沢山いる。
今日集まるのは15人ぐらい… それより少ないかな。
夜の6時を過ぎた頃… 家族が続々と家に入ってきた。
お互いの両親が玄関から入ってきた↓
私の父親 [大輝] と母親 [愛]
彩香の父親 [大和] と母親 [美和子]
『 おじさん。おばさん。ご無沙汰しております!』
私は彩香の両親に御挨拶をした。
『 あれ!大きくなって。見違えたね… 』
私の父親と彩香の父親は双子である。
顔は似てないけど、考えてる事はいつも一緒だ。
『 彩香。おじさん[黄金=私]に約束の事は伝えたのか?』
大和さんは大きな声で娘 [彩香]に聞いた。
『 うん。話したよ!それより、聞いて聞いて!
昨日20年振りに握手会でおじさんと会ったよ!』
『 へぇーお前がアイドルの握手会とは意外だな… 』
私の父大輝が私にそう言った。
『 偶々、高校の時の友人と一緒に行って…
偶然… 彩香を見つけたわけ。
誰か知らなかったけどね』と笑って誤魔化した。
『 へぇ、おじさん。アイドルの握手会行ってたの… 』
玄関のチャイムも鳴らさずにそのまま入ってきた。
彼は彩香の唯一の弟 健が言った。
『 今日、俺握手会行ってたんだけど、
お姉ちゃんが居ないか観に行ったんだ。』
『 あら、健!なんでこんな服汚いの… 』と美和子さんが言った。
『 歩いていたら石につまづいた。』
『 服借りても良いですか? 』と聞いたので…
" どうぞ! " 美和子さんに言った。
『 お姉ちゃん、今日握手会だったよね?
なんで来てなかったの?』と健は彩香に聞いた。
『 今日は握手会入ってなかったよ!
予定見てなかったの?』と彩香は健の背に合わせ…
『 見てない。お姉ちゃんのサイン欲しいの?』
と健に聞いたら、微笑み… 鞄から写真集を出した。
『 あら、こんなに買ってくれたんだ。
お姉ちゃん嬉しい。サインしてあげるね!』
美和子は息子が超絶なファンだと初めて知って恥ずかしい顔をした。
健は嬉しそうにそれを受け取り…
【 わぁーーーい。わぁーーーい!】とはしゃいだ。
『 うわぁーまじすげぇ〜!』と将暉さんが呟いた。
『 将暉さん。サインしましょうか?』
『 え?いいんっすか?』と将暉さんは慌てて、何かないか鞄の中を探した。
『 はい。』と彩香は自分の鞄から写真集を取り出し、サインを将暉さんに渡した。
『 ありがとう!記念に家宝にするちゃ!』
『 家族だから良いんですよ!』
そして、1時間が経ち… 夜7時を回った時の事だった。
『 なぁ、今日集まったのってなんか理由とかある?』
私はみんなに聞いた。
すると、親父達が立ち上がった。
『 おう!そうだった… 忘れる所だった!
今日は彩香さんの今後についての事だ。その話! 』
彩香は父[大和]の隣に立ち、大和さんは喋った。
『 彩香の今後についての事なんだけど…
結婚相手を黄金さんにしようと思っている! 』
それを聞いた千恵美や将暉、摩耶、千夏は吃驚!
千恵美『 え?本当ですか?お父さん。』
将暉『 親父!それ本気で考えてるの?』
摩耶『 えー!私は大反対!賛成できない!』
千夏『 私もそれは大反対。賛成出来ないなぁ〜』
『 私も最初は反対だったけど…
彩香が小学生の時の約束を守らせてあげようかなぁって思ったの… 』美和子さんが言った。
千恵美『 美和子さん… 大丈夫なの?』
千夏『 お母さん。本当に良いの?確かアイドルって恋愛禁止じゃなかったっけ?』
摩耶『 そうだよ!恋愛禁止のはず…駄目なのに。
彩香さん。それで大丈夫なの?』
『 はい。私は大丈夫です!』と彩香は答えた。