【 番外編 】エイプリルフール❷
菜那子さんと菜七子さんは驚いた。
『 クイズが好きな私でもそんなにスラスラは言えないわ。凄いよ理恵ちゃん!』と菜那子さんは理恵ちゃんを褒めた。
『 もし、あんたがアイドルじゃなかったら、私の弟と結婚して欲しかったわ!』と菜七子さんは理恵ちゃんの手を握った。
『 私が男の子だったら、あんたと付き合いたいね… 』と七瀬さんが理恵ちゃんの顔を見て言った。
『 あんたらに娘を紹介されても困るわ!』
と姉の知恵さんが彼女達に一言ぶちかました。
『 え!でもエイプリルフールって面白いね。
でも、毎年こういうのは許されるんだよね? 』
『 そうなんじゃない?』と麗奈ちゃんが言った。
『 でも、毎日同じ事の繰り返しはちょっと嫌だね… 』
“ 私も… ” と賛同する声が聞こえた。
今日は何の集まりだったっけ?
そう。歌とダンスの練習。今日1日が終わるのであった。
私はもうそろそろ会社が終わる時間帯…
1人の男性が声を掛けてきた。
『 社長。今日何人かで飲みに行きませんか? 』
彼は営業部の30代後半の男性。
“ 私も一つお付き合いさせて下さい!” と29歳男性。
“ 私もお願いします!語りたい!” と28歳女性(総務)。
“ お近付きの印に一杯!” と35歳の男性(人事部課長)。
40代後半の男性と40代前半の女性(自動車関係)。
30代前半の女性と20代後半の女性(バスケ関係)。
20代後半の男性と20代前半の男性(サッカー関係)。
あと15人ぐらいその場に集まった。
私は会社の会議とか話し合いとかで使っている居酒屋にみんなを連れに行った。
『 今日は私が奢ります!』と私は皆さんに言った。
『 今日はエイプリルフール!嘘言ってもいい日!
でも、今日は私お金あんまりありません笑 』
店内はどよめきが起こり… 何人か笑った。
30代前半の女性が言ってきた。
『 社長。今日は誘ってくれてありがとうございます。』
『 今日は御家の方は大丈夫なんですか?』
『 はい。大丈夫です!旦那が見てくれてます。』
と嘘を付いた。
旦那じゃなく… 自分の母親が子供の面倒を見ている。
20代後半の女性が開始早々から酔い始めていた。
『 先輩ー!社長。飲みましょうよ!』
机の上を見ると… 日本酒3本に麦酒5.6本。
全部彼女が飲んだ本数。
彼女の勢いには駄目も止めれないのだった。
ベロンベロンだ。
あとの2人も顔が真っ赤になっていた。
『 明日、会社ありましたっけ? 』
とと35歳の男性(人事部課長)が聞いた。
『 あると思いますよ! 』
『 社長さん。お酒飲めますか? 』
と20代後半の男性が私に言ってきた。
『 実は飲めないんだよね…
日本酒も麦酒もワインも。』と答えた。
『 またまた… 御冗談を言って! 』と返してきた。
私は彼に成人式の出来事を30分話した。
『 そうだったんですね… すいません。知らなくて! 』
『 すいません。飲めないのに… 誘ったりして!』
と営業部の30代後半の男性が私に謝りにきた。
『 あ、大丈夫ですよ!
こうやってあなた方が楽しまれるのを見れるのも良い時間です。』私はそう彼に答えた。
『 そう言って貰えるだけで助かります。』
私は炭酸系ジュースを片手に1人ずつ悩みや相談を受けていた。
20代後半の女性はベロンベロンになりすぎて、150万円もするソファーで横になっていた。
日本酒5本に麦酒11本弱。
結構飲んでいた。独り言で小さいが何か呟いている。
20代後半の女性が私の所に一本目の麦酒片手にやってきた。
『 黄金さん。気になってる(方)人とかいらっしゃらないんですか? 』
『 いやぁ…… 』
と私が一番嫌な質問され、頭を掻いた。
『 気になってる人は居ない。』と嘘では無い。
付き合っている人はいる… もう好きになったのである。
『 そうなんですか。 』と彼女は少し酔ってる……
最後の方で嘘を付きたい私はあるゲームをした。
そのゲームは “ 人狼 ”
今世の中で話題となってるゲームだ。
【 人狼 】とは…
味方になりすましたウソつきを会話で見つけ出す10名前後から楽しめるパーティーゲームです。 プレイヤーは、全員とある村の住人として振る舞いますが、その中の何名かは人狼役で、村人に化けて村を滅ぼそうとしています。
1回戦目… 私はmaster
営業部30代の男性は村人。人事部の35歳課長観客
村人側)40代後半の男 30代前半の女 20代前半の男
人狼側)40代前半の女 20代前半の男 28歳総務女性
1回戦目は人狼の勝利。裏切り者が居た。
2回戦目… 私もmaster
営業部30代の男性は人狼。人事部の35歳課長観客
村人側)40代前半の女 20代前半の女 20代前半の男
人狼側)30代前半の女 40代後半の男 28歳総務女性
2回戦目は村人の勝利。占い師が活躍。
3回戦目… 私は市民(恋人同士) 30代前半の女も同種
営業部30代の男性は人狼。人事部の35歳課長はmaster
村人側)40代後半の男 20代前半の男 28歳総務女性
人狼側)40代前半の女 20代前半の女
これは人狼側が勝つかと思ったが… 村人側の勝利!
この人狼ゲームは楽しかった!
『 今日は思いっきり嘘を吐く事が出来ました。』
と20代前半の男性が私に笑顔で言ってきた。
『 私も今日は楽しい思い出になりました。』
と20代前半の女性と30代前半の女性2人が言ってきた。
人事部の35歳課長も…
『 社長。今日はありがとうございました!
今日は1日嘘を吐いて、またこういう日にこういったゲーム良いですね!あと、このゲームを今度謝恩会などで出してみては如何ですか?新入社員との交流にもなりますし… 私の方も人事沢山の募集今掛けています。
中途採用も学歴年齢問わず確認します。』
『 あれ?何してたの? 』
と、20代後半の女性がソファからひょっこりと起き上がった。
『 人狼ってゲーム。』と……
『 やりたかったぁーー』泣いてしまった。
『 また今度こういう機会作りましょう!』
計10人 私を含めて11人分の値段は10万円弱だった。
『 また、こういう機会お願いしますね!』
『 明日休ませて頂きます。』と40代前半の女性が。
『 ご馳走様でした!』
『 楽しかったです。』
『 またやろうね!』とフラフラの人も居た。
『 人狼やりたかったぁー泣』まだ泣いていた。
会社の近くにホテルがあるので何人かはそこで泊まったのだ。
そして解散して、その居酒屋を離れた。
私は家に着くと… 彩香はテレビを見ていた。
『 ただいま!』
『 お帰りなさい!』と…
彩香はテレビを見ながらゲラゲラと笑っていた。
『 あ、そういえば… 今日は沢山嘘を吐けた。』
『 俺も、会社の人と人狼ゲームした。何年振りか… 楽しかったわ!』
『 え!?人狼ゲーム。私もやりたい。』
『 また、今度な… 』と彩香の頭を撫でた。
彩香はフフフフと笑顔になった。
『 今日みたいな日はもう無いから、嘘は吐かないようにね!分かった!?』
『 はぁーい。』彩香は右手を挙げた。
私はそのまま自分の部屋で横になった。
彩香もテレビを消して、部屋に入っていったのだ。