【 番外編 】エイプリルフール❶
今日は一日嘘をついていい日。
所謂 四月馬鹿。
とあるサイトには、こう書かれている。
「 毎年4月1日には嘘をついても良いという風習のことである。イギリスではオークアップルデーに倣い、嘘をつける期限を正午までとする風習があるが、それ以外の地域では一日中行われる。」
4月1日。
朝起きたら、彩香に起こされた。
『 ねぇねぇ、おじさん。起きて!』
私は寝ぼけた状態で起きた。
『 なんだ? 』
『 今日、何の日か知ってる? 』
『 エイプリルフール。』
『 なぁんだ。知ってるのか… 』
『 こんなの常識やろ!』
『 知らないって思ってた。』
『 アホか!』私は彩香の頭をポンと叩いた。
『 おじさん。今日、アイドルの仲間に沢山嘘ついていいかな?』
『 さぁ、な。それはお前に任せるちゃ!』
『 えーー!おじさんの意見聞きたいよぉ!』
と可愛い子ぶりな中学生ぐらいの声を出してきた。
『 お前に任せます。』
『 んー。分かった!』と彩香は怒った!!
怒った顔も可愛い彩香だが…
心の中で内心緊張していたのだ。
仲間達がどんな反応をするのか分からないからだ。
私は会社に居た。
昼飯の時間になり、食堂に居た。
私は販売機でペペロンチーノのボタンを押した。
『 黄金社長… こんにちは。』
声を掛けて来たのは他の会社の20代後半の女性社員達。
私の後ろに並んでいた。
女1『 龍雷神さんは何を頼まれたんですか? 』
『 ペペロンチーノですよ!
貴女は何を頼まれたんですか? 』
女3『 私はミートソースパスタにハンバーグ定食です。』
女2『 私はカツ丼です!』
女4『 私もカツ丼ですよ!』
女5『 焼き肉定食を頼みましたよ!』
1人だけ聞いたはずなのに… 3.4人返事が帰ってきた。
『 ペペロンチーノの方!!』と食堂のおばさん。
『 いつもありがとうね!社長。孫(息子、娘)がお世話になってます!これからも宜しくね!』と続けて言った。
私は席に座った。彼女達も座り話した。
女1『 社長さんって、今まで嘘ついてきた事ってありますか?』
女2『 おい… 何でいきなりそう言う事聞くの?』
女1『 だって、今日 4/1(エイプリルフール)だよ? 』
女2.3『 そっか。今日だったね!』
私は彼女達の昼ご飯を見た。
サラダなどとカロリーの少ない昼ご飯を食べてる人が居た。
『 なんで?君はそんな量が少ないの? 』
女1『 実は… ダイエットしてるんです。』
女2『 嘘だ… こいつ嘘言いやがった笑 』
女3『 嘘… ダイエットって言ってる割に夜飯、500円の牛丼食ってるくせに!』
女1『 いや、本当だって… 』
女2.3『 いやいや、今日に限って嘘ついて良いって分けじゃないだろ… 』
今最近女の子の話題になってる内容など聞いた。
数分後…
女1『 すいません。
ダイエットしてるのは嘘です。』
女2.3『 やっぱり嘘じゃん。良くないって、体に毒だしさ。もうちょっとマシな嘘つけない訳!? 』
女1『 ダイエットしてるのは嘘ですが… 実はお腹の中に子供が居るんです。』
女2.3.4.5は驚いた。
女2.3『 おい、お前。また嘘ついて笑 』
すると彼女(女1)が携帯で写真を見せた。
そこには1ヶ月経過している小さな物がお腹の中に写っていた。
『 え?これ本当なの?』女2は聞いた。
女1は頷いた。
『 おめでとう。』
女3は言った。
『 もう、牛丼はやめたら?栄養のある物を沢山食べられよ!』
『 でも、お金が無いんだよね… 』
と彼女(女1)は仲間(女2.3.4.5)達にそう言った。
『 おめでとう!なら、これお祝いね!』
と言い、私は財布から5万円を取り出し…
偶々胸ポケットに入っていた小さな封筒に入れ渡した。
『 こんなに頂けません。お気持ちだけで十分です。』
女1は否定し… 私は彼女の右ポケットに封筒を入れた。
『 これで必要な物とか買って下さい。
もし、出産祝いに何か必要な物があったら教えて頂けませんか?』と私は女1に連絡先の名刺を渡した。
女1は小さく… “ ありがとうございます ” と呟いた。
私はペペロンチーノを食べ、彼女達と別れたのだ。
一方で彩香達は歌やダンスの練習中だった。
『 ねえねぇ、今日何の日か知ってる?』
『 えっーーーと。知らない!』
何人かは今日が嘘をついていい日だと知っているが… 知らないフリをした。
『 ねえ、麗奈ちゃん。知ってる?』
『 知らない。』と嘘をついた麗奈。
『 ねぇ、真純ちゃん。知ってる?何の日か… 』
『 あ、知らないです。』と嘘をついている真純。
『 ねぇ、美里ちゃん。知ってる?何の日なのか… 』
『 あ、知らないです。』と本当に知らない韓さん。
『 え?先輩… 今日エイプリルフールですよね?』
と野々香ちゃんが彩香に言ってきた。
“ おい…野々香。 何で言ってしまうんだ!? ”
何人かのアイドルは心の中で想っていたら…
彩香が怒った。
『 もーみんな。知らないフリをして!ふん。』
『 ごめんごめん… なんか面白くてさ笑笑笑笑』と、大爆笑をしながら、腹を押さえてドアの向こうで聞いていた真鶴ちゃん。
『 何処に居たの怒 』と怒った彩香さんは聞いた。
『 ドアの向こうから笑 』真鶴ちゃんは言った。
『 なんか台無し。面白い事やろうかなぁって思ってたのに… 』と彩香はみんなに言ったが…
『 どうせつまらない物でしょうが… 』と結衣ちゃん。
『 そう。前にも面白い事やってドジった。その記憶しかないから今回もトジるだろうって思ってさ!』と千霞。
彩香は何も返せなかった。
前にもやってドジったのが怖くて面白い事をやろうと言った自分なのに、何も面白い事を出来ない。
『 ごめんなさい!』と彩香は土下座をした。
『 そんな土下座する事じゃないし… 』麗奈ちゃんが…
『 うん… そんなに攻めてないし… 』真純ちゃんも。
彩香は身体を元に戻した。
『 で、嘘をついていい日。
その由来分かる人居る? 』
理恵ちゃんが言った。
「《毎年4月1日には嘘をついても良いという風習のことである。イギリスではオークアップルデーに倣い、嘘をつける期限を正午までとする風習があるが、それ以外の地域では一日中行われる。》
《 また日本語では直訳で「四月馬鹿」、漢語的表現では「万愚節」、中国語では「愚人節」、フランス語では「プワソン・ダヴリル」(Poisson d'avril, 四月の魚)と呼ばれる。 》
《その昔、ヨーロッパでは3月25日を新年とし、4月1日まで春の祭りを開催していたが1564年にフランスのシャルル9世が1月1日を新年とする暦を採用した。これに反発した人々が、4月1日を「嘘の新年」とし、馬鹿騒ぎを始めた。しかし、シャルル9世はこの事態に対して非常に憤慨し、町で「嘘の新年」を祝っていた人々を逮捕し、片っ端から処刑してしまう。処刑された人々の中には、まだ13歳だった少女までもが含まれていた。フランスの人々は、この事件に非常にショックを受け、フランス王への抗議と、この事件を忘れないために、その後も毎年4月1日になると盛大に「嘘の新年」を祝うようになっていった。これがエイプリルフールの始まりである。そして13歳という若さで処刑された少女への哀悼の意を表して、1564年から13年ごとに「嘘の嘘の新年」を祝い、その日を一日中全く嘘をついてはいけない日とするという風習も生まれた。その後、エイプリルフールは世界中に広まり、ポピュラーとなったが、「嘘の嘘の新年」は次第に人々の記憶から消えていった。》」
って事なんじゃない?
それを聞いていた知恵さんは驚いた。
アイドル達もそれを聞いて吃驚した。
理恵ちゃんが携帯も見ずにスラスラ言えていた事に…
『 なんで知ってるの? 』と彩香は聞いた。
『 ん?エイプリルフールってどんな意味を使われるか気になってたから調べた。だから今役に立った訳。』
と姉の知恵さんは妹理恵の頭をぐしゃぐしゃした。
『 理恵よ!凄い!感心した! 』