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第034話 【 番外編 】事件に巻き込まれる❹[ その後 ] 〜 彩香 〜



これは、事件後のお話である。【 番外編 】←設定。

1週間後か2ヶ月先か、半年後、数年後のお話……。


彼の判決が行われた。


殺人・殺人未遂の罪 殺人罪は死刑又は無期若しくは5年以上20年以下の懲役となります(殺人罪に時効はありません)。 殺人未遂の場合も、基本は殺人罪と同じ刑となります。 殺そうと思って殺害を試みたが、自己の意志により、殺害を中止した場合は、刑が減刑されるか又は免除されます。


誘拐罪によると、人を逮捕し、または監禁し、これを人質にして、第三者に対し、義務のない行為をすることまたは権利を行わないことを要求した場合、6月以上10年以下の懲役となります(同法1条1項)。


裁判官または裁判長が判断を下した。






懲役(ちょうえき)3年 〕






死刑は免れた。

勿論… 初犯で殺害しようと言う意思は無かったらしい。


3人?傷とと彩香を人質にした罪は重い。

でも、ある時彩香が裁判所で刑を軽くして欲しいと願い出たからだ。


裁判長と裁判官は勿論…

裁判員制度で当たった一般の人も驚いた。


『 この人の罪を軽くして下さい! 』

「 彩香さん!? 」と50代の裁判長が驚いた。


「 この子。あの時の事件で人質にあった子です。」

「 彩香さん。罪を軽くして欲しいと? 」裁判長は尋ねた。


『 はい。御願いします! 』

「 彩香ちゃん。彼は彩香(あなた)を人質に取ったんですよ? 」

『 でも、彼は優しい方でしたよ? 』

「 それでも、事件は起きたんだよ? 」

『 はい、それでも罪は軽くして欲しいです。』

「 死刑は無し? 」

『 死刑は無しで… 5年以下で。執行猶予も無しで… 』

『 御願いします。』と彩香は裁判長達に土下座をした。

(※実際の所は何年が妥当なのかは作者自身も分かりません。)



そして、その刑が下された。

彩香はアイドル活動が終わってからの夜… 黄金さんに頼んでいた。


『 ねぇ、おじさん。』

『 なんだ? 』

『 横浜の刑務所に連れてって欲しい。』


彼が居るのは… A級と初犯者。

神奈川県の横須賀にある横浜刑務所横須賀刑務支所。


『 横須賀に行けば良いのね… 』

『 うん。』と彩香は黄金さんに言った。


流石の彩香もアイドルで毎日夜の時間帯はキツいので、金曜日の夜の遅い時間帯に行く事になったのだ。


彼の刑が決まり、毎週金曜日。アイドルの合宿やイベントで県外に行く時以外は欠かさず刑務所へ黄金さんと。


とある日の事である。

彩香は黄金さんと一緒に彼の面会をしに行った。


「 彩香さん。わざわざ来て頂いてありがとうございます。そちらは? 」

『 いいんです。私の親戚の方です。』

と夫と名乗る事は出来なかった。

「 そちら、見覚えがあります。

 確か…… 株式会社龍雷神の社長さんでしたよね? 」

『 はい、そうですが… 』

「 御目に掛枯れて光栄です。」と握手のポーズ。


勿論… ガラス越しで握手が出来なかった。


「 前にも彩香さんに言いましたが… あの時は彼女を人質にしてしまい申し訳ありませんでした。反省してます。」

『 本当に、反省してるのか? 』と私は彼に怒鳴った。


「 はい、反省しております。それにあの時は貴女の事を知らないと言ってましたが… 母親に聞いたら、有名な方だよと言ってました。まさか、私がこんな有名な彼女を人質にしてしまった事を後悔しています。」


『 それでね… 黄金(おじ)さん。この人を黄金さんの会社で働かせてあげてよ。』

「 彩香さん。それは無理な御願いです。」と彼は言った。

『 彩香。聞きたかったんだけど… どうしてここまでするんだ? 』

「 そうです。私も思いました… なんでここまで私の為に刑務所に面会をしてくれるのかを。」

『 貴方は黙ってて下さい!どうしてだ? 』

「 すいません…… 」彼はしょんぼりした。


『 ん……… 何となくかな。助けたい気持ちでやってるから、ただ。それだけの事。』

『 ただ、それだけの事でこんな事をしてるのか? 』

『 うん。なんとなく… 』と彩香は私に言った。


私は彩香のこの考えが全く分からずに居たのである。

結局の所… 真相が分からない状態(まま)である。


勿論… 名前とか顔はNEWSで報道されて、判決も下された。

そんな人がこの会社にいたら不自然だと私は思った。


だが… 彩香は私にこの人を会社で働いて欲しいと言ってきた。

彼も幽霊社員として働きたいと言い出した。


私の会社では目立つので、下請けの会社(と言っても結構遠く離れてる)で働く事を申し出てそれまでの間に資格などを刑務所内で取らせた。


その後… 彩香は私の口にこの御礼としてキスをしてきた。


数日が経ち… 彩香にもう一度聞いてみたが、同じ答えだった。










そして、3年の月日が経過し… 彼は刑務所を出た。

私は刑務所にいる彼の仕事ぶりを毎月1人の刑務官と連絡し合っていたのだ。


彼は私の高校の時の友人の友達の友達。

面識は無いが… 友達から私の情報は聞いていたの事…


偶に暴れたりしている期間があったが、

仕事を貰えると言われ、それからは暴れたりする事も無く沢山の資格を取得した。

昼間のご飯の時間に彩香のファンだと名乗る男が刑務所に居て彼に顔を殴られたとの情報も入った。

彼自身も相手の顔を殴ると、また年数が増えそうだと思って我慢した。

顔の傷は腫れたまま。元通りになるには数年の月日が。


とある日の夜… 私は彩香を連れて彼の仕事寮へ。

その会社の社長とは親しくは無い。

と言っても私の亡き祖父の父親の子供の友人の会社。


結構遠い関係だが… 少し関わりのある会社。

彼の様子は楽しくやっているとの事。テキパキで行動力。


私は刑務所を出た数ヶ月に彼と話す機会を私と彩香の3人で他の人に目を付かない喫茶店でお話をした時の話。

まだ右目の(まぶた)辺りに刑務所で殴られた時の跡。


『 右目の瞼は大丈夫ですか? 』

「 あ、これ。大丈夫です。」と右目の瞼を触りながら言った。

『 仕事の方は順調ですか? 』

「 なんとかやってます。やっぱり仕事をやると楽しいですね… 」

『 以前働いていた会社と比べて? 』

「 以前に働いていた会社との比較は出来ません。貴方様には恩がありますし、余計な事を喋る事も出来ません。」

『 楽しいですか?仕事は… 』

「 はい。違った仕事でやり甲斐があります。」

『 なら良かったです。』と私はカフェオレを飲んだ。


少し無言になり… 彼も珈琲(コーヒー)を飲んでいた。

『 母親はあの後… どうなさいましたか? 』

「 私が刑務所に入っている間に亡くなりました。 」


私は聞かなきゃ良かったと思った。


「 あ、全然大丈夫です。と言ったら嘘になりますが… 母も幸せでした。あの彩香さんと貴方がお話出来た事。女性に縁のないあなたが女の人と話せた事が一番嬉しいと仰っていました。(がん)でした。」と言った。


『 そう言って貰えるだけで私は嬉しいです。本当に社会復帰出来て良かったですね!』と彩香は笑顔に……

「 はい、貴女のお陰です。ありがとうございます。」

「 なら、仕事あるのでこれで失礼します。」と紙を持つと


『 私が払っておきます!』と伝票(でんぴょう)を彼は机の上に置き、御辞儀をして仕事へ向かって行った。


『 名前とか顔は広まってるから、広まらないで欲しいね! 』

『 そう言っても、この世の中難しいぞ! 』


『 なんで? 』

『 まだ、捕まってない人とか沢山居るんだよ? 』

『 へぇ、どれぐらい居るの? 』

『 大体、50人前後?100人ぐらい?かな… 』

『 それ怖い… 』と彩香は怖い顔をした。


『 東京にもウロウロと周りに居るかもしれないんだよ? 』

黄金(おじ)さん。そう言う事言わないでよ! 』

『 もし、危険に遭うかもしれないって事… 』

『 その時はすぐ警察に電話する! 』

『 そう、警察に電話を掛ける。または翔さんに直接電話する! 』

『 うん… 分かった! 』


軽くそういった事が起こっている事をお話しました。

彼も何をするか分からないし… 今働いている会社の不正な横領に気付いて解雇(かいこ)にならないかと正直言って不安しか無い。

彩香もアイドルで顔が広い。

狙われる可能性も彼女は私が守ってくれると思っている。


今後の活動や生活を十分注意しながら生きているのである。











ちなみに、あの会社は他の会社に乗っ取られ、何人かを早期退職させたり、自主退職したり会社全体を清掃し一から始められたのだ。


この事はニュースにもなり、車会社の社長が帰ってきた時には間抜けな殻状態で社長は逮捕され実刑を喰らい何年かは分からない。


後で分かった事が… 被害金が4,000万で懲役3年6ヶ月。

5億以上超えているので10年はくだらないだろう。


その後の会社の状況は誰も知らないのである。






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