第033話 事件に巻き込まれる❸[ 解決後 ] 〜 彩香 〜
無事事件は解決した。
40代の男の犯人は両手には手錠。
2人の警察官に挟まれたまま、下を向いて警察車に…
彩香は20代の女性巡査と一緒に会社から現れた。
“ 首とか大丈夫ですか?お怪我はありませんか? ”
“ 彩香さん。無事でしたか!? ”
“ 彩香さん!身体大丈夫? ”
“ 大丈夫ですか? ” と周囲の人から声を掛けられた。
『 ちょっと、すいません。』
と彩香は20歳後半の女性に言い、警察官に挟まれた30代の男性の所へ走って行った。
『 ○○○さん。』
「 あ、彩香さん… すいません。今日は、」
そこに居た2人の警察官は彩香を見て驚いた。
「 彩香さんですか!? 」
『 はい。』
「 大丈夫でしたか? 」
『 はい、何処も怪我してません。大丈夫です。 』
30代の男の人に声を掛けました。
『 今日の事は全て警察庁で正直にお話して下さい。あと坂下翔さんに正直に仰って下さい! 』
男の30代後半男性の警部が警視総監(警察庁長官)の名前を聞いて驚いた。
「 あの、彩香さん。坂下長官とはどういった関係ですか? 」
『 はい? 』
「 いや、警察長官のお名前が出たので… 何故知っておられるのかと思いまして。」
『 あーあ。親戚ですが… 』
「 どういった御関係なんですか? 」
『 私の母の姉の子供です。親戚です! 』
「 そうなんですか… 失礼しました。」と敬礼した。
『 敬礼しなくても大丈夫です。ただ、この事(私と翔さんの関係)は他(言無用)[の人には言わないで]ね! 』
「 分かりましたよ。」
「 はい! 」と30代後半男性の警部と20代後半の女性警部補が私にそう言って車両の中へと入って行った。
「 彩香さん。行きますよ! 」
と彩香は今回の件で警察庁へ軽く事情聴取する事になった。
「 彩香さん!大丈夫でしたか? 」と麗奈さん。
「 お怪我とか無いですか! 」と桜雪ちゃん。
「 本当ですよ!何処も怪我してないんですね! 」と真鶴ちゃん。
「 先輩!本当に大丈夫ですか?怪我は? 」と涙ながらの美里ちゃん。
「 先輩!ご無事で何よりです。」と真緒ちゃん。
「 彩香さん。行きますよー! 」と女性の声が…
「 彩香。呼ばれてるよ! 」
『 あ、なら… 行くね! 』と麗奈に言われ彩香は走って行った。
「 先輩… 何処に行くの? 」と美里ちゃん。
「 事情聴取じゃないかな? 」と真緒ちゃんが答えた。
「 事情聴取とは… ある事件・出来事について、人から事情や状況を聞き取ること。取り調べとも。 捜査機関は、任意に出頭を求め、または逮捕・勾留された被疑者を取り調べることができる。」と真鶴ちゃんが言った。
「 え?それって先輩は被疑者なの? 」と美里ちゃんが言った。
「 いや、多分。軽い感じで取り調べ受けるんじゃ無いの?その時の状況を… 」
「 いわゆる、刑事ドラマみたいな感じですね! 」と桜雪ちゃんが答えた。
周囲の人達は時間が終わり揃えて帰って行った。
麗奈ちゃん達も彩香を見送った後、そのまま散策せずに家に帰って行った。
彩香は話をしていた。
『 翔さんと話したいのですが… 』
「 分かりました。」20代後半の女性警部補がそう言った。
20代後半の女性警部補は会議室に居られる翔さんに電話した。
「 坂下長官、彩香さんがお呼びになられています。」
と会議室は事件の時のままスピーカーだった。
“ え?彩香さんって、あの人質になっていた? ”
“ あの有名グループGRT48の彩香さん? ”
“ なんで、総監の名前を知ってるんだ? ”
“ 俺に聞くなよ! ” と周りがざわめいていた。
「 分かった。今から向かう! 」と電話を切った。
「 解散。資料の整理とか会議室の片付け。後は頼んだね! 」
“ はい。” と数人の警察官達は敬礼し会議室内の清掃や資料の片付けをした。
その頃、彩香はその20代後半の警部補の女性と楽しく話をしていた。
国家公務員総合職試験合格者に一発で合格した事… 今は生活安全局の部署で係長をしているとの事…
会議室から事情聴取室まで1時間弱(4.50分程… )。
取調室の扉が“ コンコン ” と鳴った。
「 どちら様ですか? 」
「 俺だ! 」と翔さんの声がし、女性は扉を開けた。
「 長官… お疲れ様です。」と敬礼した。
「 そんな固くならなくて良い。手を下ろせ… 」
と彼女の右手を下ろした。
「 少し訂正。敬礼する時… 右手が少し下がっている。直せ! 」と翔さんはその女性に右手の人差し指をこめかみに当てた。
「 君、さっき見た感じ。右手の中指をこめかみ部分に当てていた。気を付けなさい。」
(※ 右手をあげ手のひらを左下方に向け、人さし指を帽のひさしの右斜め前部にあてて行う(自衛隊の礼式に関する訓令第10条参照)。 詳細は「挙手の敬礼」参照。 頭を正しく上体の方向に保ったまま、体の上部を約10度前に傾けて行う(自衛隊の礼式に関する訓令第10条参照))
「 分かりました。ありがとうございます。」
と彼女は深くお辞儀をして、その部屋を出て行った。
「 今日はお疲れ様。1日ご苦労様でした。」
と翔さんは彩香さんに言った。
『 疲れたもんじゃありません。大疲れです! 復帰後の1番の疲れです。早く家帰って休みたいです。』
「 そうか、ゆっくり休んで! 」
『 はい、翔さんも… お疲れ様です。』
翔さんは小さい白いメモ用紙を手にペンに書いていた。
⦅ ここは録音と録画にカメラまで付いているから、親しい人の振りは辞めて! ⦆と書いてあった。
「 今日の彼、私の名前を彩香から聞いたと伺いました。」
『 はい、そうです。』
「 何故ですか? 」
『 しん、せ、… 』
「 分かりました。」と翔さんは聴取を終わらせた。
取調室を出た私と翔さんは一緒に廊下を歩いていた。
“ あれ!GRT48の彩香さんだよ!なんで? ”
“ 今日のビルの人質。彼女やってさ。”
“ あ!あのビル… 怪我大丈夫だったのかなぁ? ”
“ 知らねえ、俺に聞くなよ! ” と小さい声だが聞こえた。
『 そう言えば… 芽依さんは元気ですか? 』
「 あ、妻は元気だよ! 」
『 何の、仕事してましたっけ? 』
「 警察庁の受付の事務。」
『 なら、帰り通れるね… 』
「 そうやな… 」と彩香と翔さんは歩いていた。
そして、警察庁の入り口になり…
受付の方に芽依さんと2人の女性が席を立っていた。
芽依「 ちょっと、私席外すね… 」
芽依さんは翔さんと彩香さんの方へ走って行った。
受付女性1「 ほい。」
受付女性2「 楽しんで! 」
彼女達2人も芽依さんが翔長官と結婚してる事を知っている。
受付女性1「 でも、翔さんと結婚出来るって羨ましいね…。」
受付女性2「 あんたって同期だっけ?翔さんと… 」
受付女性1「 そう。同期… 警察学校の同期。」
受付女性2「 事件の方とか関わりたく無いの? 」
受付女性1「 うん。事件の方は良いかなぁ… 」
受付女性2「 まだ、私達巡査だよ! 」
受付女性1「 まだ、巡査というより独身二人組。」
受付女性2「 なんか、その言い方。ちょっと嫌な気分 」
受付女性1「 なんか、あの2人見てると結婚したくなるんだよなぁ!」
受付女性2「 なんで、そう思う? 」
受付女性1「 警察官同士ってなんか良くない? 」
受付女性2「 私は旦那さんが公務員の方が良いかなぁ〜。給料でかつ退職金沢山貰えそうだし… 」
受付女性1「 なんか、あんたセコイ考えしてるね。」
受付女性2「 そうかなぁ〜 」
『 芽依さん。ご無沙汰!元気? 』
「 元気だよ!今日は大丈夫だったの?事件、NEWS見て吃驚したよ! 」
『 まぁ、でも。大丈夫です。』と彩香は芽依に言った。
坂下芽依 28歳 翔さんの嫁。
詳細は自己紹介にて… 父親と祖父共に元警察官。
「 彩香さん。また2人でお茶していかない? 」
『 あ、良いですね… 』と笑顔になった彩香。
「 あと、主人から聞きました。黄金さんとの結婚おめでとう!」と小さい声で彩香の耳元で囁いた芽依さん。
『 ん?ちょっと翔さん。芽依さんにも言ったの? 』
「 おう。親戚だし… 良いかなぁって。」
『 ん………… 芽依さん。他の人には絶対に言わないでね。』
「 分かったよ!彩香さん。お茶しようね! 」
芽依さんは受付に戻って行った。
『 翔さん。芽依さんにも言ったの? 』
「 すまん… ついな笑 」と笑った翔さん。
また周りの人も驚いていた。
彩香さんがいる事に…
そして、警察庁の入口前に着いた。
目の前には黄金さんが居た。
彩香が人質としてビルに入っている間、電話していたのだ。
私は会社を休んで警察庁の前で待っていたのだ。
『 黄金さん! 』と彩香は抱きついた。
『 ちょっと、お前。沢山の人が居る! 気をつけろ! 』
と彩香に言うと… 彩香は私から離れた。
“ なんだ?なんだ? ”
“ あれ?彩香ちゃんじゃない? ”
“ あの横に居る人は誰だ? ”
“ あれってどっかの社長さんじゃない? ”
“ 【 株式会社龍雷神 】の黄金社長じゃない? ”
“ 多分、その社長さんだ! ” と周りの人達が騒ぎ始めた。
「 ここは目立つからもう帰って大丈夫です。」
『 翔さん。ありがとうございます! 』
『 なら、もし… 翔。彩香になんか必要な事があれば連絡くれ! 』
「 兄さん。分かりました! 」と私は彩香と一緒に車に乗り、家に向かった。
警察庁から自宅まで… 4.50分と掛からない。
(※詳しい計算はハッキリしてないので正しいかどうか不明。)
自宅に寄る前に保育園へ向かい、蓮と紬のお迎えに…
中学時代の時の女性(園長)も彩香さんが無事なのか確認して来た。
車に居ると伝え、会釈をし… 彩香も同様会釈をした。
家に着き、服を着替えて寝ようとしたら…
彩香のLINEから沢山の連絡が来た。
「 人質。彩香さんだってアナウンサーの人が言ってました。大丈夫ですか? 」
「 NEWS見てました。大丈夫ですか? 」の連絡。
また…
「 お怪我ありませんか? 」
「 腕とか身体大丈夫ですか? 」とのコメント。
またTwitterには私宛のDMに私のツイートしたコメントの返信所に沢山のコメントが何百、何千とのコメント。
私はいっぺんには返せないので…
Twitterで “ 大丈夫です!怪我は無いよ! ” とのコメントをした。
彩香は私に今日の事を全て話した。
事件の内容に… その会社に隠し口座に5億の金額が。また不正な証拠もその人の家の自宅にあった。
数年前にも不祥事で内部告発があり、その時の内部告発をした人が彼だったと言う事を全て聞いた。
彩香は疲れたと言い… 横になりぐっすり眠った。
アイドル活動の再開まであと三日を切ったのである。