第031話 事件に巻き込まれる❶ 〜 彩香 〜
アイドル活動が休みの時…
彩香は桜雪ちゃんと真鶴に真緒、麗奈に美里の6人で都内を散策していた時の事だ。
都内の会社通りで…
40代前半の女性と10代ぐらいの親子に1人の女子高生。
あとは女子高生2人組が怪我を負っていた。
胸とかに傷は無く、腕の擦り傷で血は出ていた。
「 「 「 「 「 オラァァァァァーーーーーーーーーー! 」 」 」 」 」
40代後半の男性がナイフを持って暴れていた。
「「「「「 キャー!!! 」」」」」
と甲高い声で女の人が叫んでいた。
「 誰か助けて!!!! 」と叫んでいる人も居た。
「 怪我している人が居るぞ! 」と男性が叫んだ。
「 おい!なんかあったぞ! 」と20代男性。
「 そう言う事言わずに、警察電話掛けろよ! 」と男の人がもう1人。
「 警察に電話しないと… 」
「 警察には電話しました! 」
「 誰か、なんとかしないと… 」
「 なんとかしないとって言われてもさ… 犯人を捕まえる時に使う道具無いからさ。何とも出来なくないか? 」
「 あー。相手の動きを封じ込める武具及び捕具。あれなんだっけ?名前は出てくるんだけど… 最初の文字が出てこない。さ、さ、さ だったような。」
「 刺股。」
「 そう!それ、刺股。」
「 言ってもさ… この近くに学校とか店舗とか無くね? 」
「 小売店とかは? 」
「 ここ、沢山の会社通りだから… 店舗置いてなくね? 」
男性達が話している間…
40代後半の男性はまだ叫んでいた。
「「「「「 オラァァァーーー!社長を呼べ! 」」」」」
「 なんか、あの人。社長を呼べと言ってるよ? 」
「 この会社って有名な車関係の会社じゃない? 」
「 あ、私。この会社の車、前利用してた。」
「 今は違う車なんだね… 」
「 まぁ、関係ないけど… 」
「 なんかあったのかな? 」と女性達の声も聞こえた。
その時、彩香達はメンバーと楽しく話をしていたのだ。
向こうから楽しそうに歩いているのを通り掛かった人達は…
「 あれ?GRT48のメンバー彩香ちゃんじゃない? 」
「 隣には真緒ちゃんに麗奈ちゃん。」
「 本当だね… 真鶴ちゃんや美里ちゃんまで居るね… 」
「 彼女達は気付いてないんだね… 男の人に。」
「 多分ね… 」と他の女性の人達が呟いていた。
「 でね… この子と話してたんだよ! 」
『 そうなんだ。』と彩香は歩きながら男の人とぶつかった。
『 あ… すいません。』
と彩香は謝り男の人を見るとナイフを持っていた事に驚いた。
「 丁度いい人質だ! 」と男の人は彩香の腕を掴んだ。
男の人が持ってるナイフは彩香の首に当てた。
「 彩香さん! 」と麗奈ちゃん。
「 彩香。」と美里ちゃんが大きな声で言った。
「 彩香さん!ナイフ持ってるよ! 」
「 先輩、暴れないで下さいね! 」
「 先輩。すぐ警察呼びますね! 」とメンバーがデカい声で言った。
「 君たち、そこから離れなさい! 」と通り掛かった30代のお姉さんが麗奈ちゃん達の方へ来た。
腕を掴まれ、麗奈達は離れの人が沢山居る所まで来ていた。
彩香はその男の人と一緒に会社の扉の前まで来た。
このビルの扉は高級自動回転式。彩香は男の人と一緒に会社の中へ入った。
そして、車関係の会社はこのビルの4F。
エレベーターに乗り、2人きりになった。
「 すまん。人質にさせてしまって!」
『 いえ、大丈夫です。』
「 すまんが… 解決するまで、この状態でお願い。」
『 分かりました。ちなみに私が誰だか分かりますか? 』
「 いや、分からない。」とナイフを持ったまま男は彩香に聞いた。
『 GRT48の山本彩香。有名グループの… 』
「 GRT48は聞いた事がない。」
『 そうなんですね… 家にTVは? 』
「 家にTVはあるが、見ないです。 」
『 元々はどんな会社で働いていたんですか? 』
「 此処の会社! 」 と彩香は理解した。
彩香はこの会社で働いていた人なんだと話してて分かった。
『 今から、なんでナイフ持って前居た会社に向かうんですか? 』
「 それを今から社長と話する為だ! 」と彼は怒った。
そして、4階に着いた。
受付の女の人もそこに居た会社員も驚いた。
「 おい!君… 社長を呼んできてくれ! 」
「 御用件は? どういった内容ですか? 」
「 それを今から社長と話する為に来たんだ。私を怒らせないでくれ! 」とナイフを受付の女性に向けた。
「 何処に居るんだ? 」
「 それは私達も分かりかねます。」
「 なら、わかる奴に聞け! 」と彼は言い…
20代受付の女性は総務部に内線電話した。
「 おい!まだ分からないのか… 」
「 すいません。分かる人に電話してる所です。」
彼女は総務部の男性に用件を伝えた。電話を置き…
「 今、社長は出張でHawaiiです。」
「 こんな時期にか?」
「 私共にはわかりかねますし、なんでこんな時期にはわいなのか知りません。」
「 なら、分かる者を出せ!副社長とか専務、常務とかは? 」
「 少々お待ち下さい! 」と慌てた様子だった。
そこに居た人達は…
「 良いから、彩香ちゃんを解放させろ! 」
「 こんな事は辞めて、自首しろ! 」
「 ナイフ降ろして、私達と彩香さんを解放しろ! 」
と周りの人達が大声を出していた。
「 うるっせーんだよ! どいつもこいつも…
この会社に不正や不祥事あるの知らないのかぁ? 」
と男の人は声を荒げて言った。
「 え?不祥事?知らないなぁー。」
「 不正だったか不祥事だったか忘れたけど、なんかどっちかNEWSになってたような… 」
「 あれ、事実なの? 」
「 さぁ… 知らないなぁ〜 」とそこに居た会社員が呟いていた。
「 この会社に3.4億ぐらいの金が横領または5億ぐらいの隠し口座があるんだ! 」と言った。
「 知らない。」
「 それ、私聞いた事ある。でも事実なの? 」
「 さぁ、それが本当の話かどうか知りません… 」
「 もし、横領とか不正あったらこの会社終わりだよ! 」
と話してる間、会社の外では…
「 彩香さん。大丈夫なのかな? 」美里ちゃん。
「 先輩… 怪我とかしてないかなぁ? 」真鶴ちゃん。
の近くで、テレビ局のカメラとアナウンサーが生報道されていた。
私は会社に居た時の事だ。
「 失礼します! 」と遥さんが社長室の扉を開けた。
『 どうした? 』
「 今、テレビで大変な事になっています。」
『 分かった! 』と私はテレビのリモコンを手に取り電源のボタンを押した。
すると、都内のとあるビルで誘拐事件(=殺傷事件)があったとテロップになっていた。
そこは昔、父親が一緒に車の会社はどう作っているか見にいった事のあるビルだった。
今現在はその会社とは交流も無く、評価が低いと親父が言って契約を解除したのだ。
(※軽く説明するとこの会社は車関係の小さな部品の販売や製造に特化した会社。従業員は2.300人と中小企業。販売と製造に関してはTOPクラスの企業の1つ。)
「 只今、都内のとあるビルの4階に40代の男の人がナイフを持って4階に上がっていきました。まだ犯人は人質を連れた状態で会社の中に入っている状況です。」
と女性アナウンサーの人がカメラの方を見て言った。
私はカメラの左端に小さいが、あの小さい子は美里ちゃんじゃないかと思った。
また、その隣には麗奈ちゃん?らしき背格好。
すると、隆之介さんから電話が掛かってきた。
「 もしもし、先輩。今良いですか? 」
『 なんだ? 』
「 あの… これテレビで右端に映ってるのって麗奈じゃないかなぁと思いまして、」
私と隆之介さんは同じ番組の生放送を見ていた。
『 そうだよな? 』
「 そういえば、朝。麗奈が彩香さん達と散歩に行くと言ってました。」
『 そうか… 』とテレビの画面を見ていたが、彩香の姿は無かったのだ。
すると、女のアナウンサーの人が言った。
「 今、入ってきた情報です。人質になっているのは活動復帰報告したGRT48の山本彩香さんです。」
私は手に持っていた洋杯をひっくり返した。
「 やはり、彩香さんでしたか… 」
隆之介さんの電話はまだ切れてなかった。
「 先輩は、弟さん(翔)にすぐ電話して下さいね! 」
『 おう! 』と電話を切った。
また、アナウンサーはその前に殺傷事件があり、
そして、翔に電話した。
『 今、生放送見てるんだけど… 』
「 あ、兄貴。知ってる。勿論… 」
『 人質、彩香やぞ! 』
「 それも聞いた。」と翔さんは私に言った。
翔さん達は会議室にて…
「 おい!まだ犯人の要求が分からないのか… 」
「 すいません。まだ犯人の要求がまた連絡来ないんです。」
「 何してるんだ! 」と翔は怒った。
会議室の扉が開いた。
「 犯人の要求が分かりました。」と20歳巡査の男の人。
「 で、犯人の要求は? 」
「 社長を呼んでほしいとの事です。」
「 社長なら、社長室に居るんじゃないの? 」
「 それが…… 」ぼそぼそと巡査が翔に言った。
「 どうしたんだ? 」
「 それが、今、社長。ハワイに出張してるそうです。」
「 こんな時期にか? 呼び戻せないのか? 」
「 それが… 無理そうなんです。」
「 何でだ? 」
「 今帰っても、向こうが大嵐で飛行機飛ばせないそうです。」
「 なら、代わりに副社長を呼んだらどうだ? 」
「 分かりました。」と巡査は敬礼して会議室を出た。
一方で会社の受付では…
「 おい!社長を呼んでこいよ! 」
「 すいません… 戻れないそうです。」
「 なんでだ?私がこんな状況と知っててもか? 」
「 そう言われましても… 」と受付の女性は困った。
数分して… 受付の女性が言った。
「 HAWAIIの方が大嵐で飛行機が飛ばせないそうです。」
「 なら、良い。代わりに副社長でも専務でも良い。」
「 分かりました。」と受付の女性は内線電話を掛けた。
『 立ったままで大丈夫なんですか? 』
「 私は大丈夫だ!」
『 なら、分かりました。』彩香は彼に聞いた。
“ 少し休んだら? ”
“ そうだよ! 少し座ったら? ”
“ 彩香さん。大丈夫なの?立ってて ”
『 大丈夫です。 』
“ 無理しないで下さいね! ”
“ 無理だったら座ってて大丈夫ですからね! ”
「 あーー!苛々する。早くしろよ! 」
40代のナイフを持った男性は歩き回っていた。
彩香も正直言って早く終わらせてと思いながら足をカタカタした。