第030話 アイドル復帰後… 事務所にて。 会社にて(3)
帰ってきた彩香は富山でこんな事があった事を私に報告した。
そして、MAROOTで彩香自身が選んで買って来てくれたネクタイを私に贈物してくれたのだ。
彩香も疲れたでしょうか… 自分の部屋で横になった。
私は富山に居る父親の弟さんの敏幸さんに無事帰って来ましたよとの報告をした。
翌朝… 私と彩香は気持ち良い朝を迎えた。
朝御飯は2人共… 黄粉入り凝結乳。
私は会社へ行く準備をし、彩香は事務所へ向かった。
蓮と紬を保育園へ送りに行った。
その保育園は私の中学校の時の友達が園長をしている。
訳を話し、園長だけにこの子達の母親は彩香だと伝えてある。
勿論… 園長もこの事は吃驚していた。
彼女と結婚した事も伝えて、毎日彼女に御願いしているのだ。
この事は友達とか家族の他誰にも言わないでと伝えた。
保育園を送りに行った後… 毎日社長室で体操をしているのだ。
稔さんも遥さんもそれに釣られて一緒に体操をしている。
その頃、彩香は黄金さんに事務所近くの施設に降りた。
事務所に入ると女の人が声を掛けた。
「 彩香ちゃん。1年半の休止期間お疲れ様です。」
『 あ、ありがとうございます! 』
「 身体の方はゆっくり休めましたか? 」
『 はい、なんとか… 休めれました。』
「 なら、良かった。」30代前半の女の人が笑顔で彩香に声を掛けた。
『 そういえば、他のメンバーは何処に居ますか? 』
「 あ!言うの忘れてた。」と1人のメンバーが声をあげた。
「 彩香ちゃんが復帰報告してから、急に1週間の休み期間与えられたんだ。」
『 あー。そうなんですか… 』と彩香は声のトーンを落とした。
『 “ だから、富山に行った時に莉菜ちゃんがその時居たんだ。 ” 』と心の中で思った。
「 でも、何人かまだ中に居ると思うから顔だけでも出しといたら?メンバー歓迎してくれると思うよ! 」
『 あ、分かりました。ありがとうございます! 』
と彩香はその女のスタッフに言われ、メンバーが居そうな楽屋へ向かっていった。
とある楽屋に入ると…
そこには10人が楽しくワイワイと喋っていた。
「 先輩!お帰りなさい! 」桜雪ちゃん。
「 先輩!お疲れ様です。」真緒ちゃん。
『 ありがとう!あれ君達… 帰省してないの? 』
「 はい、大丈夫です。」静香ちゃん。
『 そういえば、家。この近くなんだよね? 』
「 はい。北海道から東京に移住しました。」とまた静香が…
『 アイドルの為に? 』
「 父がそうしたんです。」
『 北海道楽しそうなんにね! 』
「 それも父の判断なので、なんともいえません。」と静香ちゃんが言った。
あと、沙友理ちゃんに真純ちゃんに、真鶴ちゃんも。
野香ちゃんも東京周辺の関東圏に住んでるメンバーはまたいつでも行けるので、今回は東京に居るとの事。
後は、恵理奈ちゃんや由貴ちゃん。遥香ちゃんに結衣ちゃんも居た。
「 昨日… 富山に行ってこられたんですね! 」
『 なんで知ってるの? 』
「 莉菜ちゃんから聞きました。」
『 あ、そうなの… 』
「 MROOTどうでしたか? 」
『 うん。楽しかったよ! 』と彩香は笑顔で言った。
『 富山で買ってきた御土産。』
彩香はメンバーに白エビ煎餅と鱒寿司を袋に入れた状態で渡した。
「 ありがとうございます! 」と真鶴ちゃん。
「 あ!鱒寿司だ!一度食べてみたかったんです。」と真純ちゃん。
「 先輩、アザーズ! 」桜雪ちゃん。
「 何?アザーズって… ありがとうございます。の略? 先輩、ありがとうございます!お帰りなさい! 」と真緒ちゃん。
『 他のメンバーって地元に居るの? 』
「 はい。あと4日したら帰って来ます。」
彩香が活動復帰の報告をしてから2日が経過していた。
事務所の社長。康晴さんがメンバー達に休暇を与えたのだ。
彩香は美里ちゃんや桜雪ちゃん達と楽しく語り合っていた。
彩香達がメンバーと楽しく語り合ってる間…
私は社長室で、会社の今後に関する男性育休取得推進制度とその日程案を決めていた。
とあるサイトには… こう書かれていた。
<休業可能な対象者>
法律婚における、出産女性の配偶者
※法律婚上という制約から、必然的に男性が対象となる
<いつからいつまで取得できるか>
子の出生から8週間の間に合計4週間分( 2回まで分割可能 )
<申請の期限>
休業開始予定日の2週間前まで…( 通常の育休は1ヶ月前まで )
4週間分は長いのか短いのか分からないが。
それに、勝手に(育休取得)変えても良いのかどうかも私自身分からなかった。
《 コンコン 》と社長室の音が鳴った。
「 社長。此処見てもらいたいんですが… 」と30代後半の男性が社長室に入ってきた。
彼は元々電気関係の仕事に就いていたが、違う仕事をしたいと申し出てこの会社に中途採用で5.6年前に入社。
この会社ではスポーツ事業部のサッカー関連の部署。
彼の履歴書には高校サッカーのFWとしての経験。それに当時の総体で準優勝をしてる経歴のある人物。
「 今年はどういった選手を育成したら良いですか? 」
『 今年は守りと攻めをきっちり分けれる選手かな… 』
「 選手は強豪校を中心に探していけば宜しいですか? 」
『 そこは気にしていないね… 』
「 どこの地域または県から探したら良いですか? 」
『 君、地元は? 』
「 福岡県です。」
『 市町村は? 』
「 福岡市博多区です。」
『 出身高校は?』
「 東福岡高校卒です。」
『 赤い彗星って名称の? 』
「 はい、そうです! 」
『 なら、九州地方。任せても良い? 地元帰るついでに2.3週間九州地方の選手探してきて! 』
「 え?良いんですか? 」
『 良いよ!あと、これ出しといて! 』と出張届を彼に渡した。
『 後で、費用と私個人的に見て欲しい選手または高校の書いた紙を渡すので宜しくお願いしますね! 』
「 分かりました。」
『 後の2人には中国・四国地方を任せるように伝えといてね! 』と私は30代後半の男性に名前と地方の書いたメモを渡した。
私と副社長と常務に専務、2人の本部長の6人で会議をした。
1~2時間を過ぎ… 時計を見ると12時になる所だった。
「 黄金さん。今日昼飯一緒に食べませんか? 」
『 今日は食堂で済ませる。ありがとう! 』と常務に言った。
「 また、声掛けますね! 」と常務は専務と40代ぐらいの本部長と話をしながら会議室を出た。
私は5.6社合同となっている食堂へ向かった。
食堂のおばさんが言った。
「 社長。今日は何食べるんですか? 」
『 んー… どうしようかな? 』
ガラスの中にはいっているのラーメンや丼物に(焼肉や刺身)定食のサンプルを見た。
『 焼き肉定食にしようかなぁ? 』
「 社長… 焼肉定食にするの? 」
『 いやぁー。どうしようかなぁ… 』
「 社長さん!早く決めて下さい!後並んでるんですよ! 」
私の後ろには10人列が出来ていた。
まだ、考えていたので… 後ろの人を先に行かせた。
「 こんにちは。 」と別の会社の30代男性
「 黄金社長… こんにちは。まだ決めてないんですか? 」と20代後半の女性。
「 ご無沙汰してます! 」と30代後半の女性(※すぐに登場します)。
私は食券機で白海老とサーモン漬け丼のボタンを押した。
「 白海老とサーモン漬け丼ね!分かった! 」
とおばちゃんは白海老を剥いた状態でたっぷりと入った醤油漬けに染み込ませた。
またスライスしてあるサーモンも一緒に染み込ませた。
「 もうすぐ出来るから、待ってて! 」
白海老とサーモンの両方とも染み込み… 山盛りの白飯の上にかけた。
カウンターの上に丼物が置かれ、私は手に取った。
私は丼物が置いているお盆を持ち席に座った。
他の会社の女の子達30代ぐらいの女性…
1人は以前エイプリルフールの時に会った事のある女性。
『 無事に出産されましたか? 』
「 はい… お陰様で! 」と以前妊娠1ヶ月と言っていた彼女だった。
『 赤ちゃんの写真とかありますか? 』
「 はい、ありますよ!」と彼女は自分の携帯を取り出し写真を見せてくれた。
可愛かった… 2,800gの女の子でもう名前も決まっているとの事。
「 あの時(→4月1日)はありがとうございました。あの時の下さったお金で必要なbaby用品を買えました。」
『 それは良かったです!』
彼女も出産した後、1年間の育児休暇を貰い休んでいた。
彼女の旦那さんは京都府のとある高級 三つ星HOTELでフロント係をしているとの事。
出会いは彼女の友達の紹介だとの事… 3.4年の遠距離恋愛を経ての結婚。
旦那さんは京都で彼女は東京と生活は別々だ。
偶に旦那さんが月1.2回の休みを利用してこっちに来てくれている。
「 社長。お願いがあるんですが… 」
『 なんでしょう? 』と聞いた。
「 私の旦那をそのホテル(=私のホテル事業として経営してる場所)に雇って貰えないでしょうか? 」
『 と言うと、京都と東京の行き来するのを辞めさせて、こっちで働かせたいって事? 』
「 んー。そういう事になりますね… 結果的には。」
『 単身赴任って事が嫌なのね… 』
「 はい、夫が浮気とか不倫とかしてないか不安で不安で夜眠れない日があります。」
『 それはなんとかしなきゃね! 分かったよ!』とメモを取り出しこの事を記載した。
「 すいません… 無理なお願いを言って! 」
『 あー、良いんだよ。 大丈夫だから… 』と私が言うと、
「 本当だよ!社長に無理させないで! 」と彼女と同じ会社の同僚の女の子が5.6席空いた所からこっちに向かって来た。
「 ご無沙汰してます! 」その女性は彼女の同僚。
『 あの時以来だね!元気してましたか? 』
「 はい、お陰様で何よりです。」
私は丼物を少しずつ口に入れていった。
彼女達とは、新しく制度になる男性育休取得推進制度にどう思うか聞いてみた。
期間は短いとか、もう少し長めに男性も取得して欲しいとか様々な意見が聞けた。
白海老とサーモン漬け丼も食べ終え、私は席を立った。
「 あれ?もう帰られるんですか? 」
「 もう少し話したかったですね! 」
『 また機会があれば是非お茶でもしましょう! 』
「 それ良いですね!」
「 分かりました。その時は声掛けて下さいね! 」
私は彼女達にそう言ってエレベーターに乗った。
別の会社の35歳ぐらいの男性に20代前半の女性。
また別の会社の部長クラスの人とエレベーターが一緒になった。
会社の状況や今どういった事をしてるのか話した。
そして、昼からは外回りの為…
一旦社長室に鞄を取り、遥さんと稔さんにそのまま家に帰ると報告した。
その頃… 彩香達はメンバーと色々な話をし1日を終えた。
そして、その日の夜の彩香は家で、私にメンバーと(休止中の)楽しい話をしたよと報告した。