第028話 富山の実家に帰省❶
朝になり、外は少し雨がポツポツと降っていた。
私は先に部屋を出て朝御飯の支度をしていた。
朝6時半過ぎ… 玄関の振鈴が鳴った。
千夏ちゃんと摩耶だった。
千夏「 迎えに来ましたよ! 姉ちゃんは? 」
『 まだ彩香は寝てる。朝御飯一緒に! 』
摩耶「 ありがとう!兄ちゃん。」
摩耶と千夏は椅子に座った。
2階から降りてくる足音がした。
『 おはよう! 』と彩香は千夏と摩耶に気付いた。
『 あれ?千夏に摩耶ちゃん来てたの? 』
「 20分前に来てました。」
「 お姉ちゃん!髪の毛ボサボサだよ! 」
彩香の頭はくしゃくしゃの状態だった。
彩香は髪の毛を整える為… 洗面所でアイロンを掛けた。
私は食卓の上にフレンチトーストを置いた。
「 お兄ちゃん。本格的だね… 」
トーストの上にはアイスに小豆にバターが乗っかっていた。
「 おじさん。私達を太らせる気? 」
「 千夏。そういう事言わなくて良いから有り難く食べよ! 」
千夏と摩耶は手を合わせ“ いただきます! ” と言った。
「 美味しい!」
「 お兄ちゃん。これ美味しいよ!どうやって作ったの? 」
『 普通に作ったぞ… 』
「 帰ってきたら教えて! 」と摩耶が私に言った。
朝ご飯を食べてると振鈴が鳴った。
麗奈ちゃんに涼華さんだ。
「 おはようございます!」
「 お邪魔します。」と2人が家に入ってきた。
「 あ、麗奈ちゃんと涼華さんが来たよ!姉ちゃん。」
『 うん。分かってる!』
「 なら、行く準備するよ!」と千夏は自分の鞄を持った。
摩耶も自分の荷物を持っていた。
『 麗奈ちゃん… 涼華さん。彩香の事宜しく御願いしますね!』
「 はい!父から聞いてます。任せて下さい!」
「 分かりました。」と麗奈ちゃんの後に涼華さんが続けて言った。
「 お兄ちゃん。着いたら連絡するね!」と摩耶が言い、
彩香達5人は家を出て、涼華さんの車があった。
涼華さんの車は豊田のハイエース。
新車で3500万ぐらい。4WDで2800ディーゼル。
「 うわぁーカッコいい。これ麗奈ちゃんの車? 」
「 違うよ!家族車兼用。誰でも運転して良いの。」
「 結構高いんじゃないの? 」
「 家族みんなで出し合った… 3200万ぐらい。」
「 うげー…… 結構したんだね。」
「 新車? 」と摩耶は麗奈ちゃんに聞いた。
「 新車かな?新古車? どっちだったっけ? 」
彩香達は車に乗った。
私はとある人に電話していた。
『 もしもし、敏幸さん。ご無沙汰してます! 』
「 お!黄金か!お前が二十歳の時だから30年振りか!どうした? 」
『 実は、彩香達が富山に向かうそうです! 』
「 おう!そうか… 彩香ちゃん達が来るのか…
あ、それと結婚おめでとう! 」と敏幸さんは私に言った。
『 え?知ってるんですか? 』
「 勿論… 兄貴達から聞いた。彩香と結婚したって! 」
『 あ、親父から聞いてるんですね。』
「 無論… この事は他の人に言ったら駄目やね! 」
彼の名前は敏幸さん… 60歳 電気関係の仕事をしている。
後程紹介しますが… 大輝と大和の弟。下にもう1人妹が居る。
奥さんと息子2人に娘が1人。あと柴犬を2匹飼っている。
『 なので、彩香の事… 宜しくお願いしますね! 』
「 分かった!」
と電話の奥で息子が “ 親父誰と電話してるんだ ” との声が聞こえた。
涼華さんがGoogleマップを検索し…
東京から富山までの道のりを確認し5時間35分掛かるとの事。
麗奈ちゃんは助席に座り…
千夏と摩耶の間に彩香さんという形で座った。
蓮くんも紬ちゃんも彩香の両隣に座り、ベルトした。
「 姉ちゃん。何の曲掛けながら運転するの? 」
「 WANIMAとか… NiziUとかかな… 」
「 私達の曲は? 」
「 お前達の曲で長距離運転に良い曲無いからね。他の聞いてるわ! 」
「 えー!そうなの?確かに運転する時に聴く曲は私達の歌に無いからね… 今度、運転する時とかに必要だから、1.2曲作ろうね!彩香さん! 」
『 そうだね… 』と麗奈ちゃんの返事に答えながら都内の外の景色を眺めていた。
「 お姉ちゃん!なんかあったの? 」
『 ううん。なんでもない… 』と彩香は外を眺めていた。
車は神田橋ICに入り…
首都高速都心環状線のランプに入った。
「 高速道路に入ったよ! 」麗奈ちゃんは大きな声を。
霞が関方面(C1)に迎えと携帯の指示がなった。
その後… 竹橋JCTで右側2車線を使用して関越自動車道大宮方面へ首都高速5号池袋線へ。
そのまま直進し池袋線ルート5を。
美女木JCTで左車線し、関越自動車道大泉方面/東京外環自動車道。
左車線を使用して関越自動車道/東京外環自動車道/大泉
大泉JCTで任意の車線を使用して新潟方面 E17/関越道
「 トイレしたい! 」と千夏が言った。
「 我慢出来ないの… 」と摩耶が言うと、
「 出来ない!涼華さん御願い! 」と言い、
「 もう少ししたら、“ 道の駅 ららん藤岡 ” に入るからそれまで待って! 」と涼華さんは千夏に言った。
「 お姉ちゃん。一回代わろうか? 」
「 御願い!ちょっと足疲れた。」と涼華は麗奈に言った。
関越自動車道/関越道に入った。
藤岡JCTで左車線を使用し、藤岡/長野方面 上越自動車道の標識
藤岡IC出口を高崎方面へ
分岐を右方向へ進み、国道17号/高崎/国道18号/ららん藤岡。
県道13号に入り… ららん通りを右折し、ららん藤岡に到着。
「 飲み物飲む? 」
『 私は大丈夫です!』
「 結構この後長いからトイレする時は近くPA来たら言って!寄るから… 」
『 ありがとうございます! 』と彩香は麗奈ちゃんに言った。
麗奈ちゃんの運転で涼華さんは助席に…
そして、西方向にららん通りを進んで左折して国道13号へ。
「 関越自動車道方面へ上越自動車道入りました。」と麗奈ちゃんは言った。
「 富山までここからどれぐらいなの? 」
「 分からない。」麗奈ちゃんは摩耶に言った。
そのまま富山の上市スマートICに着いた。
「 富山着いたね! 」
「 姉ちゃん。富山着いたよ! 」
『 そうだね… 千夏。』彩香は周りを見渡した。
「 そういえば、後ろ向いたら立山連峰見えるんじゃなかったっけ? 」
「 それはまだ先じゃない? 」
「 もう良いと思うよ! 」と彩香達が後ろを向くと、
立山連峰が連なっていた。雪も掛かって外は晴天。
「 凄い!立山連峰が一望に見えるね! 」
「 この8号線凄い便利!」
「 でも、立山連峰ずぅーと見たいなら逆方向の方が良かったかもね! 」と摩耶が言った。
「 立山に 降り置ける雪を 常夏に 見れども飽かず 神からならし 」
「 涼華さん。それは何なの?百人一首? 」
「 大伴家持。」
「 あ、その人の名前なんか聞いた事ある!」千夏が言った。
「 そのはじめて見る光景に対する素直な感動を「見れども飽かず」と歌い、夏に雪が積もることに対する驚きを「神からならし(きっと神の山にちがいない)」と歌にしたそうよ! 」と涼華さんは千夏ちゃん達に言った。
「 へぇー。そうなんだ。」と千夏は涼華さんの言葉に頷いた。
もうすぐ… 黄金さんの実家。
そして、東京から富山の実家(=龍雷神家)まで6時間ぐらい掛かった。
「 麗奈さん。運転ありがとう! 」
「 いいえ。楽しかった!」とコンビニに停まっていた。
「 麗奈。代わろうか? 」
「 お姉ちゃんお願い!あーあ。」欠伸して言った。
『 あと、どれくらいですか? 』
「 あと30分で着く。」Googleマップはそうなっていた。
「 そういえば… 姉ちゃん。GRT48って今の時期ツアーとかしてないんだよね? 」
『 うん。今の時期は… なんで?千夏。』
「 え?(川除)莉菜ちゃんに逢えないかなぁって思って。」
『 あー。莉菜ちゃんね… 分からない。富山に居るかどうかすら聞いてない。』
「 ふーん。なんだ… 」と千夏は話を止めた。
車を出し、8号線をひたすら走った。
そして、龍雷神家(=黄金さん)の実家に到着した。
その時… 1人の男の人が家の前を歩いていた。
「 敏幸!なんか、見た事ない車停まってるぞ! 」と男の人がその家の玄関の扉を開けていた。
敏幸さんがやってきた。
「 叔父さん。ご無沙汰してます! 」
「 あれ?千夏ちゃんに摩耶ちゃん。元気にしてた? 」
「 元気ですよ!おじさんこそ!」と千夏。
「 敏幸さん!高い高いして! 」と摩耶。
「 それは小さい頃の事… 今はもう大きくなってるから出来ない。」
「 ぶー。ぶー。私が重たいって事でしょうが! 」と摩耶は敏幸さんの服を摘んで言った。
「 お!君が彩香ちゃんだね… 大きくなって! 」
『 はじめましてでしたっけ? 』
「 あー!ごめんごめん。赤ん坊の時だったから分からないよね笑 」と敏幸さんは彩香の顔を見て笑った。
「 君が蓮くんと紬ちゃんか…なんか可愛いね!こんな小さい頃がうちの子供達にもあったんだなぁ! 」と敏幸さんは彩香の子供の頭を撫でた。
「 親父!彩香ちゃんの事知ってるの?あのGRT48の彩香ちゃんを!」と息子は言った。
「 あー。お前には言ってなかったな… 梨紅。俺の兄貴の子供。お前からしたら親戚に当たるって事やな! 」
「 え?親父に兄弟は知ってるけど… 子供にこんな有名人居るなんて知らなかったよ! 」と息子の梨紅は目をまんまるにした。
『 初めまして、梨紅さん。山本彩香と言います。』と彩香は梨紅に握手した。
「 どーも。初めまして、龍雷神梨紅と言います。」
『 こっちは私の妹の千夏です。』
「 こんにちは!梨紅さん。」
『 こちらは父の弟(いえばあなたのお父さんの弟)の子供の摩耶ちゃんです。』
「 梨紅さん。はじめまして、」と握手した。
『 こっちは… 』と彩香が言うと、
「 麗奈ちゃんでしょ!小説家〔 瑠璃 〕ちゃんでしょ! 」
「 私の事知ってるんですか? 」
「 勿論… 貴女の小説持ってます! 」
「 ありがとうございます!」と麗奈ちゃんは梨紅さんの手を強く握った。
「 姉の涼華です。初めまして… 」
「 どーもです。」と(梨紅さんは)握手した。
この時点では分からないが…
涼華さんは梨紅さんに一目惚れだった。(※原因不明)
「 敏幸!ご飯よ!」と奥さんらしき人が玄関から出てきた。
奥さんは彩香さんを見て驚いた。
「 え!彩香さん…?あの有名なグループで昨日活動復帰報告したあの?」
と彩香さんの方に走ってきた。
「 え!本物や。なんでなんけ?」
「 大和の子供。」
「 え?大和さんの娘さん。」と夫婦で言い合っていた。
「 おじさん。今日は遅いから、家に泊めてくれますか? 」と摩耶が敏幸さんに聞いた。
「 良いよ。別に… 部屋汚いけど。」
「 ちょっと。あんたそれで良いの? 」
「 他、ホテルとかあるやろ!」
「 お金使わせる気か!? 」
「 俺は別に良いぞ!」と梨紅さんは言った。
「 梨紅!アンタの部屋は大丈夫なんけ? 」
「 大丈夫やちゃ!少し片づければなんとか… 」
「 誰、ベットに寝させるの? 」と奥さんが息子の梨紅に聞くと、
「 私、一緒でも構いません。」と涼華さんが手を挙げた。
「 え?涼華さん。良いの? 」
「 はい。大丈夫です!」と涼華さんは敏幸さんの妻に言った。
「 梨紅。手を出すんじゃないよ! 」
「 そんな事せんわ! 」と親子で言い合った。
「 ねぇ、お母さん。ご飯まだ? 」と高校生らしき女の子が言った。
「 え?彩香ちゃん。なんで? 」
「 俺の親戚。」
「 え?知らない。聞いてないよ… 」と娘は言った。
敏幸さんは娘に経緯を話した。
「 はじめまして、美香です。こんにちは!」
「 美香ちゃん。何歳ですか?」と摩耶が聞いた。
「 18歳です。」
「 私も、18歳。同い年だね!千夏、美香ちゃん同い年だって! 」
「 へえー!18歳か… 一緒に話そ! 」
「 なら、美香は千夏と摩耶ちゃんと同じ部屋ね! 」
『 あの… 私は? 』
「 あ、そっか。彩香は妻の部屋で一緒に寝るか? 」
「 私も一緒に良いですか?」
「 麗奈ちゃんも?良いよ!」と敏幸さんはOKした。
「 寒いから家に入った! 」
と敏幸さんは彩香達を家の中に入らせた。
家に入ると、良い匂い(※後で分かる)がしていた。
部屋は物凄く綺麗で、何故かシャンデリアが飾られていた。
時計の針は短身で5、長針は12の所を指していた。
「 夕ご飯なんか作るから、まってて! 」
「 あ!おじさん。」と摩耶は財布から1万円を抜いた。
「 ん?これは何? 」
「 富山にいる間のご飯代渡した方が良いかなぁって… 」
「 そんな事しなくても良いんだよ!家族なんだし。」
敏幸さんは彩香達が富山に来ると聞いていたので、廊下からKFCを事前に買っておいたのだ。
KFCの匂いで柴犬[兄妹](花ちゃん、竜ちゃん)達は吠え出した。
「 あ!だから、さっきなんか良い匂いがしてたんや! 」
「 親父!買ってきてたんだ。」と梨紅さんが言った。
「 この日の為にな!」と袋からケースを取り出した。
いただきまぁーす!と手を合わせた。
チキンを食べ終え…
麗奈ちゃんと涼華さんは運転の疲れか眠気が来ていた。
「 明日、富山駅周辺とか案内して下さい! 」
「 私しても良い? 」と美香ちゃんが手を挙げた。
「 大丈夫か?美香。」と敏幸さんが美香に聞いた。
「 うん。大丈夫!任せて!」と胸を張って言った。
「 彩香さんも一緒に行きましょう! 」
『 黄金さんと一緒に行きたかった。』と小声で…
「 姉ちゃん!また今度、黄金さんと行けるからさ! 」
「 そうだよ!彩香さん。また来れば良いんだから。」
『 そうだね!また来れば良い事だね。』笑顔になった。
「 そう言えば… NEWSで新駅出来たって聞いたんですが… 」
「 家から近いよ!徒歩10分も掛からないし… 」
「 富山駅周辺に建物とか出来たんだって? 」
「 あ!それMAROOTって言う商業施設です。」
「 聞くけど… 映画館とか入ってるの? 」
「 映画館は入ってないけど… 無印良品とかニトリ系列とかLOFTとか雑貨系に牛タンのお店やつけ麺のお店北陸初出店のお店もあるらしい。あと、婦人服や韓国の化粧品は置いてある。」
『 紳士服や紳士靴や紳士用は置いてあるんですか? 』
「 うーん。彩香さん… そこまでは分からないですね!」
『 分かりました。』と美香ちゃんの問いに答えた。
「 行ってみないと分からないね! 」と摩耶。
「 そうだね!お姉ちゃんもね! 」と千夏。
「 ちなみに蓮くんと紬ちゃんは連れてくの? 」
「 私達が抱っこしてくのなら良いんじゃない? 」
「 そうだね… 姉ちゃんに抱っこさせると怪しまれるし… 」と千夏は言った。
敏幸さんに新駅の行き方を聞いた。
“ 家の近くの地下道をくぐり…
左折して公園を通り過ぎたら新駅到着 ” だと伝えた。
「 でも、赤ちゃん連れてくなら敏幸さんに運転お願いしたら? 」
「 そうだね!ベビーカーで新駅向かう? 」
「 それだったら、富山駅に降ろしてもらうようにすれば良いんじゃない?」
「 わざわざ、マルートの駐車場に停める? 」
「 明日決めよ?朝早いし… 寝よ! 」と摩耶が言った。
敏幸さんは彩香の子供達の面倒を見ていた。
敏幸さんも、オムツを替えたりご飯をあげたりした。
犬達はリビングで横になってぐっすり寝ていた。
麗奈ちゃんと彩香は敏幸さんの妻の部屋で3人で…
簡単な話を…[アイドル活動どうなのか等]
涼華さんは息子の梨紅さんの部屋で。
[仕事の話や大学生活時代とか将来の話等など]
(※話が終わった後、何があったかは皆様の想像にお任せします。)
千夏と摩耶は美香ちゃんの部屋でお話をした。
摩耶と千夏は黄金に着いたよの報告をした。
連絡を終えた後… もふもふの布団で横になった。